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冥府にGO!!

第一の道理(ベッコside)

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カラメル王国の王都ブリュレから少し離れた所にあるショコラ公爵の館。
ベッコは護衛と共にやって来た。
現在ベッコはビターと二人きりで対面している。

「また来たのですかベッコ殿下、 何度来てもテンパリングは使いませんよ」
「今日は貴方が御所望の物を2つ持って来ました」
「はて、 私が何を欲しがりましたかな?
強いて言うのならば貴方の安楽な将来でしょうか」
「道理ですよ」
「道理?」
「貴方への説得材料です」
「・・・・・」

考えるビター。

「一人出来たと言う事は一人で考えたのですかな?」
「えぇ、 自分の意志で考えて来ました」
「・・・聞きましょう」
「僕はラビーさんを愛しています」
「子供の癖によう言うわ、 初恋は実らないと相場が決まっている」
「僕は僕です、 相場だからとか関係無いでしょう」
「ふん、 言うなぁ、 だがこんな言葉遊びでは絆されんよ、 帰りたまえ」
「テンパリングの事を調べました」
「・・・・・ふーん」

興味無さそうに言うビター。

「ならばこれまでテンパリングを使われた者の末路も御存じだ」
「えぇ・・・肉体の融合を行った者は肉体に宿った魂の喰い合いで発狂する者が居ると」
「私の意見では肉体そのものに意志が有るんだと思う
肉体には発汗とか新陳代謝とか色々な機能が有り
その機能を肉体そのものが思考する人間の意志とは無関係な意志が判断して使う・・・
まぁ仮説だし、 講釈するだけ無駄か
幼い君に想像しろと言うのも酷だが自分が全く別人になる事を想像してみろ
気が狂うなんてレベルじゃないぞ」
「だけども天寿を全うした人も居る・・・」
「平民が騎士になってり貴族になったりする、 と言う話だ
確かに可能性は無いとは言わないが限りなく薄い
君の意志は他者の肉体に宿る意志よりも強固なのか?
君の年齢は?」
「10歳」
「10歳の君が死体とは言え倍以上の年齢の肉体よりも強い意志を宿しているとは思えない」
「ラビーさんへの愛は負けないつもりです
先程、 貴方は『自分が全く別人になる事を想像してみろ』と言いましたね?
僕はラビーさんを諦める自分になりたくありません」
「君の短い人生の間で生まれた愛に人生を賭けるのか?
全くもってあほらしい」
「僕の人生は短いですが、 ラビーさんと出会ったのは5歳
人生の半分に等しいです、 人生の半分を捧げましょう」
「話にならないな、 私を説得するに至らない
愛が全てを解決するなんて小説の見過ぎだ」
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