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第57話:ダリオさんに脚を手当してもらう
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「早く消毒しないと」
そう言いながら、ダリオさんが鞄から医療用の消毒液や包帯とかを取り出している。
「えーと……」
それを見ながら、焦るあたし。
「ゾンビに噛まれてもゾンビになりません。しかし、放っておいたらゾンビより怖い破傷風になるかもしれませんよ」
「破傷風って何ですか」
「土の中などにいる破傷風菌が傷口から体内に入ることで発症する病気です。重症になると死に至ります。全身の筋肉が痙攣を起こして、最後は息もできなくなり海老反り状態になって背骨が折れる人もいる怖い病気ですよ。ゾンビは土の中から這い出して来ることが多いので、爪や口の中に破傷風菌などバイ菌が混じっていることが多いんです」
ひえ! そんな恐ろしい病気があったんか、背骨が折れて死にたくない。
けど……。
あたしが戸惑っていると、ダリオさんは、プライドを傷つけられたといった表情を見せる。
「心配しないで、けっして乱暴とかしませんよ。信用してください。私は医者です」
「は、はい、分かりました……」
ズボンを脱いで、そこら辺にあった椅子に浅く腰をかけて、両手で股にシャツの裾をはさむ。
なんとかショーツが見えないようにする。
ショーツに穴が空いているんよ。
もっと裾の長いシャツと、カッコいい高級下着を着てくればよかった。
高級下着なんて持ってないけどさ。
え? 医者はそんなこと気にしないって? あたしが気にしてんの!
ダリオさんが右脚の手当をしてくれる。
あたし唯一の自慢のすらりとした脚が傷だらけだ。
最初は足首から。
痛かったり、くすぐったいとか、そんなこと気にしてられん。
こんな超イケメンがあたしの脚を触っている。
もうドキドキもんよ。
次はふくらはぎ。
ダリオさんは丁寧に消毒して、包帯を巻いてくれる。
「ちょっと、足を開いてくれませんか」
「はあ」
太股の内側、足の付け根あたりを消毒。
痛いけど、気にならん。
男性に、こんなきわどいところ触られたのは初めてだ。
まあ、消毒液が付いた綿を通じてだけど。
乙女心がヒートアップ! どころか燃え尽きそう!
「とりあえず応急処置は終わりましたが、この仕事が終わったらすぐに専門の医者に行って下さい」
「はい、ありがとうございます」
やっと終わった。
頭がフワフワするぞ。
椅子から立ち上がろうとして、なぜかケガしてない左脚の太股の裏側が痙攣して、激痛!
「イテテ!」
不様にぶっ倒れる。
うつぶせでお尻を突き出した情けない格好。
恥ずかしくて、泣きたいくらい。
「どうされました」
ダリオさんが慌ててる。
「あの、足が痙攣して。なぜかゾンビに噛まれてない左脚のほうですけど。これ、破傷風の症状でしょうか」
「破傷風は最短でも潜伏期間が三日はあるんですが。うーん、どうやら、足がつったのかもしれませんね」
何だ、緊張し過ぎて、足が痺れたのが原因か。
これは、ゾンビのせいでも、破傷風菌のせいでもなくて、あなたのせいですよ、ダリオさん! と言いたくなった。
「プルムさん。ちょっと、仰向けになってもらっていいですか」
「へ?」
「気を楽にしてください。足がつった場合、リラックスするのが一番いいんですよ。私の専門は外科なんですけど、整体の免許も持っているんです」
おいおい、あんたに触られたら、リラックスできんちゅーの!
「足がつったときは、焦って激しく動かすより、ゆっくりと丁寧に動かしたりするのが効果的です」
「はあ」
ダリオさんが、下半身にはショーツしか着けてない、あたしの左足を少し高い所にあげて膝を伸ばし、つま先をやさしくつかんで曲げる。その後、ゆっくりとあたしの膝を曲げて、太股をあたしのおなかに近づける。
穴の開いた下着が丸見え。
本当に泣きたくなる。
「痛みはどうですか」
「は、はい、少し良くなりました」
「血行を良くするといいですよ。マッサージをすることで凝り固まっている筋肉をほぐすことになります」
ダリオさんが、今度はあたしの左太股をマッサージをする。
揉むというよりも擦るような感じ。
こらこら、足じゃなくて、頭が痙攣しそうだぞ。
頭が真っ白。
失神しそう。
気が付くと痙攣がおさまった。
ああ、ゾンビと戦うより疲れた。
……………………………………………………
あたしは、今、逃げ込んだアパートの二階の床にダリオさんが置いた外套の上で寝ている。
あたしは断ったんだけど、床が汚れているのでとひいてくれた。
紳士だなあ。
下半身はズボン無しのショーツ姿なんで、恥ずかしいから足を抱えて、丸まって横になっている。
ダリオさんが、ゾンビたちが破いたあたしのズボンを縫ってくれている。
何でもできる人だなあ。
つーか裁縫道具まで、いつも持ち歩いているのか、この人?
眠れん。
体が熱くて仕方がない。
体が火照ってしかたがないんよ。
ダリオさんに内股を触られたときには、背中がゾクゾクして気持ち良かった。
え? 痛くて気持ちいいとは変態だなって? 色情狂だって? 欲求不満だなって?
ふざけてんのか、コノヤロー! 全員ぶっ殺すぞ!
あんたらだってねー、もし未経験で、美人女医さんに内股触られたら、大事な所がおかしくなるんでしょ!
え? 未経験じゃなくてもおかしくなるって? そうなんですか。
見てるだけでもなるぞって? そうなの?
何も考えなくても、何にもしなくてもなるぞって? そ、そうですか。乙女なんでそのへんの事情が分からん。
実物もちゃんと見たことないので。
それに女も同じだぞって? ええ、そうなの! 気づかんかった。
まあ、下品な話はこれでお終い!
え? 下品じゃないって? 健康な証拠だって? 本当にそうなの、乙女を混乱させないでよ。
ああ、もう疲れた。
ホントに寝る。
そう言いながら、ダリオさんが鞄から医療用の消毒液や包帯とかを取り出している。
「えーと……」
それを見ながら、焦るあたし。
「ゾンビに噛まれてもゾンビになりません。しかし、放っておいたらゾンビより怖い破傷風になるかもしれませんよ」
「破傷風って何ですか」
「土の中などにいる破傷風菌が傷口から体内に入ることで発症する病気です。重症になると死に至ります。全身の筋肉が痙攣を起こして、最後は息もできなくなり海老反り状態になって背骨が折れる人もいる怖い病気ですよ。ゾンビは土の中から這い出して来ることが多いので、爪や口の中に破傷風菌などバイ菌が混じっていることが多いんです」
ひえ! そんな恐ろしい病気があったんか、背骨が折れて死にたくない。
けど……。
あたしが戸惑っていると、ダリオさんは、プライドを傷つけられたといった表情を見せる。
「心配しないで、けっして乱暴とかしませんよ。信用してください。私は医者です」
「は、はい、分かりました……」
ズボンを脱いで、そこら辺にあった椅子に浅く腰をかけて、両手で股にシャツの裾をはさむ。
なんとかショーツが見えないようにする。
ショーツに穴が空いているんよ。
もっと裾の長いシャツと、カッコいい高級下着を着てくればよかった。
高級下着なんて持ってないけどさ。
え? 医者はそんなこと気にしないって? あたしが気にしてんの!
ダリオさんが右脚の手当をしてくれる。
あたし唯一の自慢のすらりとした脚が傷だらけだ。
最初は足首から。
痛かったり、くすぐったいとか、そんなこと気にしてられん。
こんな超イケメンがあたしの脚を触っている。
もうドキドキもんよ。
次はふくらはぎ。
ダリオさんは丁寧に消毒して、包帯を巻いてくれる。
「ちょっと、足を開いてくれませんか」
「はあ」
太股の内側、足の付け根あたりを消毒。
痛いけど、気にならん。
男性に、こんなきわどいところ触られたのは初めてだ。
まあ、消毒液が付いた綿を通じてだけど。
乙女心がヒートアップ! どころか燃え尽きそう!
「とりあえず応急処置は終わりましたが、この仕事が終わったらすぐに専門の医者に行って下さい」
「はい、ありがとうございます」
やっと終わった。
頭がフワフワするぞ。
椅子から立ち上がろうとして、なぜかケガしてない左脚の太股の裏側が痙攣して、激痛!
「イテテ!」
不様にぶっ倒れる。
うつぶせでお尻を突き出した情けない格好。
恥ずかしくて、泣きたいくらい。
「どうされました」
ダリオさんが慌ててる。
「あの、足が痙攣して。なぜかゾンビに噛まれてない左脚のほうですけど。これ、破傷風の症状でしょうか」
「破傷風は最短でも潜伏期間が三日はあるんですが。うーん、どうやら、足がつったのかもしれませんね」
何だ、緊張し過ぎて、足が痺れたのが原因か。
これは、ゾンビのせいでも、破傷風菌のせいでもなくて、あなたのせいですよ、ダリオさん! と言いたくなった。
「プルムさん。ちょっと、仰向けになってもらっていいですか」
「へ?」
「気を楽にしてください。足がつった場合、リラックスするのが一番いいんですよ。私の専門は外科なんですけど、整体の免許も持っているんです」
おいおい、あんたに触られたら、リラックスできんちゅーの!
「足がつったときは、焦って激しく動かすより、ゆっくりと丁寧に動かしたりするのが効果的です」
「はあ」
ダリオさんが、下半身にはショーツしか着けてない、あたしの左足を少し高い所にあげて膝を伸ばし、つま先をやさしくつかんで曲げる。その後、ゆっくりとあたしの膝を曲げて、太股をあたしのおなかに近づける。
穴の開いた下着が丸見え。
本当に泣きたくなる。
「痛みはどうですか」
「は、はい、少し良くなりました」
「血行を良くするといいですよ。マッサージをすることで凝り固まっている筋肉をほぐすことになります」
ダリオさんが、今度はあたしの左太股をマッサージをする。
揉むというよりも擦るような感じ。
こらこら、足じゃなくて、頭が痙攣しそうだぞ。
頭が真っ白。
失神しそう。
気が付くと痙攣がおさまった。
ああ、ゾンビと戦うより疲れた。
……………………………………………………
あたしは、今、逃げ込んだアパートの二階の床にダリオさんが置いた外套の上で寝ている。
あたしは断ったんだけど、床が汚れているのでとひいてくれた。
紳士だなあ。
下半身はズボン無しのショーツ姿なんで、恥ずかしいから足を抱えて、丸まって横になっている。
ダリオさんが、ゾンビたちが破いたあたしのズボンを縫ってくれている。
何でもできる人だなあ。
つーか裁縫道具まで、いつも持ち歩いているのか、この人?
眠れん。
体が熱くて仕方がない。
体が火照ってしかたがないんよ。
ダリオさんに内股を触られたときには、背中がゾクゾクして気持ち良かった。
え? 痛くて気持ちいいとは変態だなって? 色情狂だって? 欲求不満だなって?
ふざけてんのか、コノヤロー! 全員ぶっ殺すぞ!
あんたらだってねー、もし未経験で、美人女医さんに内股触られたら、大事な所がおかしくなるんでしょ!
え? 未経験じゃなくてもおかしくなるって? そうなんですか。
見てるだけでもなるぞって? そうなの?
何も考えなくても、何にもしなくてもなるぞって? そ、そうですか。乙女なんでそのへんの事情が分からん。
実物もちゃんと見たことないので。
それに女も同じだぞって? ええ、そうなの! 気づかんかった。
まあ、下品な話はこれでお終い!
え? 下品じゃないって? 健康な証拠だって? 本当にそうなの、乙女を混乱させないでよ。
ああ、もう疲れた。
ホントに寝る。
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