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チャプター9:キラー・クイーン
ベネルクスゴシップ・アドベント
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再誕歴7701年ディセンバー16日。
サン伯爵令嬢領、 と偉そうに言っているが実質的にはまだ単なる村としか言えない場所。
人口は100人ほど、 ベルモンド伯爵直轄領から実務担当の役人、 警邏等の騎士は
その中の2割ほどなので正味の人口は80人ほど。
元々は廃村だったので防風対策は完璧である。
しかしながらお化け※1 が出て来るので誰も住めなかった。
※1:怖い、 ラテン語で喋って来る。
フェザーとお化けによる殴り合いは一昼夜に及び
最終的に12Rの後に判定勝ちで何とか廃村を譲り受ける事に成功した。
「サポート有りでも少し辛いわね」
自身の邸で一息吐くサン。
邸と言ってもベルモンド伯爵の邸よりもはるかに小さい、 村長宅と言って良いレベルの家である。
「何時かはやらなくてはいけない事ですし」
「それにしても多過ぎよ・・・」
読者諸賢は『人口80人が多過ぎ?』と思うかもしれないが
こう考えて頂きたい『サポートするので学校の学級一つ分を纏めて下さい』
学級主任でも厳しい、 だがしかしこうも思うだろう
『何でそんなに大勢来ているの?』と
確かに最初は細々とやる予定だったのだが、 遡って説明しよう。
再誕歴7701年ディセンバー1日。
ベネルクスゴシップ社の社長のオーガスタスがサンの元にやって来た。
「いやぁ、 この度は領主就任おめでとうございます!!」
「・・・・・」
ソファーに座って向かい合う二人だったが、 サンは黙っていた。
そもそも何でこんな状況に成って居るのか全く理解が追い付いていなかった。
「オーガスタス社長、 お嬢、 じゃなかった御領主様は御多忙な身
申し訳ございませんが御用件を早々に述べて頂いて宜しいでしょうか」
サンの後ろに立つフェザーが話を進める。
「この地に我が社の支社と番記者※2 を付けさせて頂きたい!!」
※2:特定の取材対象者に密着して取材を行う記者。
「何故?」
「私共は前々から貴女様の執事のフェザー殿に興味がありまして!!
ここ最近の八面六臂※3 の御活躍!! 私はフェザー殿は歴史に名を残す人物だと確信しています!!」
※3:多方面めざましい活躍をしたり一人で何人分もの働きをすること。
面は顔、 臂は肘や腕を意味するらしい。
この手にありがちな八面六臂の神格などは存在しないらしい。
「別に歴史に名を残したい訳じゃないんですが・・・」
「絶対に面白い記事が書ける!! 間違いありません!!
私はこういう機に敏感でしてね!! 私は私の直観を信頼します!!」
「別に構いませんよ」
「お嬢様!!」
サンの言葉に思わず声が出るフェザー。
「但し、 無論メリットは有るんでしょうね?」
「勿論ですとも!! 我が社でこの領を宣伝します!!」
「・・・・・それだけ?」
「まさかまさか!! 雇用算出の為にこの土地に看護学校を誘致しようと思います!!」
フェザーとサンは驚いた。
「が、 学校を誘致?」
「えぇ!! イギリスの最新医療技術を教える学校です!!」
「イギリスの最新医療技術・・・興味深いわね、 でも貴方の会社は
言っちゃ悪いけども」
「ゴシップ新聞社だろうと? 私は元々イギリス出身でしてね
その関係上、 イギリスからの亡命者のコネが有ります」
「尚更信じられないわ、 最新医療技術? そんな物をこうもあっさりと」
「この位の価値は有ります!! 学校の校舎と学生寮もこちらで建設します!!」
「幾ら何でもそこまでの価値があるとは思えない、 裏があるのでは?」
「分かりました!! それならばこうしましょう!!
我が社の筆頭株主の孫娘をその学校に入学させます!!
