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冥府にGO!!

茨(スカイside)

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「なっ、 まだ何もしてないわよ!?」

驚愕するスカイ、 そして納得する。
対消滅のエネルギーを叩きつける。
中空で爆発!!

「ナイフ!!」

全力で逃げ出すナイフ頭。
恥も外聞も無い様は無様に見えるがこの時点では正解と言える。
爆発の煙が晴れ切らぬ内に飛び出したのは大量の茨!!
それらが超高速で動き回り周囲の亜人達を襲う。

「舐めんあぁああああアアアアアアアアア!!」

茨を切り刻むのはノコギリ頭の亜人。
左手を身の丈以上に大きいノコギリに出来る能力を持つ。
大したない能力に思えるが質量、 重量、 共に人知を超える代物で
尚且つその重量のノコギリを自在に振り回せる彼の戦闘能力は甚大である。
麻薬王に反旗を翻しスカイとマヤに昔から仕えている古株だが
スカイもマヤも大して自分を重要視していない様に思っている。

「ぶち殺してやらあああああああ!!」

茨の根本に向かう為に茨の上を伝い斬力疾走するノコギリ亜人。
スカイの側近のナイフ頭が逃げたこの時に活躍をすれば自分を見直す筈だ!!
そういう打算込みの突撃。
ノコギリによる攻撃は切れ味はすこぶる悪いが、 こんな物で殴られれば即死間違い無し。
煙の中に続く茨を伝い人影を見つけた彼はノコギリを振り下ろす。

「!?」

左腕が捥げている。
一体何が起きているのか?
超高速で動き回る茨に左腕を捥がれたのだ!!
とノコギリ頭が気が付いたのは自分の首が捥がれた時だった。

「ヴァかめ!! 突っ込むからそうなるんだよ!!」

顔がポリタンクになっている亜人がノコギリ頭の無謀をなじりながら
火炎放射能力で煙の中の存在に対し火炎を吹きかける。

「馬鹿はアンタだ」
「アヒィ!?」

スカイに尻を蹴られ倒れるポリタンク頭。
直後にポリタンクすれすれに茨が飛んで来る。
地面にめり込む勢い、 当たればまず死。

「ひぇぇ・・・」
「逃げろ」
「は、 はひいいいいいいいいいいいいい!!」

ポリタンク頭も逃亡、 最初の攻撃の時に生き残り逃げなかった血気盛んな亜人も
茨一本で体がバラバラにされるとなれば逃げるしかない。

そして煙が晴れて中から人が現れる。

「どうも初めましてアラモード・ボウル・ビア殿下
ビア帝国第十三騎士団【純白の真珠】副団長スカイ・メェーリツァです」

茨で半裸になりかけているアラモードに対してスカイを礼を尽くした。
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