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冥府にGO!!

712回目(マヤside)

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大帝国コロシアムにて純白の真珠と黒のフライの決闘が始まる、 のだが。

「もういい加減にしろ!!」

白のフライが叫ぶ。

「何が?」

後の皇帝になる黒のフライが問いを返す。
彼は第五憲兵団【不定の怪物】の団長にして唯一の団員"光塵公"シティ・オブとの戦闘で
顔が融解しておりもう見れた物ではない。
にも拘らず平気の平左と言った様子で飄々としている。
普段とあまりにも変わらない。

「時戻しで時間が戻っているのは知っているよなッ!!
僕達ですら気が付いているんだ!! お前が気が付いていない訳が無い!!」
「気が付いているよ」
「もう10回だぞ!? 僕達が認知しているだけで10回だ!!
10回も決闘をしてるんだぞ!?」
「全員で来てるから決闘ですらないけどね
と言うか10回も負けてるのに良く来るよ」
「貴様ッ!!」
「怒るなよ、 と言うか何で怒るんだよ」
「こちらには時戻しが居る!!」
「うん、 まぁお前達の都合が悪くなる度に時間が巻き戻るから
多分そうだろうなとは思っていたよ」
「認識していたと!?」
「うん、 何となく」

さらりと事も無げに言う黒のフライ。

「だ、 だがお前にはどうしようもないだろう!!」
「いやいや、 この決闘を大体711回は繰り返したが
時を戻しても記憶が戻ってきている
お前はたった10回死んだだけでもう錯乱しかけているという事は
後2,300回殺せば発狂するだろ楽勝、 楽勝」

白のフライはぞっとした。
こいつは700回も戦っていて、 それでもまるで消耗していない。

「・・・・・お前は化け物だ」
「安い台詞を吐くなよフライ、 君の事は高く評価しているんだ
お前と同じ世代を生きてこうして戦えるのは奇跡的な事だ
その奇跡を700回近くも経験出来るのは言うほど悪くない状況だ
とても役立つだろう、 事実魔法の扱いも前よりも格段に上達している
これからの人生において役立つだろう
時戻しはうざいと思っていたが実に役立ったよ
今回のが終わったら礼を言っといてくれ」
「・・・・・」
「フライ、 逃げよう、 勝てないよ」

マヤが白のフライに提案する。

「いや・・・まだ希望はある、 お前が戦いの中で成長するのならば
こちらも戦いの中で成長すれば良い!! そしてこちらの人数は多い!!
一人のお前よりも成長のスピードは総合すれば早い筈!!」
「そうか、 ならば来い」
「あぁ!! 第十三騎士団長【純白の真珠】団長!! フライ・ニンフ!! 参る!!」
「第十三憲兵団長【漆黒の尖晶】団長、 フライ・スピット、 受けて立とう」

そして712回目の戦いが始まった。
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