元から看護知識を得たいと言っていましたし問題無いでしょう!!」
「人質って事? 筆頭株主の孫を勝手に人質にするなんて・・・」
「面白いから良いでしょう!!」
「その株主さん、 多分アンタの株全部売るよ」
再誕歴7701年ディセンバー16日。
「と思ったんだけどなぁ・・・」
黄昏た眼で窓の外の校舎を見るサン。
平屋だがしっかりとした校舎である。
学生寮も小さめだがちゃんと出来ている。
「孫娘さん来ているし・・・はぁ・・・」
溜息を吐くサン。
「カニンガム氏は本当に何を考えているのか・・・・・」
「ベネルクスゴシップの筆頭株主やっている時点でもう可笑しいわよ」
フェザーが持って来た紅茶を飲むサン。
「ふぅ・・・それよりも食料自給が今の所壊滅的よ
食料輸入は大丈夫なの?」
「それは問題有りません、 食料自給も将来的には問題が無くなると思います
土壌がしっかりしていますし、 作物が良く取れるでしょう
川や池も近場ですから洗濯や身を清める事も問題無く出来ます」
「だと良いけどね」
ずー、 と紅茶を飲むサン。
「でもトラブルは付き物よ」
「騎士もそれなりに多いですし、 御領主様が居るとは言え
まだまだ貧しい領地、 そして基本的に見晴らしが良いので防衛も容易
盗賊も略奪する所を選ぶかと」
「なるほど、 そしてフェザー、 何度も言っているけども二人切りの時はサンと呼びなさい」
「え・・・あ・・・サン様」
「様も要らないけども、 まぁ良いとするわ」
サン伯爵令嬢領、 と偉そうに言っているが実質的にはまだ単なる村としか言えない場所。
人口は100人ほど、 ベルモンド伯爵直轄領から実務担当の役人、 警邏等の騎士は
その中の2割ほどなので正味の人口は80人ほど。
元々は廃村だったので防風対策は完璧である。
しかしながらお化け※1 が出て来るので誰も住めなかった。
※1:怖い、 ラテン語で喋って来る。
フェザーとお化けによる殴り合いは一昼夜に及び
最終的に12Rの後に判定勝ちで何とか廃村を譲り受ける事に成功した。
「サポート有りでも少し辛いわね」
自身の邸で一息吐くサン。
邸と言ってもベルモンド伯爵の邸よりもはるかに小さい、 村長宅と言って良いレベルの家である。
「何時かはやらなくてはいけない事ですし」
「それにしても多過ぎよ・・・」
読者諸賢は『人口80人が多過ぎ?』と思うかもしれないが
こう考えて頂きたい『サポートするので学校の学級一つ分を纏めて下さい』
学級主任でも厳しい、 だがしかしこうも思うだろう
『何でそんなに大勢来ているの?』と
確かに最初は細々とやる予定だったのだが、 遡って説明しよう。
再誕歴7701年ディセンバー1日。
ベネルクスゴシップ社の社長のオーガスタスがサンの元にやって来た。
「いやぁ、 この度は領主就任おめでとうございます!!」
「・・・・・」
ソファーに座って向かい合う二人だったが、 サンは黙っていた。
そもそも何でこんな状況に成って居るのか全く理解が追い付いていなかった。
「オーガスタス社長、 お嬢、 じゃなかった御領主様は御多忙な身
申し訳ございませんが御用件を早々に述べて頂いて宜しいでしょうか」
サンの後ろに立つフェザーが話を進める。
「この地に我が社の支社と番記者※2 を付けさせて頂きたい!!」
※2:特定の取材対象者に密着して取材を行う記者。
「何故?」
「私共は前々から貴女様の執事のフェザー殿に興味がありまして!!
ここ最近の八面六臂※3 の御活躍!! 私はフェザー殿は歴史に名を残す人物だと確信しています!!」
※3:多方面めざましい活躍をしたり一人で何人分もの働きをすること。
面は顔、 臂は肘や腕を意味するらしい。
この手にありがちな八面六臂の神格などは存在しないらしい。
「別に歴史に名を残したい訳じゃないんですが・・・」
「絶対に面白い記事が書ける!! 間違いありません!!
私はこういう機に敏感でしてね!! 私は私の直観を信頼します!!」
「別に構いませんよ」
「お嬢様!!」
サンの言葉に思わず声が出るフェザー。
「但し、 無論メリットは有るんでしょうね?」
「勿論ですとも!! 我が社でこの領を宣伝します!!」
「・・・・・それだけ?」
「まさかまさか!! 雇用算出の為にこの土地に看護学校を誘致しようと思います!!」
フェザーとサンは驚いた。
「が、 学校を誘致?」
「えぇ!! イギリスの最新医療技術を教える学校です!!」
「イギリスの最新医療技術・・・興味深いわね、 でも貴方の会社は
言っちゃ悪いけども」
「ゴシップ新聞社だろうと? 私は元々イギリス出身でしてね
その関係上、 イギリスからの亡命者のコネが有ります」
「尚更信じられないわ、 最新医療技術? そんな物をこうもあっさりと」
「この位の価値は有ります!! 学校の校舎と学生寮もこちらで建設します!!」
「幾ら何でもそこまでの価値があるとは思えない、 裏があるのでは?」
「分かりました!! それならばこうしましょう!!
我が社の筆頭株主の孫娘をその学校に入学させます!!
元から看護知識を得たいと言っていましたし問題無いでしょう!!」
「人質って事? 筆頭株主の孫を勝手に人質にするなんて・・・」
「面白いから良いでしょう!!」
「その株主さん、 多分アンタの株全部売るよ」
再誕歴7701年ディセンバー16日。
「と思ったんだけどなぁ・・・」
黄昏た眼で窓の外の校舎を見るサン。
平屋だがしっかりとした校舎である。
学生寮も小さめだがちゃんと出来ている。
「孫娘さん来ているし・・・はぁ・・・」
溜息を吐くサン。
「カニンガム氏は本当に何を考えているのか・・・・・」
「ベネルクスゴシップの筆頭株主やっている時点でもう可笑しいわよ」
フェザーが持って来た紅茶を飲むサン。
「ふぅ・・・それよりも食料自給が今の所壊滅的よ
食料輸入は大丈夫なの?」
「それは問題有りません、 食料自給も将来的には問題が無くなると思います
土壌がしっかりしていますし、 作物が良く取れるでしょう
川や池も近場ですから洗濯や身を清める事も問題無く出来ます」
「だと良いけどね」
ずー、 と紅茶を飲むサン。
「でもトラブルは付き物よ」
「騎士もそれなりに多いですし、 御領主様が居るとは言え
まだまだ貧しい領地、 そして基本的に見晴らしが良いので防衛も容易
盗賊も略奪する所を選ぶかと」
「なるほど、 そしてフェザー、 何度も言っているけども二人切りの時はサンと呼びなさい」
「え・・・あ・・・サン様」
「様も要らないけども、 まぁ良いとするわ」
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