上 下
206 / 426
悪役令嬢の私がモテモテな件について

非実在の怪物(ラテアートside)

しおりを挟む
落下したオブラートの死体をてきぱきと解体するラテアート。

「何か御用ですか?」

ラテアートが振り返らずに背後の辺境伯に問う。

「私は辺境伯、 この森に入って帰ろうとする者を倒す役割の者です」
「ビア帝国第5皇子、 ラテアート・ボウル・ビアです」

解体したオブラートを荷物に仕舞うラテアート。

「・・・随分と手慣れていますね」
「一応仕事ですので、 それではこれで失礼します」
「帰しませんよ」
「安心して下さい、 僕は亜人についての対応は弁えていますから」

拳を構えた辺境伯が止まった。

「・・・・・何故亜人の事を知って居る?」
「一応、 僕は憲兵団の所属ですので亜人の事位は知って居ます」
「人類に亜人の情報が漏れていた、 と言うのですか?」
「えぇ、 まぁ・・・聞いていません?」
「誰から?」
「あー・・・じゃあ失礼します」

ふっ、 と消えるラテアート。

「!?」

文字通り周囲から消えたラテアートに困惑する辺境伯。
周囲を見渡す、 森の中なので移動した痕跡が残って居る筈なのに
痕跡はない、 物音すらしない。

「もしかしてテレポート・・・馬鹿な」

テレポート等の瞬間移動の魔法は汎用魔法には無い。
固有魔法でもほぼ皆無である。
大がかりな魔道具を使用しなければ不可能である

「・・・・・」

とぼとぼと帰る辺境伯だった。






fsbauinjusa「如何やら、 気が付かない様だね」gauhujigaunugausaeh

ラテアートはその姿を後ろから見ていた。
ラテアートの固有魔法【非実在の怪物】はラテアートと自身の所有物の存在を
現実世界から消す魔法である。
ラテアートは自らの存在の実在と非実在を自在に切り替える事で
周囲から姿を消せるのだ。
更に実在していないのだから重力や時間の影響を受けない事で
空を飛ぶオブラートを飛んで追いかけたり、 老化を防いだりする事が出来る。
反面、 非実在中は現実に干渉出来ない為、 攻撃の時は自力で何とかしなければならない。
更に非実在中には実際には存在しない何かが蠢いており
普通の神経ならば発狂する、 とは言えラテアートは慣れている為気にしていないが。

iaiasasasaihi「さてと、 帰るか」gahnuietgauusahsjh

物と化したオブラートの死体と掘り起こして持ち出したフロートの死体を荷物鞄に入れて
ふわふわと飛びながら戻るラテアートであった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

極悪チャイルドマーケット殲滅戦!四人四様の催眠術のかかり方!

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:844pt お気に入り:35

将棋の小説

大衆娯楽 / 連載中 24h.ポイント:9,741pt お気に入り:1

ニコニココラム「R(リターンズ)」 稀世の「旅」、「趣味」、「世の中のよろず事件」への独り言

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:532pt お気に入り:28

一分で読める悪役令嬢

恋愛 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:1

トラブルに愛された夫婦!三時間で三度死ぬところやったそうです!

現代文学 / 連載中 24h.ポイント:894pt お気に入り:34

処理中です...