更新休止【異世界ファンタジー追放ざまぁハーレム主人公チート】デュエリスト・イン・ザ・ブロークンワールド【注釈付き】

チャプター13:ベトゥレイアル

ゲット・オブ・ザ・ロード

マリンダ・レットフォールは片田舎の教会の牧師の娘だった。
教会、　宗教の力は嘗て程無く、　マリンダは苦労していた両親の背を見て
『自分はこうはならない』『賢く豊かになってやる』と思った。
両親から神学校を薦められたが両親の様な苦労はしたく無かったので
ベネルクス王立学園への進学を望んだ。
両親は無理して学費を工面し、　娘をベネルクス王立学園に送った。

結果としてマリンダは始めて行った都会で遊びを覚えて遊び惚ほうけ
単位を落としたが教授に体を売り進級を勧め卒業した。

しかし卒業後、　就職が出来なかった。
学力テストで弾かれ、　面接もまともに出来ない、　学歴は有ったが学が無かった。
金に困った彼女は教会の扶助組織の会計になった。
そこでも仕事は出来なかったが裏帳簿を見つけて、　それで強請ゆすりを行った。

彼女は次第に貧しい教会に生まれた子供達への支援団体『パピー』を設立し
募金を着服しながら民部大臣サイプレスから支援を受けていた。

蜜月は早々に終わった、　サイプレスが逮捕され監査が入り彼女は捕まったのだった。

そして旧ハートレス領の株式会社アルベドの経営する民間刑務所に
多くのサイプレス配下の活動家と共に向かうはずだったのだが・・・



再誕歴7703年エイプリル5日。

「襲撃だ!!」

ハートレス領の中を囚人輸送中の馬車が襲われた。

「え、　何?」
「どうなってるの?」

囚人たちは困惑していた。

「ひょ、　ひょっとしたらサイプレス様の残党が助けに来てくれたのかも」

マリンダの希望は馬車と共にひっくり返った。



マリンダが目を覚ますと、　そこは石造りの部屋だった。

「やだ!!　やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめ」

べちゃ、　と湿った音がした。
マリンダが恐る恐る視線を向けるとそこには顔中から血を噴出している
自分と郵送されていた囚人と白衣を着た男女だった。

「これもダメか」
「大丈夫、　既に5人成功してるんだから」
「それもそうだな」

男女はマリンダに向き直った。

「ひ、　な、　何を・・・何をするつもり・・・!?」

マリンダは自分が椅子に固定されている事を認識した。

「俺達はモーント・ズンディカーズってマフィアでな
薬品を使って強い兵隊を作りたいんだが・・・・・
これは劇薬でな、　使うと体が耐えられずに死ぬ奴が続出でな
それでお前みたいな囚人を捕まえて薬を飲ませてるんだ」

そう言うと薬を一錠取り出した、　白い、　怖くなるくらい白い錠剤だ。

「・・・・・そ、　その薬を飲めば強くなれるの?」
「お、　乗り気だな」
「私ももし強くなればマフィア内の地位は高くなるの?」
「そりゃそうだな、　とりあえずまず俺の下で働いて貰う」
「俺の下?　アンタ誰よ」
「俺はモーント・ズンディカーズ最高幹部の1人、　救世主妄想メサイアコンプレックス
ボスから兵隊を作れと命じられてな」
「・・・・・分かったわ、　飲むわ」
「素直でイイね、　どいつもこいつも嫌がってしょうがない」

そう言うと白衣の女性がコップを持って来てコップの中の水をマリンダに飲ませた。
そして救世主妄想メサイアコンプレックスが錠剤をマリンダの口の中に入れる。


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マリンダは力を感じた。
とても強い力である、　彼女は力を振いどんどん組織内でも頭角を現した。
そして救世主妄想メサイアコンプレックスと同じ最高幹部まで上り詰めた。
マリンダはどんどんどんどん力を高めてやがて世界を支配するまでに至った。

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「あぁ、　これもダメか」

血塗れのマリンダを見て溜息を吐く救世主妄想メサイアコンプレックス。

「良い笑顔で死んでますね」
「末期の夢見が良かったらしいな、　死体は一纏めにして
腹かッ捌いて薬を取り出せ、　消化されて無ければまた使える」
「「「へーい」」」

マリンダは気にしていないが他にもいた男達は次々と死体を運んで行く。

「大将、　こりゃあ勿体無くないですか?」
「うん?　何だ短指症ブレキダッドリー?」

中年の角刈り男の短指症ブレキダッドリー。
救世主妄想メサイアコンプレックスよりも年上で経験豊富であり
見かねて忠告した。

「いやぁ、　こんなに大量に殺して如何しますって話ですよ
殺すよりも奴隷商に売ったり内蔵をバラして売った方が儲かりますって」
「最初から儲けなんて考えてない、　人員を揃える事が肝心だ
ボスもそうだし、　俺だって人が多い方が良い・・・・・・・・・・・・」
「はぁ・・・そうっスか、　でもこれで3つ目ですよ
国も動き出すでしょう」
「だから人手が居るんだろう」
「・・・・・もしかして返り討ちにするつもりですかい?
それは無茶ってもんじゃあ・・・」
「それ位しなければ最高幹部とは呼べないだろう
それじゃあ残りを片付けよう」

再び錠剤を呑ませる作業に戻った救世主妄想メサイアコンプレックスだった。