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古代でぶ妖精文明遺跡の謎

町長が語るでぶ妖精の真実!!(前編)

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でぶ妖精の市役所は異様な雰囲気だった。
間違い無く市役所ではない。
そんな市役所の真ん中にネクタイを酔っぱらいの様に頭頂部につけて
にんにくみたいな形になっているでぶ妖精が居た。

「私が町長です」
「いらっとする台詞ね」
「アンタが町長か、 この日記について聞きたい」
「ついて来るにょ」

町長でぶ妖精はてくてくと歩き始めた、 後を追うラビー達。

「君達は一体何でその日記の事を知りたいにょ?」
「俺達は古代でぶ妖精文明について知りたいんだ」
「私は何となく付き添いで」
「私も」
「俺は店長の付き添いで」
「にょもし」

ホールの奥にやって来た一行。
またしても扉が有った。

「にょもにょも」

町長でぶ妖精が扉の近くにあるパネル迄よじ登りぽちぽち押して扉が開いた。
中に入る町長でぶ妖精、 その後に続くラビー達。
扉の中は通路になっていた。

「なぁ・・・町長、 この街と言い建物と言い
今の扉と言いでぶ妖精が作れる物じゃないだろ」

鳥籠頭が尋ねる。

「にょもし、 その通りにょ
ここは元々は人類の科学力を結集して作り上げられた人間とでぶ妖精の船にょ」
「船?」
「そうなにょ、 星の海をかける船にょ」

宇宙船だ。
ラビーは確信した。

「星の海・・・」

通路には石板が立てかけられていた。
丸い大地で暮らす人々。
そして燃え盛る大地。

「・・・この石板に有るのは
さっき図書館で見た本に載っていた戦争か?」
「図書館に有る本には書かれていない戦争にょ」
「そうか」

盾の騎士は黙った。

「人間さん達は酷い戦争を経験して癒しを求めたにょ
おでぶちゃん達はたちまちペットとして人間さん達と共存していったにょ」

でぶ妖精と人間が暮らしている石板。

「それから色々有って人間さんとでぶ妖精は
仲良く星の海を渡ってここに来たにょ」
「色々はしょったな」
「世界の終わりまでの歴史を話すには余白が狭すぎる」
「なるほど・・・」

ラビーは考えていた。

「今の話じゃあ人間も一緒に居るんでしょ? その人間は?」
「にょもし、 人間さん達は長い長い星の海の航海を過ごしている内に
体が変化していったにょ」

人間が丸々と太る過程が石板に描かれる。

「そしてついに体の不要な器官が全て捨ててでぶ妖精に進化を遂げたにょ」
「な・・・じゃ、 じゃあつまりでぶ妖精は元は人間だったの!?」
「元人間のでぶ妖精も居るって事にょ」

事も無げに町長でぶ妖精は言った。
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