更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

Mr.後困る

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エクストラチャプター:スクール・コプラス

ドント・ウォーリー

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再誕歴7701年ジュニアリー15日。

セント・ルーブル学園の火葬場にて焼かれるリーズフ。
そして生徒や教師が周囲で泣いている。

「あそこまでやる必要有ったのかよ!!」
「惨過ぎる・・・」
「人間のやる事じゃねぇ!!」

周囲に嗚咽が篭る。

「何を今更・・・人が死んだのは初めてじゃないのに」

ゲルダが離れた場所でぽつりと言う。

「生徒会長、 リーズフが死んだがこれで如何にかなるのか?
お前の策とやらは当たるのか?」

レルトトがゲルダに尋ねる。

「・・・・・マザーは?」
「御休みになられている、 あんな悍ましい物を見せられては・・・」
「今まで大勢殺しておいて今更」
「っ!! 貴様にマザーの何が分かる!!」

ゲルダの胸倉を掴むレルトト。
周囲の目線が彼等に集まる。

「警備主任、 貴方達とリーズフさんは確かに長い付き合いでした・・・!!
でも彼は私達を見守ってくれていました・・・!!
長くは無くても濃い付き合いだったんです!! 私が悲しみを抱いてはいけませんか!?」

ゲルダが滂沱の涙を流しながら叫ぶ。

「え、 あ・・・」

レルトトが驚いて離す。
そしてゲルダが泣いて伏せる。

「生徒会長!!」
「会長!!」
「レルトトさん!! 一体何をしているんですか!!」

ゲルダの元に集まる生徒と教員達。

「い、 いや俺は」
「良いんです、 皆さん・・・」

ゲルダが立ち上がる。

「レルトトさんは長年の友人を失って・・・私よりも深い悲しみの中に居る
私が無遠慮にそう言ってしまったのが悪かったんです」
「会長・・・」
「そんな・・・」
「今回の件、 言いがかりですが正当な決闘です
私達がこの決闘に介入するのは犯罪です、 だから私達には見守る事しか出来ない・・・」

ゲルダは自身の手から血が滲む程握り締めた。

「辛いですが・・・見守る事しか・・・」

そして再び伏せて涙を流す。

「・・・いや!! 悪いのはアイツらだ!!」
「そうだそうだ!! 侯爵だか何だか知らないが言いがかり付けて来やがって!!」

生徒達が叫ぶ、 この行いには納得がいっていない様だった。

「止めなさい!! 相手は高位貴族!! 下手な事を言えば裏から手を回されて破滅する!!」
「くっ・・・」
「なんて卑劣な・・・」

ヒートアップする生徒を諫めるゲルダ。

「レルトトさん、 後2戦、 残り二人が勝てればこちらの勝ち
ここから巻き返せますよね?」
「・・・・・」

最後の一人はウィードなのはお前も知っているだろうと言いたげなレルトト。
ゲルダはウィンクした、 なるほど合わせろと言う事かとレルトトは理解した。

「・・・・・いや、 実は向こう側から条件を出されてな」
「条件? それは一体・・・?」
「最後の一人・・・それはマザーなんだ」
「なっ!?」
「マザーに!?」
「戦えるのかマザー!?」

驚愕する生徒達。

「戦える訳が無いでしょう!? あの方は聖職者なのよ!?」

泣き叫ぶゲルダ。

「もう駄目だ!! もう駄目だー!!」

泣き叫び嘔吐する生徒達。

「もういっそのこと・・・」
「いやそれは駄目だ!!」
「ヴァカ野郎!! 我が身大事かよ!!」

騒乱する生徒達。

「ゲルダ・・・これが・・・この混沌がお前の狙いか?」

小声で尋ねるレルトト。

「・・・・・」

ひそやかににこりと笑うゲルダ。

「・・・・・この混沌を・・・如何する気だ?」

固唾を呑んで尋ねるレルトト。

「心配しないで下さい」

レルトトは問い詰めたかった、 しかしこの状況ではそれも難しい・・・

「・・・・・」

レルトトは自分が間違った方法を取ってしまったのではないか、 戦慄した。




レルトトの人生は良い物ではない悪である。

若い頃にレルトトは貧しい環境から悪事を働き、 青年の頃は不良では無く悪になっていた。
レルトト自身はそんな生活を悪いとは思っていなかった。
働くなんてヴァカな事をせずとも大金が楽に入って来るのだ、 止められる訳が無い。
だがそんな生活が長続きする訳が無い
レルトトは周辺住民から徹底的な私刑リンチに遭い、 命からがら住んでいた町から逃げ出した。
暴風の中でこのままだと死んでしまう、 と更生を決意した。

しかしながら他の街に行ってもレルトトを雇う所なんて無かった。
そりゃそうだ、 こんな怪しい男を雇う訳が無いのだ。
また悪の道に入ろうか、 とも思ったレルトトだったがそんな折にネーデル男爵に雇われた。
ネーデル男爵の慈善活動の一つ社会再統合※1 の一環である。


※1:教育や職業訓練等で犯罪以外の生き方を選ばせる為の活動。
ネーデル男爵の場合、 ネーデル財閥での雇用も可能である。


そしてレルトトはネーデル男爵の訓練によってネーデル男爵の護衛として採用されたのだった。
レルトトはネーデル男爵に対して深い恩義を感じ尽くして来た。
彼の没後は男爵の実子の命令でウィードの護衛になった。
ネーデル男爵からの恩義を返す為にウィードの為にリーズフと暗躍していた。



再誕歴7701年ジュニアリー17日。

「やるしかないか・・・」

決闘場に向かうレルトト、 最早逃げる事は出来ない。
やるしかないのだ。
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