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大波乱!?料理対決!!

フェスティバルWave4

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「よっしゃあ!!!」

【ダイナー・ファニーズ】料理人は歓声を上げた。
今度の連中は中年の男女、 これならば問題無い、 自分の独壇場だ。
と思ったのだが、 自分の所に並ぶ者が一人も居ない。

「・・・・・は?」

流石にこれには困惑を隠せない。
ラビーと【博物館付属食堂】シェフに並ぶのは良い。
しかし圧倒的に行列が出来ているじゃないか
普通ならば少しは自分の所にも来て良い筈だ・・・何故?

考えても答えは出ないが喚く訳にもいかない。
食べたく無ければ食べなければ良いのだ
無理矢理客に料理を喰わせる料理人は唯の狂人であるし
客が来ないのを客のせいにする料理人は唯の現実の見えていないアホである。

「・・・・・」

【ダイナー・ファニーズ】料理人は深呼吸をして次の200人に備えたのだった。



ラビーはこの現象に面食らっていた。
不思議に思ったが今は目の前の客を捌かなければならない・・・
早急に用意していた全てを捌いた。

「ふぅ・・・!?」

ラビーは驚愕した、 隣の【博物館付属食堂】シェフの行列が未だに途切れない事に。

「え、 これって・・・」

最初200人は綺麗に割れた、 その後に凄まじい勢いで【博物館付属食堂】シェフは捌いて来た
にも拘らずまだ行列が終わっていないという事は・・・

「まさか200人用意したという事?」

ありえない、 残った分は原点になるのに200人分用意?
明らかに過剰である、 過剰では有るが事実としてこの目の前の出来事として
起こって居るのである。

「どういう戦略・・・あ」

ここで納得したラビー。

「なるほど、 そう言う事か」

【博物館付属食堂】シェフは最初から人を思った構想で料理をしていた。
ベビーカステラと高温殺菌牛乳、 誰でも食べられる代物だ。
それを200人分を用意する、 食べられない者がいないように。
最初から減点の事は度外視して自分の料理を食べて貰おうと思っているのだろう。
ラビーは勝敗だのなんだのを考えていた自分を恥じた。

料理対決と言えど料理人が料理をないがしろにして如何する。
いや、 客をないがしろにして如何する。

ラビーは自分の顔をはたき気合いを入れ直した。
そうこうしている内に最後の200人が入って来るのだった。

泣いても笑ってもこれが最後、 最後の200人が入って来た。
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