更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

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チャプター5:ブルーブラッド・ウェア・イン・ザ・テーブル

ビフォア・ザ・ストーム

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再誕歴7701年フェブラリー28日。

ベルモンド伯爵領のベルモンド伯爵邸敷地内にある騎士達の修練所。
騎士達の修練場だが使用人も一応の武術を備えている者もおり
彼等も修練に使用している。
修練場にはフェザーとレイクが組手を行っている。
フェザーは何時もの執事服だがレイクはメイド服である。
動きやすさを重視してやや丈は短くしている。

「流石・・・と言った所ね」

マルガレーテが組手を見ながら呟く。
フェザーがレイクの攻撃を捌きながらカウンターを的確に当てている。
共に徒手空拳、 本来ならばドラゴニュートのレイクの方が有利な筈なのだが
そんな事は知らんとフェザーは的確にカウンターを決めている。

「やってるわね」
「これはこれはサン様」

やって来たサンに礼をするマルガレーテ。

「ドラゴヴァニア五連星、 いや元五連星か
その彼女には引けを取らないなんて、 流石はフェザーね」
「フェザーは規格外ですしね、 それで何の御用で?」
「ちょっとね、 二人共、 ちょっとこっちへー」

フェザーとレイクは組手を止めてサンの元に走って来た。

「如何しました?」
「スタメン※1 を発表するから本館に来なさい」


※1:スターメンバーの略、 ドラゴヴァニア五連星の様に
選ばれし者を星と呼称するのは良く有る事である。
即ち、 選ばれたメンバーと言う事である。


「スタメン・・・って如何言う事?」
「参勤交代※2 か有るから、 そのお供ね」


※2:元々は日本の制度の一つで
各藩の主である大名や交代寄合を交替で首都に出仕させる制度である。
ベネルクス王国では1年に1度、 一つの門閥を属する貴族全員を
首都国王直轄領ブリュッセルのブリュッセル王宮に集めて
国王への挨拶や近況報告等を行い、 王の御前にて門閥内での会議を行ったり
ブリュッセルハウスに住まわせている近親者と会ったりするのだ。
尚、 毎年どの門閥が参勤交代するかはローテーションで決まっているが
何時行うかは上半期である事以外決まっておらず首都から日付が通達された後に
門閥貴族はスタメンを決めたり等、 様々な準備を行う。


「変な法律だよなー」
「まぁ悪法でも法は法※3」


※3:ソクラテスの名言。


「フェザーって博識よねぇ・・・じゃあ邸に戻ろうか」
「はい」
「了解です」



本邸に戻った4人。
ロビーには既に使用人達が待っていた。

「クローリス、 お父様は? スタメン発表じゃないの?」
「お嬢様、 旦那様は急な御客の対応ですね」
「急な客? 来客の予定が有ったかしら?」
「贔屓の茶器商人の方ですよ、 何でも凄い茶器が手に入ったから
是非とも御紹介したいと」
「ふーん、 そう・・・」

そうこうしている内に茶器商人はほくほくした表情で現れた。
如何やら商品が売れた様だ。
茶器商人を送り出した一行はベネルクス伯爵を待った。

「・・・・・来ないわね」
「何か有ったのか?」
「フローラ、 様子見て来て」
「合点承知!!」

フローラがタタタと走って様子を見に行った。

「・・・そう言えば一つ気になっている事が有る」

レイクが口を開いた。

「何が?」
「ベルモンド伯爵とかこの国での貴族はファーストネームを名乗っていなかったり
サン嬢の様に家名を名乗ったり、 名乗る貴族がいるのは何故だ?」
「伯爵とか爵位を継いだ貴族は基本的にファーストネームは名乗らないんだよ
家名を名乗る事になっている、 それから家の庇護下に有る子女
つまりサン様の様なベルモンド伯爵邸に住んでいる方は家名を名乗らず
誰誰の子とかそういう風に名乗るんだよ
但し、 家から出て仕事しているとかそう言う場合には家名を名乗る事になっている」

例としてはフロッグ・タッドポラが後者のケースに当たる。

「なるほど・・・色々と面倒な決まりが有るんだな・・・
フェザーは武術だけではなく学問も優秀なんだな」
「それ程でも・・・?」

フェザーが眉を顰める。
フローラが怯えた様子で帰って来た。

「・・・・・如何したの?」

サンが尋ねる。

「あ、 あの・・・だ、 旦那様が・・・」
「お父様がどうかしたの!?」
「あ、 いや、 その、 何と言いますか・・・旦那様が物凄い怒っています」
「・・・・・は?」

サンは首を傾げた。
他の使用人達も首を傾げた。
ベルモンド伯爵が怒る?
サンは父であるベルモンド伯爵が怒る所を見た事は無い
当然、 叱られる事は有ったが明確に怒った所を見た事が無い。
使用人達もである、 それなのにフローラが怯える位に怒っているとは如何言う事だろうか。

「皆、 揃っているな」

渦中のベルモンド伯爵がやって来た。

「お、 お父様・・・?」

サンは明らかに困惑している。
ベルモンドの服装が何時もの落ち着いたグリーン系統の服から
真っ赤な服に変わっている、 更に表情からは見分けられないが
明らかに怒気に満ちている。

「スタメンを発表する、 サン、 フェザー、 レイク、 マルガレーテ
フローラ、 アンテイア、 クローリス、 以上七名」
「え、 いや、 普通スタメンって2,3人では?」
「私は用事が出来たので出かける」

そう言ってベルモンドはスタスタと去って行った。

「・・・・・一体何が起きているっていうんだ・・・」
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