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第48話:フランチェスコさんに告白する
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前教皇様の殺人容疑で教皇庁の某評議員と南地区の大隊長とその一味は逮捕。
事件解決と。
そして、なんだか、あたしはまた表彰されることになった。
何故だろう。
レッドドラゴンの時は、あたしが退治したことになっているし、クーデターが発生したときはあたしが主導して鎮圧したことになっている。
実際は、ドラゴンなんて倒してないし、クーデターの時もラーメン屋の二階でちょっと銃撃戦やっただけ。
どういう基準で表彰されるのかよく分からん。
バルドも一緒に表彰。
バルド活躍したっけ?
あの偽物古書をゴミ箱から拾ったのと、クラウディアさんを見つけたくらいだけど。
「あーキミ、キミ、今回の働き、褒めてつかわす」
「ありがたきお言葉、光栄の至りでございます」
いつも通り頭を下げつつ、型どおりに答える。
「あーそれから、キミ、来年度から安全企画室長ね、ヨロシクー!」
王様があたしに言って、さっさと会場から去っていく。
何じゃ、安全企画室って。
ああ、前にクラウディアさんが言ってた、情報省の楽な部署の事か。
とりあえず、どうでもいいや、来年度の話なんて。
そして、フランチェスコさんも表彰のはずなんだけど、居ないなあ。
遅刻でもしたのか。
あたしが、周りをキョロキョロしていると、バルドが教えてくれた。
「フランチェスコさんは、表彰を辞退したそうだよ。そういう立場ではありませんって」
なに、じゃあ、もう帰っちゃうのか。
ええ、教皇庁に戻ってしまうんだ。
部屋を飛び出すあたしにバルドが声をかける。
「おい、プルム、下賜品は」
「寮に届けておいて、あたしは急ぎの用があるんよ!」
足首が痛いけど、そんな事どうでもいい。
言ってなかったけど、実は、今回は入念に情報収集したからね。
クラウディアさんのコネを使って、会った次の日から情報省に身辺調査させたから。
もちろん、恋愛目的なんて言ってない。
バレたらクラウディアさんに怒られちゃう。
フランチェスコさん、恋人無し、婚約者も無し、片思いしてる人も無し、男が好きなわけでもないし、実は女ってわけでもない。
わからないのはどんな女性がタイプかってこと。
けど、脈はあると思うんよ。
自分の恋愛の件について、情報省を使うなって?
いーの、あたしは大隊長だからって、そんなことはないわね。
許してよー、勝負どころって感じがするんよ、ホントに。
ああ、けど、もしかしたら、いわゆる勘違いの吊り橋効果かもしれん。
二人で一緒に怖い思いをしたからね。
いや吊り橋も補強して、鉄鋼製とかコンクリート製の橋にすればいいんよ! びくともしない強固な橋にすればいいんだわってわけのわからないことを考えるあたし。
え? 情報省に身辺調査させるなんて、そもそも純愛っぽくないって? うるさい! あたしが純愛と言えば純愛になるの!
出会ってから、一週間も経ってないだろって? いいの、恋愛に時間は関係ないの! 一秒だろうが、一分だろうが、一時間だろうが、一か月だろうが、一年だろうが、百年だろうが、千年だろうが関係ないんよ!
警備隊庁舎に戻ったら、もう、置いてあった資料を持って、すでに帰ってしまったとサビーナちゃんから聞いた。
何も言わないで帰ってしまうなんて、やっぱり、あたしの事なんてどうでもいいと思っていたのだろうか?
うーん、悩んでしまう、あたし。
勘違い?
ちょっと、考え込んでしまう。
やっぱり、告白すんのやめようかなあ……。
「あなたの事なんて、どうとも思ってませんよ」
嫌な顔をするフランチェスコさんが浮かんでしまった。
いや、とにかく、あたしの事をどう思っていただけでも聞きたい。
何とも思ってなかったらあきらめるけどさ。
よし、こうなったら、教皇庁まで追いかけるぞ! と庁舎を飛び出す。
そしたら、すぐに路上で偶然、フランチェスコさんを見つけた。
これは恋の女神の仕業だぞ!
「フランチェスコさん!」
あたしが呼ぶと、荷物を持ったフランチェスコさんが振り返る。
スポルガ川の近くの桜並木。
桜の木の下。
桜の花が舞う中、絶好のロケーション!
えい! こうなったら、突撃だ!
って、何て言おうか!
もう、単純でいいや!
「好きです!」
胸に飛び込む。
フランチェスコさんに抱きしめられる。
やったあ! 相思相愛よ! 純愛成就よ!
フワ~っと頭が真っ白。
告白した男の人にしっかりと抱きしめられるのなんて初めて。
何秒経ったのか、何時間経ったのか、何日経ったのか、わからない。
しばらくして、離れる。
キャッホー!
あたしの恋愛物語もハッピーエンド!
この物語もこれで終わりね。
ご愛読ありがとうございま~す。
って読んでる人いたのかな?
「プルムさん」
「は、はい」
「すみません、抱きしめてしまって」
「へ?」
「僕には資格がありません」
えー! 資格って、いつから恋愛に資格が必要になったの?
もしかしたら恋愛免許証ってのが必要になったの?
教習所には意地の悪い教官から、イヤミとか言われながらみんな取得してんの?
「あの、私じゃ、ダメなんですか、私のことが嫌いとか……」
「……いえ、僕もプルムさんとお話するのが、とても楽しかったのですが。本当は一緒に……いや、でも、だめなんです」
「じゃあ、私のどこか悪いところとか……なんでも言ってください、直しますので」
「あの、プルムさんが悪いとか、そうじゃなくて」
「では、どうしてですか……」
「僕は出家するんです」
「は? 出家?」
「神に使い、妻をめとることは一生できません」
桜散る。
フランチェスコさんが見えなくなるまで、ずうっと見送るあたし。
見えなくなった。
あたしはがっくりと膝を落とす。
「働いたら負け!」
これがモットーのあたしだけどさあ。
「恋愛したら負け!」
そんなのやだよー!
号泣するあたし。
しょんぼりとして寮に帰る。
ん、部屋の前に荷物があるぞ。
御下賜品と書いてある。
ああ、例の王様がくれる褒賞品か。
椅子に座って、中を開けるとオルゴールが入っていた。
ゼンマイを回すと、あら、台の上のかわいい男の子と女の子の小さい人形がくるくると回って、踊り始めた。
かわいい。
失恋のショックがほんの少し癒される。
あれ、よく見ると、このオルゴールに少し汚れがある。
この国の王室は貧乏なのか。
だいたい、どうもこの下賜品とやらに統一感がないなあ。
万年筆とか双眼鏡にオルゴール。
まあ、かわいいからいいか。
眺めてなごんでいたら、最後に人形同士がキスして、ゼンマイが切れた。
ガクッときて、椅子からずり落ちて床に寝そべる。
人形に先を越されてしまった。
今のあたしには嫌がらせにしか感じないぞ。
もう疲れた。
何もする気が無いぞー!
床の上で、そのまま寝る。
次の日、風邪ひいた。
足首も痛い。
今日は休むぞ!
ヨガでもするか。
やれやれ。
事件解決と。
そして、なんだか、あたしはまた表彰されることになった。
何故だろう。
レッドドラゴンの時は、あたしが退治したことになっているし、クーデターが発生したときはあたしが主導して鎮圧したことになっている。
実際は、ドラゴンなんて倒してないし、クーデターの時もラーメン屋の二階でちょっと銃撃戦やっただけ。
どういう基準で表彰されるのかよく分からん。
バルドも一緒に表彰。
バルド活躍したっけ?
あの偽物古書をゴミ箱から拾ったのと、クラウディアさんを見つけたくらいだけど。
「あーキミ、キミ、今回の働き、褒めてつかわす」
「ありがたきお言葉、光栄の至りでございます」
いつも通り頭を下げつつ、型どおりに答える。
「あーそれから、キミ、来年度から安全企画室長ね、ヨロシクー!」
王様があたしに言って、さっさと会場から去っていく。
何じゃ、安全企画室って。
ああ、前にクラウディアさんが言ってた、情報省の楽な部署の事か。
とりあえず、どうでもいいや、来年度の話なんて。
そして、フランチェスコさんも表彰のはずなんだけど、居ないなあ。
遅刻でもしたのか。
あたしが、周りをキョロキョロしていると、バルドが教えてくれた。
「フランチェスコさんは、表彰を辞退したそうだよ。そういう立場ではありませんって」
なに、じゃあ、もう帰っちゃうのか。
ええ、教皇庁に戻ってしまうんだ。
部屋を飛び出すあたしにバルドが声をかける。
「おい、プルム、下賜品は」
「寮に届けておいて、あたしは急ぎの用があるんよ!」
足首が痛いけど、そんな事どうでもいい。
言ってなかったけど、実は、今回は入念に情報収集したからね。
クラウディアさんのコネを使って、会った次の日から情報省に身辺調査させたから。
もちろん、恋愛目的なんて言ってない。
バレたらクラウディアさんに怒られちゃう。
フランチェスコさん、恋人無し、婚約者も無し、片思いしてる人も無し、男が好きなわけでもないし、実は女ってわけでもない。
わからないのはどんな女性がタイプかってこと。
けど、脈はあると思うんよ。
自分の恋愛の件について、情報省を使うなって?
