更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

Mr.後困る

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チャプター8:ポイズン・グラマー

イフ・ユー・シンク・アバウト・イット

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「何だ急に」
「大将首取れば手柄ってそういう時代じゃねーだろうが!!
何だアンタは!? 乱世の生まれか何かか!?」

アンポールが全力で指摘する。

「・・・・・しかしここに居る人達の大半は戦で功績を挙げた人達ですよ?」
「そうだろうとも!! 二度の戦争での英雄達だよ!!
でも今は平和な時代じゃねぇか!! 成り上がりにも方法ってもんが有るだろうが!!」
「例えば?」
「んなもん知ってたらとっくに成り上がっている!!」
「ちょっと二人とも落ち着いてくれ・・・」

ベルモンドが冷静にさせる。

「さっきも言ったが『自分達がこれから出世できるチャンスが有るのか分からないのに
フェザーが騎士になったのが気に食わない』のは分かる
しかし『だから出ていく』と言うのは可笑しくないか? 挨拶も無しに?」
「話し合っても無駄と感じました、 フェザーの事を持ち上げる功績も作っていましたし」
「いやいや、 そうじゃなくてだね、 手順と言う物が有るだろう」
「貴族が成り上がると言う手順を無視して
平民を騎士にするのは手順を無視しているとは言えませんか?」
「ヴァカかよお前は!? 騎士や貴族がバイトのバックラー※1 みたいに
黙って消えるなんて許される訳ねぇだろうが!!」


※1:仕事を勝手に辞める者達、 貴族領によっては犯罪である。


アンポールがまたしても全力で指摘する。

「その通り、 気に入らなくても私達は国民の生活を守る責任有る立場だ
その責任ある立場の人間が無責任な行動を取るのは如何な物かと思う
そもそも今回のフェザーの受勲は陛下の意志だ
文句が有るのならば陛下に直接言上すれば良い」
「そんな事をすればタダでは済まないでしょう!!」
「命が惜しくて何も言えねぇなら黙ってろ!!」
「アンポール、 五月蠅い」
「すみません」
「兎も角、 勝手に居なくなるのは事件に巻き込まれる危険も有るし
そもそも居なくなった連中の領地は今如何なっている?
まさかとは思うが何もしていない訳ではあるまいな?」
「え・・・あ・・・」

眼が泳ぐヴィング。

「まさか何もしていないと? 引継ぎは? もしも代官不在に何か有ったら如何する?」
「いや・・・その・・・」
「そもそも彼等が居なくなった後に何で私に何も言わなかったの?」

ベルモンドがヴィングを見る。
二度の戦役を潜って来た男の目である、 軟弱の男爵では見返す事が出来なかった。

「6人の居場所は?」
「え、 あ、 はい、 ブヴァール以外はヴェルギウス公爵の元へ
ブヴァールはネーデル公爵の所へ向かいました」
「ブヴァールは兎も角として他の連中はヴァカじゃねぇの?
挨拶も出来ねぇ奴がヴェルギウス様に迎え入れて貰える訳ねーじゃんか」

アンポールが荒い言葉遣いが気にならない程の正論を吐く。

「・・・・・!!」

ツーと冷たい汗が流れるのをヴィングは感じた。

「そもそもの話、 君は昇格のチャンスが無いと言っていたが
ブヴァールは昇格が内定していたんだ
君が昇格出来ないなんて言っているのは甘えじゃないのかね?」
「いえ・・・その・・・様な・・・」
「ちょっと良いですかね?」

クリフォールが挙手する。

「何だね?」
「ヴィング様が戦乱が無いから功績が立てられないと言っているのは
何処かの活動団体の受け売りでしょう?」
「!?」
「どういう事だ?」
「はい閣下、 先々代の国王陛下が定めた法律により
NPO、 即ち非営利団体に国から補助金が出るのでNPOの数が多くなりました
その中には過激な団体も含まれます
例えばバーリィ侯爵の所に入り込むエコテロリストもNPOが含まれます」
「政治団体は恐ろしいなぁ、 それで?」
「NPOが貴族達に出資を求める際にこういう事を言います
『戦争が無くなって手柄を挙げられなくなった
ならば戦争を起こせば良い、 とまでは言いませんが
正義の為に誰かを倒そう』とこういう勧誘をしてくる場合が有ります」
「つまり適当に誰か大将首にして手柄をでっちあげるって事!?
そんなんアリかよ!!」

アンポールが叫ぶ。

「そうでなくても善行の為、 とか節税の為に出資する者は居ますけどね
悪を定めて攻撃して功績を挙げる、 卑劣な連中ですよ」
「要するに」

ベルモンドが呆れた様にヴィングを見る。

「君は良く分からん奴等に乗せられたと言う事か
君が未だに男爵よりも上に行けない理由が分かったよ、 ヴィング」
「っ!!」
「ヴィング」
「・・・はい」
「君は会議に参加しなくて良い」
「え・・・こ、 降格と言う事ですか!?」
「そうだな、 居なくなった6人の領地に何か有ったらタダじゃおかない
だが、 もしも何も問題無かったら罰金にしておこう
何も無い事を全力で祈っておけ」

話は終わりと手を上下にはためかせるベルモンド。
ヴィングは一礼をして広間から退出した。

「良いんですか? あれで許して? 腹でも切らせましょうよ」
「止めろ!!」

アンポールの提案を全力で静止するベルモンド。

「・・・セルデン侯爵のノリを持ち込むな」
「しかし恥ずかしいでしょう、 訳分からん団体の訳分からん理屈に
言い包められたとヘマを晒してしまったのですから」
「男なんだから恥ずかしい事の一つや二つ有るだろう
それよりもエルジェ、 急いで部下を使って居なくなった連中の領地の様子を
見て来る様に伝えておいて」
「了解しました」

エルジェは部下に指示を出した。

「ヴィングってここまでヴァカだったとは思いませんでしたな」
「全くだアンポール、 領地経営素人の我が娘の方がまだマシだ」
「サン令嬢ですね、 彼女は?」
「湖でバカンスだよ」
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