学年のマドンナの彼氏になったら大学生活も共に過ごすことになった

136君

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海を浴びて①

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「おはよー。」

土曜日の朝の大学前。いつもなら人でごった返しているこの時間も、休みの日だからか、がらんとしている。いるのは、うちの学科の30人ほどだけ。

 今日からはフィールド演習として、1泊2日で三方のほうに行く。そこでさまざまな体験をする予定だ。ただ唯一、天気がイマイチなことだけが不安なところだが。

「おはよう。これで俺の班は班長以外ぜんいん揃ったかな?」

班のメンバーが集まっているところに歩いていくと、よっさんが声をかけてくる。バスの運転手さんに荷物を渡して手持ちを全部なくした。

 すると向こうからキャリーケースをコロコロと転がしてくる鳥羽ニキの姿が。

「旅行やんけ!」
「誰や旅行気分で来てんの。」
「入らなかったんだもん。」

笑いながらそう答えて運転手さんに荷物を預けている。しかも、持ってきた長靴は裸で手持ちだ。そんな姿に笑いながら時間を過ごし、班長の点呼が済んだらバスに乗っていく。

「あ、イヤホン下置いたまんまや。」

ポケットの中に手を突っ込むけど、いつもの丸い感覚がない。完全にやらかした。

「あーあ、残念。」
「バスん中でアニメ見ようと思ってたのに。」

三方までの約1時間がほぼ手持ち無沙汰になってしまった。無音でゲームに潜るか。喋るか。どっちかだな。

 そう考えて、反対側のポケットに手を突っ込む。すると、少し分厚い革のケースの感触がない。

「財布も忘れた。」
「何も買えへんやん。」

南条のPAに止まる予定なのに、そこで何も買えない。いざとなったらカードだな。

 バスの席に座り、自分の空間を作る。

「おはようございます。」

運転手さんからそんな声が。全員で『おはようございます』と返事をして、話を聞く。

「それじゃあ出発しまーす。」

そんな気の抜けた声とともにバスは南へ向かって走り始めた。
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