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冥府にGO!!

死体の女

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ラビーはすぐさま立ち上がって医務室を出た。

「お、 おい大丈夫か? 結構ボロボロじゃないか・・・」

心配するツイスト。

「全身と頭の中にハリネズミが居るかの如く痛み
口の中が鉄の味がする」
「頭から血が出ている、 包帯を巻こう」
「歩きながらでお願いします」
「分かった、 先導もしよう」

歩きながら包帯を巻くツイスト。

「巻きながらですみませんが、 何で他の人達は締め出されたのですか?」
「大使館の安全第一の為だそうだ」
「っ!!」

腹立たしい、 己の安全の為に他者を見殺しにするのかと反吐が出そうになる。

「所で何処に向かう? 怪我している人狼か? それとも大使の方か?」
「雷の所へ」
「分かった」

雷の所に向かったラビー。
ガラス張りになっている医務室にはゼロと円も居た。

「ラ、 ラビー!? 大丈夫なのか!?」
「大丈夫ですお父様、 それで雷は?」
「今背中に刺さった陶器を抜いて縫合している所だ」

円が答える。

「そうか・・・殺しにかかるかと思ったが杞憂だったか・・・」
「殺し、 って?」
「酷いね」

天井にぶつからない様に頭を下げながらやって来るリソレ。

「どうも初めまして、 リソレ・ボウル・ビア(故)です」
「ど、 どうも? (故)?」
「リソレ・ボウル・ビア
元ビア帝国第五皇女、 ヘマをやらかして殺されたけど死に際に固有魔法が覚醒して
死体に憑りついて動かして今も尚働いている」
「因みにファザコンです」
「如何でも良い、 それで殺すとかって言うのは如何言う事?」

ラビーの頭から血が溢れリソレを睨む。

「ツイストクンハキットワタシガアノオオカミノカラダヲ
ホシガッテイルトジャスイシテルンダネ
ワタシハソンアコトシナイヨ」
「何で棒読みになってる」
「まぁ見張りが居るから私は何も出来ないよ」
「・・・・・他の人達を締め出したって言うのは如何言う事ですか?」
「ここのボスの判断ね」
「ボス? 貴女が大使なのですから貴女が指揮官では?」
「いやぁ、 大使館には亜人側の大使も居てね、 彼がここのボスよ
案内しますわ、 どうぞこちらに」
「しかし」
「ラビー嬢、 私はここで見張っているから行って来て下さい」
「円、 でも・・・」

円の手から血が滲む。

「そうよね・・・本当なら貴方が問い詰めたいわよね・・・
分かった、 早急に何とかしましょう」
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