更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

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チャプター6:ぺドルズ・クライミング・ゼアー・シェア

ダンスパーティ・アンド・デッドアイズ

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再誕歴7701年マーチ28日。

ベネルクス王国首都国王直轄領ブリュッセル。
内側インナーエリアにある第5ダンスホールにて舞踏会が開かれた。
舞踏会と言っても王族や公爵が主催する公的な舞踏会では無く
ベネルクス・グローバルズ・エコノミー・クラブと言う社交クラブが開催するクラブである。
公的な舞踏会とは違いクラブ入会者ならば
爵位や称号など勲章や地位を持たぬ者以外にも参加する事が可能である。
但し参加には国際儀礼第一級※1 以上の資格が必要である。


※1:国家間の儀礼上のルール。
貴族の最低限知っておかなければいけない礼儀作法の資格である。
学ぶ為には金と時間が必要な為、 貴族クラスの金持ちで無ければ学ぶ事は難しい。


今回の舞踏会に参加しているのはベネルクス・グローバルズ・エコノミー・クラブの会員や
貴族諸氏であった、 ベネルクス・グローバルズ・エコノミー・クラブは貴族と会員の
橋渡しを行う為の一面を持っておりベネルクス・グローバルズ・エコノミー・クラブは
その名の通り国際的なビジネスを行っている商人が会員になっており
商人と結びつく事で貴族は投資等を行い多額の利益を獲得する事が可能となっている。
尚、 ベネルクス・グローバルズ・エコノミー・クラブには商人以外にも
野心家の平民達が着飾り貴族や商人達の覚え良くして成り上がる事も目論んでいる為
付き合う相手の見定めは必須である。

ベネルクス・グローバルズ・エコノミー・クラブは社交クラブとしては新興クラブだが
人気が有り貴族でも舞踏会に参加するには順番待ちという状態が続いている。
商人達とのパイプを持ちたいアグレッシブな貴族達、 商人、 平民が大勢参加する為
公的な舞踏会よりも噂が早く広まる側面を持っている。



「もう少し柔らかく踊りなさい」
「すみません、 ちょっと緊張し過ぎました」

その舞踏会の中央にてサンとフェザーが踊っていた。
やや固いながらも綺麗に踊れている。

「あのサン伯爵令嬢と踊っている男は誰だ?」
「執事のフェザーだ、 S級決闘者の資格も持っていた筈」
「執事とファーストダンスを? ベルモンド伯爵は何を考えている?」
「いやいやS級決闘者ならば貴族様ともつり合いは取れるだろう」

ポリニャックの想定通り、 二人の関係性を噂する人々。

「君の想定通りになったな」
「えぇ、 嬉しい事ですよ、 私は結婚に苦労しましたから
子には青春時代に結婚相手が決まって欲しいと思いますよ」

ベルモンド夫妻は軽くシャンパンを飲みながら談笑していた。

「結婚相手、 か」
「あら、 あなた、 私が妻で不満?」
「いや、 正直私はジュン、 じゃなかったセルデン侯爵の結婚と離婚を見て来たからな」
「あの人バツ3※2、 じゃなかったバツ2だったわね」


※2:とある偉大なコメディアンが離婚会見時に額に×印を書いた故事成語に由来する言葉で
一回離婚すればバツ1、 二回離婚すればバツ2と言う言い方が広まった。


「正直に言うとセルデン侯爵と最初の奥さんの仲睦まじさは知っていたからね・・・
信じられなかったよ・・・」
「セルデン侯爵は武人さんだったからね、 仕方ないでしょう」
「彼は無茶はやるし事有る事にその無茶に巻き込んで来るし
正直に言うと好きになれないタイプの人物だが彼は戦友だ
良い所もあるよ」
「そうですか・・・」
「寧ろ、 私の方が年上だから君に嫌われないか不安まである」
「離れ離れになるとは想像しませんでしたが中々に楽しく過ごさせて貰っていますよ
株でコツコツと儲けていますし」
「意外とバイタリティあるなぁ・・・」
「えぇ、 意外と女は強いんですよ、 と言っている間に強い女の代名詞が来ましたよ」
「うん? あ、 これはこれはお久しぶりですカロリング陛下!!」
「頭をお上げくださいベルモンド伯爵、 今は唯のカロリングです」

ホワイトプラチナのストレートヘア―で赤みがかった紫の死んだ様な瞳の美しい美女。
彼女はカロリング、 元々はオーストリア帝国の隣国フランク王国の女王で
革命を察知し、 ヨーロッパ連合の仲介の元、 革命勢力に政権を譲り
国費の一部を和解金として受け取り親戚達と共に王族を降りて国外に亡命した女性である。
その後、 和解金を元手に株の売買を行い女王時代と変わらない富を得ていると
噂されている程才知に溢れた女性である。

「今はトレーダーをやってるとお聞きしましたが」
「えぇ、 私はこう見えて機を見るのに長けていましてね」
「退位の引き際は見事でした」
「それほどでもないですよ、 所で息子を見ませんでした?」
「御子息ですか? 見ていませんが」
「そうですか、 では失礼します」

カロリングは去って行った。

「相変わらず嫌な目だったな」

ベルモンドが妻に呟いた。

「確かに・・・でも彼女は凄い人ですよ
株で彼女の右に出る者は居ない
今のトレンドはブラック・シンゲツ・コーポレーションらしいです」
「ブラック・シンゲツ・コーポレーション・・・フェザーの前の職場か
フェザーが居なくなったから寧ろ会社が傾いたのでは?」
「寧ろ株価が下がった事で今は買いらしいです
フェザーが居なくなりましたが無能な社長が居なくなって経営は寧ろ良くなっているらしいです」
「なるほど・・・そろそろ二人のダンスが終わるな」
「じゃあ何か飲み物を持って行きましょうか」

そう言ってポリニャックはグラスを二つ持ったのだった。
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