8 / 73
第8話【執刀医】
しおりを挟む
300万Gを受け取り現金化したハシモトは外科医の元へゾッグを案内する事になった。
とは言え現状動けないゾッグは担架で運ばれる事になった。
「ニコ、 そっち持って」
「はい、 いっせーの」
担架で馬車に運ばれて外科医の元に向かった。
外科医の家はゾッグ程では無いが豪華な屋敷だった。
担架で運ばれて薄暗い部屋に運ばれるゾッグ。
ベッドの上に乗せられるとそこにはマスクをして帽子を被った男が手袋を付けて待っていた。
「初めまして、 本日貴方の執刀を担当するマットウです、 よろしくお願いします」
「・・・な、 なぁ、 アンタ俺の腕を切るって本当なのか?」
「えぇ、 御安心下さい、 私の腕ならば貴方の腕を問題無く切断出来ます」
「そ、 そうなのか・・・今更だが緊張して来た」
「ではゾッグさん、 私達は外に出ていますので、 ジーヤさんも外に」
「いえ、 私はここに居ます」
「それは困りますね、 執刀中は関係無い人は出て行って貰わないと執刀出来ません」
「・・・分かりました、 では外に出ています」
外に出る三人。
ゾッグは横になりながらマットウを見る。
「では上半身を脱がしますよ」
「あ、 あぁ」
上着を脱ぐゾッグ。
「では横になって下さい」
「わ、 分かった」
横になるゾッグ。
「ではこれから痛みを消す薬を注射します」
「わ、 分かった」
何本か痛みを消す薬を注射される。
「薬が効くまで待っていて下さい」
「わ、 分かった・・・」
暫くして痛みが無い事を確認してからマットウは執刀を開始した。
「な、 なぁ・・・今切っているのか?」
「えぇ」
「今、 どんな感じだ?」
「今、 骨を切除している所です」
ゴリゴリ、 と音が聞こえる。
「な、 何だか実感がねぇよ・・・」
「実感が有ったら痛みで死んでいるかもしれませんよ」
「は、 はは・・・」
気まずい沈黙が流れる。
痛みも無く静かだったので眠ってしまったゾッグ。
目を覚ますと自宅のベッドの上だった。
夢だったのか? と思うと左腕が無くなっていた。
幽霊に憑りつかれていた感覚が消えたが左腕も消えた喪失感にゾッグは泣いた。
事務所に戻ったハシモトとニコ。
「何というか・・・酷い男でしたね」
「まぁこの仕事をしているとこういうケースは良く有るよ」
「そうなんですか・・・」
「まぁこういう仕事じゃなくても屑に遭う事は有るし気にしない方が良いよ」
―――――――――――――――――――――――――――
【登場人物紹介】
マットウ
幽霊ごと体を切除して幽霊を除霊する外科医
お堅い職業だが実は若い頃はラッパーになりたかった
無意識に韻を踏む癖がある
とは言え現状動けないゾッグは担架で運ばれる事になった。
「ニコ、 そっち持って」
「はい、 いっせーの」
担架で馬車に運ばれて外科医の元に向かった。
外科医の家はゾッグ程では無いが豪華な屋敷だった。
担架で運ばれて薄暗い部屋に運ばれるゾッグ。
ベッドの上に乗せられるとそこにはマスクをして帽子を被った男が手袋を付けて待っていた。
「初めまして、 本日貴方の執刀を担当するマットウです、 よろしくお願いします」
「・・・な、 なぁ、 アンタ俺の腕を切るって本当なのか?」
「えぇ、 御安心下さい、 私の腕ならば貴方の腕を問題無く切断出来ます」
「そ、 そうなのか・・・今更だが緊張して来た」
「ではゾッグさん、 私達は外に出ていますので、 ジーヤさんも外に」
「いえ、 私はここに居ます」
「それは困りますね、 執刀中は関係無い人は出て行って貰わないと執刀出来ません」
「・・・分かりました、 では外に出ています」
外に出る三人。
ゾッグは横になりながらマットウを見る。
「では上半身を脱がしますよ」
「あ、 あぁ」
上着を脱ぐゾッグ。
「では横になって下さい」
「わ、 分かった」
横になるゾッグ。
「ではこれから痛みを消す薬を注射します」
「わ、 分かった」
何本か痛みを消す薬を注射される。
「薬が効くまで待っていて下さい」
