海上都市の機甲女 ~a point of change~

ケニーさん

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第六機

失われた夢

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 考え事をしている間に篤は眠りについていた。
 海上都市は落ち着きを取り戻し、電車の駆ける音がよく響く。
 季節のせいもあって室内は暑く。篤によくない夢を見せる。
 大切なものを失う夢。夢の中の篤は何もできない。何かしたくとも、金縛りにでもあったように指ですら動かすことが叶わない。
 止まってくれと、やめてくれと願っても目の前で無残に――――

「起きてください……」

 夢の中で場違いな優しく包み込むようなモーニングコールに夢から解放される。

「篤さん?」

 ソファーで寝ていた篤の顔を前かがみで覗き込むツバキ。篤の顔色の悪さと普通とは思えない程の汗の量にツバキは慌てる。

「どうしたんですか!? こういった場合はどうすれば」

 篤は眠るには少々小さかったソファーから体を起こして、ツバキに言う。

「少しいやな夢を見ただけだ。できれば水をもらえるか?」

「わかりました。ちょっと待っていてください。今持っていきますから」

 冷蔵庫からミネラルウォータのペットボトルを取り出して、蓋を緩めてから篤に渡す。

「ありがとう」

 そんな心遣いに感謝をして、体内の不足した水分を飲んで補給する。ペットボトルの三分の二を飲み干して、下がっていた体温が平常に戻っていく。

「顔色、よくなってきましたね。安心しました。でも、どんな夢を見たんですか?」

「どんな夢って……どんな夢だったんだ? 全く覚えていない……」

「よくないことだけは覚えているみたいですし、内容を覚えていないほういいと思いますよ」

「いや、覚えていないといけない気が……」

 篤は頭を抱えて必死に思い出そうと試みる。

「ハァ――ダメだ……」

「一旦シャワーを浴びて、スッキリしたら思い出すかもしれませんよ」

「そうだな。汗もかいたし……そうするよ」

 篤は勤務ようの服を手にシャワー室に入った。
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