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悪役令嬢の私がモテモテな件について

朝食後のティータイム

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朝食を終えた後一休みする一同。

「所で殿下は何時までこちらに?」
「何言っているのよ、 貴女を落とすまでよ」

紅茶を飲みながら答えるアラモード。

「私は結婚はまだいいかなと・・・」
「あらそう? でも断り続けるのは少しきついかもしれない
私も私以外に落とされるのは嫌だから追い払う事はしてあげても良いけどなぁ」
「御心配なさらずとも大丈夫ですよ」
「あらそう? まぁ近くに小屋を建てるつもりだから遠慮無く言ってね?」
「ははは・・・」

笑って誤魔化すラビー。

「あ、 そうそう、 そういえばツイストお兄様以外に外にお兄様来てました?」
「いえ? ツイスト殿下だけですがまだ誰か来るのですか?」
「ソーラー兄様とラテアート兄様、 オブラート兄様が来てました
オブラート兄様は密入国ですが」
「密入国って・・・何でそんな事を?」
「さぁ・・・あの人は行動が予想付かないので・・・」
「・・・・・」

ラビーは想起する。
大体のお偉いさんの情報は頭に入っている。
全員とまでは行かないが皇族の情報も入っている。
ソーラーはライスボールの虐殺の執行者。
公的には反逆者討伐の際のコラテラルダメージとして処理されているが
あまり会いたくない。
ラテアートは文字通り謎、 何も言わないし既に30代の筈なのに若々しい姿から
不老不死では無いかと噂されている。
しかしオブラート? 聞いた事の無い・・・いや名前くらいは記憶に有るが印象は薄い。

「オブラート殿下ってどんな方ですか?」
「変な笑い方をして達観した物言いをする人ね」
「何か功績とかは?」
「無いですね凡俗と言って良いと思う」

お茶請けのクッキーを食べるアラモード。

「魔法とかは?」
「固有魔法が使えるけどもマントで空を飛ぶ程度の魔法よ」
「空を飛ぶか・・・良いなぁ・・・」

ウィノがぽつりと呟く。

「俺も自由になりたい」
「私は結構自由だけどね」
「ウィノさんも自由だったと思いますよ?」
「ラビー嬢、 それは聞き捨てならないな、 俺の何処が自由だったと?」
「訓練サボっていたじゃないですか」
「いや・・・それは・・・」

しどろもどろになるウィノを冷めた目で見る3人だった。

「さぼってたっていいじゃない・・・」

でぶ妖精のみが同情的にそう言った。

「・・・・・」

ウィノはでぶ妖精を持ち上げてなでなでする。

「にょ~♪」

でぶ妖精は気持ちよさそうだった。
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