「わ、 分かった・・・」
暫くして痛みが無い事を確認してからマットウは執刀を開始した。
「な、 なぁ・・・今切っているのか?」
「えぇ」
「今、 どんな感じだ?」
「今、 骨を切除している所です」
ゴリゴリ、 と音が聞こえる。
「な、 何だか実感がねぇよ・・・」
「実感が有ったら痛みで死んでいるかもしれませんよ」
「は、 はは・・・」
気まずい沈黙が流れる。
痛みも無く静かだったので眠ってしまったゾッグ。
目を覚ますと自宅のベッドの上だった。
夢だったのか? と思うと左腕が無くなっていた。
幽霊に憑りつかれていた感覚が消えたが左腕も消えた喪失感にゾッグは泣いた。
事務所に戻ったハシモトとニコ。
「何というか・・・酷い男でしたね」
「まぁこの仕事をしているとこういうケースは良く有るよ」
「そうなんですか・・・」
「まぁこういう仕事じゃなくても屑に遭う事は有るし気にしない方が良いよ」
―――――――――――――――――――――――――――
【登場人物紹介】
マットウ
幽霊ごと体を切除して幽霊を除霊する外科医
お堅い職業だが実は若い頃はラッパーになりたかった
無意識に韻を踏む癖がある
0
あなたにおすすめの小説
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
私の息子を“愛人の子の下”にすると言った夫へ──その瞬間、正妻の役目は終わりました
放浪人
恋愛
政略結婚で伯爵家に嫁いだ侯爵令嬢リディアは、愛のない夫婦関係を「正妻の務め」と割り切り、赤字だらけの領地を立て直してきた。帳簿を整え、税の徴収を正し、交易路を広げ、収穫が不安定な年には備蓄を回す――伯爵家の体裁を保ってきたのは、いつも彼女の実務だった。
だがある日、夫オスヴァルドが屋敷に連れ帰ったのは“幼馴染”の女とその息子。
「彼女は可哀想なんだ」
「この子を跡取りにする」
そして人前で、平然と言い放つ。
――「君の息子は、愛人の子の“下”で学べばいい」
その瞬間、リディアの中で何かが静かに終わった。怒鳴らない。泣かない。微笑みすら崩さない。
「承知しました。では――正妻の役目は終わりましたね」
勝手にサインしろと仰いましたので、廃嫡書類に国璽を押して差し上げました
鷹 綾
恋愛
「確認? 面倒だ。適当にサインして国璽を押しておけ」
そう言ったのは、王太子アレス。
そう言われたのは、公爵令嬢レイナ・アルヴェルト。
外交も財政も軍備も――
すべてを裏で処理してきたのは彼女だった。
けれど功績はすべて王太子のもの。
感謝も敬意も、ただの一度もない。
そして迎えた舞踏会の夜。
「便利だったが、飾りには向かん」
公開婚約破棄。
それならば、とレイナは微笑む。
「では業務も終了でよろしいですね?」
王太子が望んだ通り、
彼女は“確認”をやめた。
保証を外し、責任を返し、
そして最後に――
「ご確認を」と差し出した書類に、
彼は何も読まずに署名した。
国は契約で成り立っている。
確認しない者に、王の資格はない。
働きたくない公爵令嬢と、
責任を理解しなかった王太子。
静かな契約ざまぁ劇、開幕。
---
冷遇王妃はときめかない
あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。
だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。
お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます
菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。
嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。
「居なくていいなら、出ていこう」
この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる