18 / 82
第18話:アデリーナが殴られる
しおりを挟む
そろそろ寒くなってきたなあという日、巡回中のアデリーナさんがなかなか帰って来ない。
市民から通報があった。
警備隊員の女性が倒れてるとのこと。
あたしらの部隊の管轄区域だ。
デルフィーノさん以下、全員で現場に駆けつける。
情報省の建物近くで、アデリーナさんが倒れてた。
「アデリーナ! 大丈夫か!」
リーダーが焦って、アデリーナさんを起こす。
幸い、意識はあるみたい。
情報省付近の小道で不審な人物を見たので、職務質問をしたら、いきなり頭を殴られたそうだ。
お前が殴ったんだろって? そんなことするわけないでしょ!
「攻撃魔法を使えばいいのに」
あたしがアデリーナさんに聞く。
「警備隊員は魔法が禁止されてるから使えなかった……」
真面目だなあ、アデリーナさん。
あたしなんか巡回してても、職務質問なんかしないけどね。
面倒だし、そもそも、あたしが泥棒なんだから、まっ先に自分で自分を職務質問しなきゃいけないことになるんよ。
おい! お前は何のために巡回してるんだって? 散歩よ、散歩。働いたら負け!
え? この税金泥棒って? もともと泥棒ですので。
けど、すんまへん。
リーダーがアデリーナさんを抱き上げて、病院に連れて行った。
あっ、お姫様だっこだ。
いーなあ、いーなあ、アデリーナ。
今度、あたしもケガしたふりでもしようかな。
とりあえず、残ったメンバーで付近の周辺への聞き込み。
あたしとデルフィーノさん、バルドとサビーナちゃんとで二組に分かれる。
デルフィーノさんと一緒で、あたしは、ウキウキ! おっと、ダメダメ。
アデリーナさんをぶん殴った奴を逮捕しなきゃ。
目撃者を探し出して話を聞くと、黒装束の人物が走って逃げていくのを見たそうだ。
黒装束! まさか、ドラゴン秘儀団か。
シアエガ湖で全滅したんじゃないのか。
それとも、ドラゴン秘儀団のコスプレをした奴か、ってドラゴン秘儀団のことは秘密にしてるんだから、それは無いだろうね。
あたしは目撃者に質問した。
「その不審者、ドラゴンがデザインされているペンダントをしてませんでしたか」
「さあ、気づきませんでしたねえ」
うーむ、今回もドラゴンペンダントを落としてくれれば、分かりやすかったんだけど、そういつも落としたりはしないか。しかし、情報省付近というのがひっかかるんよね。
結局、黒装束以外には収獲無しで、警備隊庁舎に戻る。
リーダーが先に帰っていた。
サビーナちゃんが心配そうにリーダーに聞いている。
「アデリーナさんの具合はどうなんですか」
「大丈夫だけど、しばらく休んだほうがいいと医者には言われたんだ。だけど、本人はすぐ復帰したいと言うんだよ」
それを聞いたデルフィーノさんがリーダーにアドバイスしてる。
「いや、休んだほうがいいよ。こういう時はゆっくり休んだほうがいい」
優しいなあ、デルフィーノさん。
ますます、好感度アップかける三乗。
「ところで、プルムさん」
デルフィーノさんから声をかけられた
「はい、何でしょうか! 分隊長殿」
デルフィーノさんに声をかけられるだけで嬉しくなる。
「さっき、目撃者の方にペンダントの事を聞いてたけど、何か思い当たる事があるんですか」
やばい! ドラゴン秘儀団の件は情報省以外は極秘だったんだ。
どうしよう。
「えーと、単純にペンダントが好きなんで聞いただけです」
メチャクチャな答え方をしてしまった。
「そうですか」
デルフィーノさんあんまり気にしてない、と思ったら、セルジョ小隊長ところへ行く。
まずいなあ、ペンダントの事、報告すんのかな。
「セルジョ小隊長殿、提案があるのですが」
「何だね、デルフィーノ君」
「巡回は、現在一人で行っていますが、今回のアデリーナ隊員の件を鑑みると、当分の間、二人体制の方がよろしいのでは」
「なるほど、そう言えば、その方がいいかもしれん。ちょっと、大隊長に言ってくる」
セルジョ小隊長が大隊長室に向かった。
え? 二人体制?
じゃあ! デルフィーノさんと一緒に巡回することもあるんだ。
やったあ! 巡回デート! 巡回デート!
お前、ふざけてんのか! いい加減にしろ! 仕事しろって? いいじゃん、それぐらい許してよ!
あたしは、翌日、サビーナちゃんとアデリーナさんのお見舞いに行った。
官庁街の近くにあるラブクラフト病院。
頭に包帯巻いてるアデリーナさんにリーダーが付き添ってる。
いーなあ、いーなあ、アデリーナ。
サビーナちゃんがアデリーナさんに聞いている。
「おケガの方は大丈夫ですか、アデリーナさん」
「全然、大丈夫、早く仕事に復帰したい」
えらいなあ、あたしなら出来る限り引き延ばして、ずうっと休んでるぞ。
あたしもアデリーナさんに聞いた。
「犯人、どんな奴だったんですか」
「うーん、黒装束ぐらいしか分からない。情報省の建物を見ながら行ったり来たりしてたんで、変だなと思って……」
そう言いながら、アデリーナさんが急に口をおさえる。
気分が悪そう。
「どうした」
リーダーが心配そう。
アデリーナさん、頭殴られてるし。やばくないか。心配になる。
「大丈夫……」
でも、リーダーの胸にもたれかかるアデリーナさん。
びっくりして、オタオタするあたし。
アデリーナさん、失神してる。
全然、大丈夫じゃないぞ!
「おい、アデリーナ、しっかりしろ」
リーダーがアデリーナさんに呼びかける。
「お医者さん、呼んできます」
サビーナちゃんが慌てて病室を飛び出した。
あたしらは、医者が診察している間、廊下で待つ。
「大丈夫かなあ」
廊下をウロウロしているリーダー。
医者が出てきた。
「おめでとうございます」
は?
「おめでたです」
リーダーが病室に飛び込んだ。
……………………………………………………
あたしはリーダーに「おめでとうございます」と言った。
けど、ショック!
何でショックなんだよって? うーん、とにかく、つらいんよ。うまく説明できん。
結婚して、一緒に住んで、一年間。妊娠しても、全然おかしくないだろって? そうなんよ、そうなんよ。だけど、何かモヤモヤすんのよ。
そのまま、今日はうちらの部隊は夜勤。
アデリーナさんはお休み。
夜勤と言っても、警備隊の部隊室で座ってるだけ。
夜の巡回は自警団がやっている。
交替で休憩時間があるけど、あたしの場合は常に休憩しているようなもんね。
通報があったら駆けつけることになっているけど、ほとんど通報はない。
本当は、昼間に眠ってなきゃいけないんだけど、アデリーナさんの件で、起きたまんまで出勤。普段なら爆睡しちゃうけど、眠れん。
リーダー嬉しそうにしてた。
ああ、ショック。
何で、ショックを受けるんだって? うーん、自分でも分からない。
お前が一方的に片思いしてただけだろって? 片思いでも切ない気分になるんよ。現実を突きつけられたんよ。
いーなあ、いーなあ、アデリーナ。
あたしがつわりで苦しむことは、果たしてこれからあるのだろうか。
やれやれ。
まあ、ともかくアデリーナさん、本当におめでとう。
あたしは前向きになるぞ。
よし、今度は、恋文作戦だ!
デルフィーノ分隊長にラブレターを書こっと。
けど、ラブレターってどう書くの?
だいたい、手紙って書いたことない。
どう書きだすの?
分からん。
ちょっと、警備隊の書類を見てみる。
『拝啓時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます』
違う。
『お世話になっております』
違うって。
『事務連絡』
違うだろー!
いいや。
もう、いきなり、
『分隊長、好きです! プルム』でいいか。
だめ、短すぎ! おまけに鉛筆書きだと、まるで幼稚園児みたい。
やっぱり、『はじめまして』かな。
違うー! 毎日会ってるじゃん。
『お仕事、お疲れ様です』
うーん、何だか疲れてきた。
最初の書きだしから悩むあたしは、やはり頭が悪い。
鉛筆じゃあ、かっこ悪いな。
そうそう下賜品の万年筆とやらを思い出す。
さすが高級品。きれいだ。鉛筆書きよりマシかな。
ん、このペン本体にちょっとキズがついてるな。
まあ、いっか!
って、内容考えなきゃ。
デルフィーノさんに勤務中、ラブレターを渡したら、怒られるかな。
優しいから怒らないだろう、と思う。
朝になって、夜勤が終わって、サビーナちゃんと一緒に寮に帰る。
パジャマに着替えて、ベッドヘタイブ! 妄想デート! 相手はもちろんデルフィーノさん。
そうやって、寝るときはいつも妄想してんのかって? そうよ、何が悪い!
え? キモイ? うるさいわい!
市民から通報があった。
警備隊員の女性が倒れてるとのこと。
あたしらの部隊の管轄区域だ。
デルフィーノさん以下、全員で現場に駆けつける。
情報省の建物近くで、アデリーナさんが倒れてた。
「アデリーナ! 大丈夫か!」
リーダーが焦って、アデリーナさんを起こす。
幸い、意識はあるみたい。
情報省付近の小道で不審な人物を見たので、職務質問をしたら、いきなり頭を殴られたそうだ。
お前が殴ったんだろって? そんなことするわけないでしょ!
「攻撃魔法を使えばいいのに」
あたしがアデリーナさんに聞く。
「警備隊員は魔法が禁止されてるから使えなかった……」
真面目だなあ、アデリーナさん。
あたしなんか巡回してても、職務質問なんかしないけどね。
面倒だし、そもそも、あたしが泥棒なんだから、まっ先に自分で自分を職務質問しなきゃいけないことになるんよ。
おい! お前は何のために巡回してるんだって? 散歩よ、散歩。働いたら負け!
え? この税金泥棒って? もともと泥棒ですので。
けど、すんまへん。
リーダーがアデリーナさんを抱き上げて、病院に連れて行った。
あっ、お姫様だっこだ。
いーなあ、いーなあ、アデリーナ。
今度、あたしもケガしたふりでもしようかな。
とりあえず、残ったメンバーで付近の周辺への聞き込み。
あたしとデルフィーノさん、バルドとサビーナちゃんとで二組に分かれる。
デルフィーノさんと一緒で、あたしは、ウキウキ! おっと、ダメダメ。
アデリーナさんをぶん殴った奴を逮捕しなきゃ。
目撃者を探し出して話を聞くと、黒装束の人物が走って逃げていくのを見たそうだ。
黒装束! まさか、ドラゴン秘儀団か。
シアエガ湖で全滅したんじゃないのか。
それとも、ドラゴン秘儀団のコスプレをした奴か、ってドラゴン秘儀団のことは秘密にしてるんだから、それは無いだろうね。
あたしは目撃者に質問した。
「その不審者、ドラゴンがデザインされているペンダントをしてませんでしたか」
「さあ、気づきませんでしたねえ」
うーむ、今回もドラゴンペンダントを落としてくれれば、分かりやすかったんだけど、そういつも落としたりはしないか。しかし、情報省付近というのがひっかかるんよね。
結局、黒装束以外には収獲無しで、警備隊庁舎に戻る。
リーダーが先に帰っていた。
サビーナちゃんが心配そうにリーダーに聞いている。
「アデリーナさんの具合はどうなんですか」
「大丈夫だけど、しばらく休んだほうがいいと医者には言われたんだ。だけど、本人はすぐ復帰したいと言うんだよ」
それを聞いたデルフィーノさんがリーダーにアドバイスしてる。
「いや、休んだほうがいいよ。こういう時はゆっくり休んだほうがいい」
優しいなあ、デルフィーノさん。
ますます、好感度アップかける三乗。
「ところで、プルムさん」
デルフィーノさんから声をかけられた
「はい、何でしょうか! 分隊長殿」
デルフィーノさんに声をかけられるだけで嬉しくなる。
「さっき、目撃者の方にペンダントの事を聞いてたけど、何か思い当たる事があるんですか」
やばい! ドラゴン秘儀団の件は情報省以外は極秘だったんだ。
どうしよう。
「えーと、単純にペンダントが好きなんで聞いただけです」
メチャクチャな答え方をしてしまった。
「そうですか」
デルフィーノさんあんまり気にしてない、と思ったら、セルジョ小隊長ところへ行く。
まずいなあ、ペンダントの事、報告すんのかな。
「セルジョ小隊長殿、提案があるのですが」
「何だね、デルフィーノ君」
「巡回は、現在一人で行っていますが、今回のアデリーナ隊員の件を鑑みると、当分の間、二人体制の方がよろしいのでは」
「なるほど、そう言えば、その方がいいかもしれん。ちょっと、大隊長に言ってくる」
セルジョ小隊長が大隊長室に向かった。
え? 二人体制?
じゃあ! デルフィーノさんと一緒に巡回することもあるんだ。
やったあ! 巡回デート! 巡回デート!
お前、ふざけてんのか! いい加減にしろ! 仕事しろって? いいじゃん、それぐらい許してよ!
あたしは、翌日、サビーナちゃんとアデリーナさんのお見舞いに行った。
官庁街の近くにあるラブクラフト病院。
頭に包帯巻いてるアデリーナさんにリーダーが付き添ってる。
いーなあ、いーなあ、アデリーナ。
サビーナちゃんがアデリーナさんに聞いている。
「おケガの方は大丈夫ですか、アデリーナさん」
「全然、大丈夫、早く仕事に復帰したい」
えらいなあ、あたしなら出来る限り引き延ばして、ずうっと休んでるぞ。
あたしもアデリーナさんに聞いた。
「犯人、どんな奴だったんですか」
「うーん、黒装束ぐらいしか分からない。情報省の建物を見ながら行ったり来たりしてたんで、変だなと思って……」
そう言いながら、アデリーナさんが急に口をおさえる。
気分が悪そう。
「どうした」
リーダーが心配そう。
アデリーナさん、頭殴られてるし。やばくないか。心配になる。
「大丈夫……」
でも、リーダーの胸にもたれかかるアデリーナさん。
びっくりして、オタオタするあたし。
アデリーナさん、失神してる。
全然、大丈夫じゃないぞ!
「おい、アデリーナ、しっかりしろ」
リーダーがアデリーナさんに呼びかける。
「お医者さん、呼んできます」
サビーナちゃんが慌てて病室を飛び出した。
あたしらは、医者が診察している間、廊下で待つ。
「大丈夫かなあ」
廊下をウロウロしているリーダー。
医者が出てきた。
「おめでとうございます」
は?
「おめでたです」
リーダーが病室に飛び込んだ。
……………………………………………………
あたしはリーダーに「おめでとうございます」と言った。
けど、ショック!
何でショックなんだよって? うーん、とにかく、つらいんよ。うまく説明できん。
結婚して、一緒に住んで、一年間。妊娠しても、全然おかしくないだろって? そうなんよ、そうなんよ。だけど、何かモヤモヤすんのよ。
そのまま、今日はうちらの部隊は夜勤。
アデリーナさんはお休み。
夜勤と言っても、警備隊の部隊室で座ってるだけ。
夜の巡回は自警団がやっている。
交替で休憩時間があるけど、あたしの場合は常に休憩しているようなもんね。
通報があったら駆けつけることになっているけど、ほとんど通報はない。
本当は、昼間に眠ってなきゃいけないんだけど、アデリーナさんの件で、起きたまんまで出勤。普段なら爆睡しちゃうけど、眠れん。
リーダー嬉しそうにしてた。
ああ、ショック。
何で、ショックを受けるんだって? うーん、自分でも分からない。
お前が一方的に片思いしてただけだろって? 片思いでも切ない気分になるんよ。現実を突きつけられたんよ。
いーなあ、いーなあ、アデリーナ。
あたしがつわりで苦しむことは、果たしてこれからあるのだろうか。
やれやれ。
まあ、ともかくアデリーナさん、本当におめでとう。
あたしは前向きになるぞ。
よし、今度は、恋文作戦だ!
デルフィーノ分隊長にラブレターを書こっと。
けど、ラブレターってどう書くの?
だいたい、手紙って書いたことない。
どう書きだすの?
分からん。
ちょっと、警備隊の書類を見てみる。
『拝啓時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます』
違う。
『お世話になっております』
違うって。
『事務連絡』
違うだろー!
いいや。
もう、いきなり、
『分隊長、好きです! プルム』でいいか。
だめ、短すぎ! おまけに鉛筆書きだと、まるで幼稚園児みたい。
やっぱり、『はじめまして』かな。
違うー! 毎日会ってるじゃん。
『お仕事、お疲れ様です』
うーん、何だか疲れてきた。
最初の書きだしから悩むあたしは、やはり頭が悪い。
鉛筆じゃあ、かっこ悪いな。
そうそう下賜品の万年筆とやらを思い出す。
さすが高級品。きれいだ。鉛筆書きよりマシかな。
ん、このペン本体にちょっとキズがついてるな。
まあ、いっか!
って、内容考えなきゃ。
デルフィーノさんに勤務中、ラブレターを渡したら、怒られるかな。
優しいから怒らないだろう、と思う。
朝になって、夜勤が終わって、サビーナちゃんと一緒に寮に帰る。
パジャマに着替えて、ベッドヘタイブ! 妄想デート! 相手はもちろんデルフィーノさん。
そうやって、寝るときはいつも妄想してんのかって? そうよ、何が悪い!
え? キモイ? うるさいわい!
0
あなたにおすすめの小説
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
下宿屋 東風荘 7
浅井 ことは
キャラ文芸
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..☆
四つの巻物と本の解読で段々と力を身につけだした雪翔。
狐の国で保護されながら、五つ目の巻物を持つ九堂の居所をつかみ、自身を鍵とする場所に辿り着けるのか!
四社の狐に天狐が大集結。
第七弾始動!
☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆.。.:*・°☆*:..☆
表紙の無断使用は固くお断りさせて頂いております。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる