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冥府にGO!!

高みの見物

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魔術の解呪、 と言うのは文字通り魔法を解除する魔術技術である。
魔法や魔道具の破壊等に使われる。
勘違いされやすいのだが戦闘に置いて攻撃魔法を解除して無効化と言う事は出来ない。
幾ら爆弾処理班でも爆弾を投げつけられては解除しようがない。
しかし解除できる時間が有れば問題は無い。
魔法による拘束の無効化等、 様々な事が出来る。
とは言え基本的に魔術の解呪を覚えるよりも通常の魔法を覚える者の方が割合は多い。
解呪を馬鹿にしているのではなく、 通常の魔法を鍛えた方が生存率が上がるからである。

ラビーは公爵令嬢、 サンライズの婚約者として魔術の解呪も当然収めており
魔術の解呪に関しては一家言持っているのだ。

「・・・・・」

柵を見て考え込むラビー。

「お、 おい大丈夫か?」
「お父様、 少し静かに、 今流れを見ています」
「流れ?」
「魔法には魔力の流れが有ります、 解呪の為にはまずはそれを見極めないと」
「・・・・・これは亜人の能力だろう? そんな事分かるのか?」
「まずは観察してみましょう」

ラビーは柵をじっと見ている。
時折触りながら、 確かめる。





「りーりーりりりりーりーりーりりりー」

変な鼻歌を鳴らしながら頭が受話器になっている亜人の青年が大使館を歩いていた。
恰好はラフで大使館の職員とは思えない、 が他の大使館の職員は御辞儀をして道を開ける。

「リソレ、 さんは?」
「あちらに」
 
受話器頭は指差されたドアに入る。

「リソレー、 おっはー」
「おはよう、 ォン」

リソレは窓からラビー達を観察している。

「悪いけど今仕事だから構ってあげられない」
「俺の仕事はアンタの補佐だぜ? 一緒に居なくてどうするよ」

この受話器男はォン、 ビア帝国内で生まれた亜人で
ビア帝国大使首席補佐官の役職も持っている。
父親が麻薬王の配下でその関係上ビア帝国内に潜伏し
潜伏している中で生まれ、 父親の縁故採用でこの大使館にいる。

「アンタの公私ともに側近としてアンタの傍に居てやりたいと思うのは変か?」
「私の仕事は暫くラビー嬢の見張りだから一緒に居てもつまんないと思うよ」
「ん? あの娘何やってるんだ?」
「魔術解呪の要領で亜人大使の柵を壊そうとしている」
「無理だろ、 あの人の柵は破壊は出来ないだろ」
「普通はね」
「あの娘は普通じゃないと?」
「お父様はそう思っている」
「じゃあ見せて貰おうか、 スペシャルな彼女の活躍を」
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