更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

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チャプター9:キラー・クイーン

キラー・クイーンズ・ワーク

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再誕歴7702年フェブラリー14日。

ブリュッセル王宮、 宰相執務室にて。

「君が次の民部大臣だ」

椅子にてドグラマグラが宣言する。

「ありがとうございます!!」

にこやかに青年の様に笑う中年、 彼は救貧省長官のラビットである。

「私の様な若輩者がまさか大臣に選ばれるとはこの上ない幸福です!!
サイプレス閣下には嫌われていたのかあまり良くしていただけませんでしたので!!」
「これから早速大仕事をやって貰う、 君には」
「なんでしょうか!?」
「実は民援省、 女長省、 鳥獣省と共謀し様々な団体を設立し操っていたんだ
サイプレスは」
「何と!! その三省庁の長官とも仲が悪かったのですがそんな事になっていたとは!!
気が付けず申し訳ありませんでした!!」

バッと頭を下げるラビット。

「気にしなくて良い、 悪い訳じゃないんだ、 君が
問題は奴が多額の公金を不正利用していたという事だ」
「直ちに不正関係を調べ上げて報告致します!!」
「そうじゃない、 待て」
「ハイなんでしょうか!!」
「今までサイプレスが認可していた団体は何か有ったら困るから全て解体して
資金を引き揚げて置いてくれ
全て片付いたら民援省、 女長省、 鳥獣省の三省は解体する様に」
「それは問題が有るのでは?」
「民間の活動団体が連合してハウバリン公爵領内で揉め事を起こした末に
サイプレスと共謀した国外犯罪組織が送り込んだ殺し屋に
陛下が暗殺されかかった、 これを大々的に公表していくつもりです」
「何と!! 陛下は御無事なのですか!?」
「安心しろ、 陛下には傷一つ無い」
「しかしながらサイプレス閣下がその様な大それた事をしたとは
サイプレス閣下は何方に!?」
「死んだ」
「そうですか、 残念です、 あの方と分かり合えなかった・・・」

ラビットは去って行った。




サイプレス亡き後に今回の事件は【ハウバリン公爵門閥内同時多発的抗議活動】
【ベネルクス95世暗殺未遂】の二つとして大々的に公表された。

両者は殆ど無関係だったのだがサイプレスが
平等やベネルクス95世とのコネを盾に様々な無茶を通していた事への鬱憤や
彼女が消費していた予算の奪取等、 様々な思惑によって
両者が紐づけられ、 結果として
『サイプレスが様々な団体に資金を提供したのは
差別を盾にした追及逃れを行いつつ
横領や海外の犯罪組織に対しての売国行為である』
と言う事になった。
女長省長官、 鳥獣省長官、 大臣次官2名もこの証言に積極的に参加した事により
彼等の命と守られる事になったが次官を除いた二人のその後は用として知れない。

その後に新民部大臣ラビットは大規模な改革を行い、 予算が大幅削減した。
そしてこの後にサイプレスが支援して来た団体の
ほぼ全てから資金が引き上げられ解散に追い込まれたのだった。



再誕歴7702年フェブラリー22日。

通信モノリスの通信ルーム。
モーント・ズンディカーズが独自の改造をしたモノリスでの会話が行われようとしていた。

>>医者ドクトル さんが入室しました
>>看護師ナース さんが入室しました
>>受付レツェプツィオーン さんが入室しました
>>運転手ドライバー さんが入室しました
>>アスペルガー さんが入室しました
>>心臓発作ハートアタック さんが入室しました

「漸く会合ですか医者ドクトル、 待ち草臥れたましたよ」

心臓発作ハートアタックが先陣を切った。

「今日はアスペルガーの始末の件か?」

運転手ドライバーも後に続いた。

「いや、 今日はアスペルガーから弁明があるらしい」
「弁明ぃ? 誇大妄想メガロマニアが死んだのはお前の責任でもあるんじゃないのか?
お前が誇大妄想メガロマニアを護衛していた筈だ」
「えぇ、 僕もそう思っていたのですが、 聊か不信な点がありましたので
早急に離れる事にしたのです」

アスペルガーが滔々と言った。

「不信な点? 何だそりゃ?」
「過日、 医者ドクトルにマーナガルムからのスパイを背乗りして
逆にスパイにして貰いまして、 そのスパイから連絡がありました
アーベントロートの遺体が発見された、 と」
「隠蔽が雑だったんじゃないのか?」
「かもしれませんがあまりにも早過ぎます、 内通者が居たと判断しました」
「内通者ぁ? アーベントロートの襲撃に行ったのは
お前と誇大妄想メガロマニアだろぉ?」
「えぇ、 ですので誇大妄想メガロマニアが僕を裏切ったと判断しました」
「ありえねー、 何でだよ」
「隙が有れば、 皆さんも僕を殺しに来ますよね」
「そりゃまぁ・・・」
誇大妄想メガロマニアは失いましたが
彼が結ばせた健康保険による保険金が我々の口座に入る様にしておきました
アガリは諸々の経費を抜いても億は行くかと」
「おい、 まてコラ、 アスペルガー
憶単位の金が入っても誇大妄想メガロマニアの損失は滅茶苦茶デカいだろうが」
「やけに突っかかりますね運転手ドライバーさん」
「当たり前だろうが」
「じゃあこちらも言わせて頂きますが、 誇大妄想メガロマニアは本当に死んだんでしょうか?」
「あぁ?」
「彼は自由自在に変身するんですよ? 変身して逃げていると思う方が普通かと」
「・・・・・」
誇大妄想メガロマニアが死んだ事は残念だが
確かに不審な点があり、 これ以上の追及は不要、 よってアスペルガーは無罪とする」

医者ドクトルの鶴の一声でアスペルガーは無罪となった。

「ありえねぇ・・・」

運転手ドライバーはひとりごちた。
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