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冥府にGO!!

ショコラ公爵家にて(王国side)

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カラメル王国の王都ブリュレから少し離れた所にあるショコラ公爵の館。
王妃プチシューの実家でもある。
そこにやって来た国王夫妻とベッコ。

「これはこれは陛下、 姉上、 ベッコ殿下、 お久しゅうございます」

臣下の礼を取る現ショコラ公爵家当主のビター・ショコラ。
彼はプチシューの弟である。

「折角いらっしゃったのですからまずはお茶でも淹れましょう」
「いやショコラ公爵、 悪いが今日はやって欲しい事が有る」
「・・・・・」

顔を見上げるビター。
息を深呼吸する、 そしてカスタードを見る。

「我が家の魔法が必要ですか?」
「その通りだ」
「誰に?」
「我が息子ベッコに」
「馬鹿じゃねぇの?」

ビターは怒気を込めながら言った。

「使うにしても、 自分の息子に? 何で?
我が家の魔法の事は重々承知の筈、 子供の未来を潰す気か?」
「分かっている」
「分かっているだと?」

ビターはベッコを見る。

「ベッコ殿下、 貴方は当家の魔法を御理解していますか?」
「はい、 理解しています」
「御両親はお止めにならなかったのですか?」
「止められました」
「ならば何故当家の魔法を求めるのですか?」
「僕には力が必要なんです」

ベッコは言った。

「僕は・・・ずっとラビーさんを想っていました
兄上の婚約者だけども・・・心に秘めようと思いました
でも婚約破棄をされました
彼女が僕を好きになってくれるかは分かりません
でも行かなければならない」
「赤い森に追放ですよね、 もう死んでいるでしょう
あの森はそう言う所です、 諦めなさい」
「諦める事は出来ません!!」
「諦めろっつってんだよ!!」

ベッコに詰め寄り叫ぶビター。

「良いか!! お前が捨て身になって死ぬのはお前の勝手じゃないぞ!!
姉上とカラメル陛下が納得しても叔父の俺が納得しねぇんだよ!!
サンライズみてぇなアホの極みみたいな野郎なら兎も角
何で俺が可愛い甥を地獄の底に叩き落とす様な事をしなきゃならないんだ!!」
「・・・すみません」
「すみませんじゃねぇよ!!
史上最悪と言われた固有魔法【テンパリング】舐めるんじゃねぇ!! 帰れ!!」

ビターは立ち去ろうとする。

「待っ」
「待たない!! 如何してもやって欲しいならば俺が納得する道理を持ってこい!!」

ビターはもう誰にも会いたくないと言わんばかりに飛んで行ってしまった。
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