いーの、あたしは大隊長だからって、そんなことはないわね。
許してよー、勝負どころって感じがするんよ、ホントに。
ああ、けど、もしかしたら、いわゆる勘違いの吊り橋効果かもしれん。
二人で一緒に怖い思いをしたからね。
いや吊り橋も補強して、鉄鋼製とかコンクリート製の橋にすればいいんよ! びくともしない強固な橋にすればいいんだわってわけのわからないことを考えるあたし。
え? 情報省に身辺調査させるなんて、そもそも純愛っぽくないって? うるさい! あたしが純愛と言えば純愛になるの!
出会ってから、一週間も経ってないだろって? いいの、恋愛に時間は関係ないの! 一秒だろうが、一分だろうが、一時間だろうが、一か月だろうが、一年だろうが、百年だろうが、千年だろうが関係ないんよ!
警備隊庁舎に戻ったら、もう、置いてあった資料を持って、すでに帰ってしまったとサビーナちゃんから聞いた。
何も言わないで帰ってしまうなんて、やっぱり、あたしの事なんてどうでもいいと思っていたのだろうか?
うーん、悩んでしまう、あたし。
勘違い?
ちょっと、考え込んでしまう。
やっぱり、告白すんのやめようかなあ……。
「あなたの事なんて、どうとも思ってませんよ」
嫌な顔をするフランチェスコさんが浮かんでしまった。
いや、とにかく、あたしの事をどう思っていただけでも聞きたい。
何とも思ってなかったらあきらめるけどさ。
よし、こうなったら、教皇庁まで追いかけるぞ! と庁舎を飛び出す。
そしたら、すぐに路上で偶然、フランチェスコさんを見つけた。
これは恋の女神の仕業だぞ!
「フランチェスコさん!」
あたしが呼ぶと、荷物を持ったフランチェスコさんが振り返る。
スポルガ川の近くの桜並木。
桜の木の下。
桜の花が舞う中、絶好のロケーション!
えい! こうなったら、突撃だ!
って、何て言おうか!
もう、単純でいいや!
「好きです!」
胸に飛び込む。
フランチェスコさんに抱きしめられる。
やったあ! 相思相愛よ! 純愛成就よ!
フワ~っと頭が真っ白。
告白した男の人にしっかりと抱きしめられるのなんて初めて。
何秒経ったのか、何時間経ったのか、何日経ったのか、わからない。
しばらくして、離れる。
キャッホー!
あたしの恋愛物語もハッピーエンド!
この物語もこれで終わりね。
ご愛読ありがとうございま~す。
って読んでる人いたのかな?
「プルムさん」
「は、はい」
「すみません、抱きしめてしまって」
「へ?」
「僕には資格がありません」
えー! 資格って、いつから恋愛に資格が必要になったの?
もしかしたら恋愛免許証ってのが必要になったの?
教習所には意地の悪い教官から、イヤミとか言われながらみんな取得してんの?
「あの、私じゃ、ダメなんですか、私のことが嫌いとか……」
「……いえ、僕もプルムさんとお話するのが、とても楽しかったのですが。本当は一緒に……いや、でも、だめなんです」
「じゃあ、私のどこか悪いところとか……なんでも言ってください、直しますので」
「あの、プルムさんが悪いとか、そうじゃなくて」
「では、どうしてですか……」
「僕は出家するんです」
「は? 出家?」
「神に使い、妻をめとることは一生できません」
桜散る。
フランチェスコさんが見えなくなるまで、ずうっと見送るあたし。
見えなくなった。
あたしはがっくりと膝を落とす。
「働いたら負け!」
これがモットーのあたしだけどさあ。
「恋愛したら負け!」
そんなのやだよー!
号泣するあたし。
しょんぼりとして寮に帰る。
ん、部屋の前に荷物があるぞ。
御下賜品と書いてある。
ああ、例の王様がくれる褒賞品か。
椅子に座って、中を開けるとオルゴールが入っていた。
ゼンマイを回すと、あら、台の上のかわいい男の子と女の子の小さい人形がくるくると回って、踊り始めた。
かわいい。
失恋のショックがほんの少し癒される。
あれ、よく見ると、このオルゴールに少し汚れがある。
この国の王室は貧乏なのか。
だいたい、どうもこの下賜品とやらに統一感がないなあ。
万年筆とか双眼鏡にオルゴール。
まあ、かわいいからいいか。
眺めてなごんでいたら、最後に人形同士がキスして、ゼンマイが切れた。
ガクッときて、椅子からずり落ちて床に寝そべる。
人形に先を越されてしまった。
今のあたしには嫌がらせにしか感じないぞ。
もう疲れた。
何もする気が無いぞー!
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