ドラゴンキラーと呼ばれた女/プルムの恋と大冒険

守 秀斗

文字の大きさ
72 / 82

第72話:チャラ男と一緒にフェデリコ・デシーカさんの豪邸を訪問する

しおりを挟む
 サビーナちゃんが産休に入った。
 安全企画室はあたしとミーナさんの二人だけ。

 なんか静かだ。
 ミーナさんは大人しいからなあ。
 フランコのおっさんからも、新しい指令は来ない。

 だらだらと官報整理をしていたら、警備隊のバルドから、大学からのスポルガ川検査結果を持っていくと連絡が来た。
 待ってたら、チャラチャラした足音が聞こえてきたぞ。

「こんちわ~っす、おお、これが安全企画室っすか。スゲー豪華な部屋っすねえ」

 顔を出したのは、チャラ男ことロベルトだ。

「ご無沙汰っす、ミーナさん。お元気すか!!」

 はしゃぎながら挨拶するチャラ男。
 ふかふかの絨毯の上で、ひょいひょいと跳びあがって、喜んでやがるぞ。

「まるで雲の上を歩いている感じ。プルム室長の顔には似合わない部屋っすねえ」

 部屋と顔は関係ねーだろ!

「ロベルト、何しに来たんよ」
「検査結果っすよ、大学からの」

「え、あの作業、あんたの分隊がやったの」
「いや、あっしの分隊も含めた第五小隊っす。まあ、くじ引きで負けたんっすけど。みんな嫌がってましたっす。それで、アギーレ小隊長は休職しているんで、あっしが主導して行いましたっす」

「おいおい、ちゃんと採取したの?」
「ちゃんとやりましたっすよ」

 いつもの通りヘラヘラしているロベルト。
 大丈夫かね。
 
 検査結果を見ると完全に基準をオーバーしてる工場がいくつかある。
 調べると、全部フェデリコさん所有の工場だ。

「やい、チャラ男! 本当に真面目に採取したのかよ!」
「もちろん、かの有名なドラゴンキラーことプルム室長殿のご命令ならと張り切ってやりましたっすよ」

 本当かよ、テキトーにやったんじゃないか。
 それから、川の汚染検査とドラゴンキラーは関係ねーっちゅうの!

 けど、あのフェデリコさんの態度を思い出した。
 うーむ、だから、あの封筒持ち出したのか。

 検査結果と、ついでに内務省が二年前に行った報告書を持って、フランコ長官の部屋に行った。
 またまた悩む長官。

「もしかしたら、二年前の内務省の調査の時も賄賂で誤魔化した可能性もありますね。二年の間隔が空いているとはいえ、検査結果が全然違いますもんね」
「いや、そこまでだ! それ以上考えるな!」

 フランコのおっさんが焦っている。
 大人の世界は大変やね。

 あたしも、もう大人だけど。
 大人だけど乙女だけどさ。

「ちょっと考える。お前は部屋に戻ってろ」

 どうもはっきりしないフランコのおっさん。
 仕方が無いので、自分の部屋に戻ると、まだロベルトがいた。
 ロベルトが窓のカーテンを触って、ベラベラ喋っている

「やっぱ高級品はいいっすねえ。あっしの家のペラペラのカーテンとは全然手触りが違うっす」

 ミーナさんは適当に対応している。
 チャラ男はいつまで経ってもチャラ男。
 こっちは深刻な問題を抱えているっていうのに。

「どうしたんすか、プルム室長。元気がないっすねえ」
「うるせーよ、こっちは悩んでいるんだよ」

 協力してくれたロベルトにひどい態度を取る相変わらず最低なあたし。

「なに悩んでいるんすか」
「フェデリコ自警団長の工場が基準を超えてんだよ!」

 なぜかロベルトにはひどい態度のあたし。
 怒鳴り癖がついてしまったのか、チャラ男だけには。
 ロベルトは全然気にしてないようだけど。

「検査結果と工場の排水を持って行って、見せればいいんじゃないすか。フェデリコ自警団長本人は知らないんじゃないすか」

 ロベルトがヘラヘラしながら言った。
 そんなわけねーだろ。
 ったく、チャラ男は気楽でいいなあ。

 しかし、この前のフェデリコさんの脅しみたいな態度には、ちょっとカチンときたのも事実ではある。
 一言文句いってやるか。

「ちょっと、チャラ男、自警団長の家まで一緒に来てくれる」
「へ、何の用すか」

……………………………………………………

 フェデリコさんの工場に寄って、排水をバケツに入れてロベルトに持たせる。

「プルム室長、重いっす。おまけに臭いっす」
「我慢せい、チャラ男。だいたい、お前のアイデアだろ」

 ロベルトを下僕扱いするひどいあたし。
 フェデリコさんの豪邸を、再訪問。

「ああ、これはプルム室長、何用ですか」
「工場排水の件です」

 応接室に通されて、検査報告書を見せる。

「基準を守って下さいよ、この水はフェデリコさんの工場から取ってきたものですよ」
「いや、守ってますよ」

「この報告書では完全に超えてますが」
「検査が間違っているんじゃないですか」

「すごく臭いですけど」
「無害ですよ」

 のらりくらりと話をそらすフェデリコさん。
 どうも、話がうまくまとまらない。
 終いには、何気にとぼけた感じでフェデリコさんが言った。

「最近、私も年のせいか、体のほうも調子が悪くなってきたと言うか、つらいんですよねえ。自警団長の仕事がそうさせているんですかねえ。ああ、私もそろそろ引退ですかねえ」

 やはり、そうきたか。
 やめられると困るんだよな。
 長年、自警団長をやっていたので、ひょっとしたらいろいろとやばい話も知っているかもしれない。

 仕方が無い。
 一旦、帰ることにした。
 チャラ男が文句を言っている。

「プルム室長、この水はどうしますか。重いっすよ」
「どっかに捨てればいいんじゃね」

 いい加減なあたし。
 玄関まで行くと、あれ、ロベルトがいない。

 戻ると、ロベルトがバケツの水をフェデリコさんの庭の池に流している。

「おい! チャラ男、何やってんの!」
「だって、捨てればって言ったじゃないすか」
「ここで捨てろって言ってねーよ」

 何考えてんだ、このチャラ男は。
 あれ、池の鯉がプカーと浮かんできた。
 鯉が全滅しちゃった。

「おい、どーすんだよ、チャラ男! この魚、錦鯉って言って、多分、一匹百万エンはするぞ」
「だって、無害って言ったじゃないすか」

 そう言いつつも珍しくうろたえているロベルト。

 気が付くと、後ろに、フェデリコさんが憮然とした顔で立っていた。
 焦るあたし。

 やばい、どうしよう。
 逃げるか。

 しかし、フェデリコさん、浮かんだ魚を見ながら憮然としながらも、あたしに向かって言った。

「分かりました。改善します」

……………………………………………………

 戻って、フランコのおっさんに報告。
 おっさん、喜んでいる。

「とにかく、フェデリコさんは改善すると約束してくれたわけだ」
「えーと、封筒の件はどうしましょうか」
「シッ、喋るな! 私は聞いてないし、お前は見ていないし、フェデリコさんは賄賂なんぞ誰にも渡してないぞ!」

 うーん、確かに封筒は見たけど、お金は見てないんだよな。
 まあ、この件は、見ざる聞かざる言わざるなのか。
 いいのかね。

 これが大人の世界かね。

 その後、フランコのおっさんが張り切って、各省庁まで巻き込んで、スポルガ川の汚染対策を進めた。
 工場排水の規制強化。
 排煙まで規制を始めた。

 ミーナさんの意見も取り入れて、スポルガ川の上流に用水路を設置、他からきれいな川の水を導入。メスト市の下水道に浄化槽もつける計画だ。

 環境保護キャンペーンまで始めた。
 だいぶ、お金と時間がかかりそうだけど。

 国家予算のほうは大丈夫か。
 アデリーナさんが、またヒステリーを起こしかねないな。
 
 しかし、何だか今回は釈然としないお話でしたね。
 さて、スポルガ川の件は終わったし、あたしの方は釈然とするぞ。

……………………………………………………

 今日は休日。
 昼前にリーダーのご自宅に行って、お見舞いついで、外のレストランか喫茶店に連れて行く。

 そこで、告白だ!
 リターンマッチだ!

 ドキドキしながら、リーダーのご自宅の扉をノックする。
 扉が開いて、リーダーが出てきた。

「お、プルムじゃないか。どうしたの」

 にこやかな表情のリーダー。

「あ、あのお見舞いにまいりまして」

 リーダー、この前見かけたのとちがって、無精髭もないし、髪もきちんとしている。
 服装もちゃんとして、顔色も良い。
 病気治ったのかな。

 あれ、台所で誰か料理を作っている。
 女性が振り向く。
 にこやかな笑顔であたしに話しかける。

「あ、プルムさん、こんにちは」

 エプロン姿のミーナさんがいた。
 ま、まさか、まさか。

「ああ、俺、今ミーナと一緒に暮らしているんだ」

……………………………………………………

 今、あたしは寮に帰って、自室の入り口でへばっている。
 部屋に入って力尽きて、ベッドまで行けなかった。

 飲み屋を何軒もはしご。
 メスト市中の飲み屋に行ったんじゃないかってくらい。
 やけ酒よ、やけ酒。

 ミーナさんは、スポルガ川を調査するため蒸気船で川を下ってた際に、体調が悪そうなリーダーを見て心配になり、その日のうちにリーダーの家に行ったそうだ。
 で、なるようになったと。

 あの時、ミーナさんじゃなくてサビーナちゃんを連れて行ったら、どうなっていただろうか。
 考えても仕方が無いか。
 ミーナさんは全く悪くないもんな。

 もう、どうでもいい。
 そのまま入り口で寝る。

 その後、高熱を出した。
 インフルエンザに罹って、寝込む。

 二週間休んだ。
 死ぬかと思ったぞ。
 
……………………………………………………

 やっと治って、出勤した。
 ミーナさんが病み上がりのあたしにいろいろと気遣ってくれる。
 優しい人だなあ。

 リーダーとアデリーナさんが結婚したときは嫉妬の嵐だったけど。
 今、そんなに感じないなあ。
 
 まあ、この二週間、ベッドの上で寝込みながらも、あたしはいろいろと考えたんよ。
 リーダーには、アデリーナさんのようなキツイ人や、あたしみたいないい加減女より、ミーナさんのような優しくて、穏やかな人が合ってるのかなと。

 まあ、あたしは潔く身を引くことにする。
 リーダーの幸せのためよ。
 そんな風に思うあたしも大人になったのかな。

 なんて、考えていたら、突然、部屋の扉がドカン! ともの凄い勢いで開いた。
 アデリーナさんだ。
 ドスドスと鬼の形相で、ミーナさんの方に歩いてくる。
 
 唖然としているミーナさんの顔面を、いきなり平手打ちする。

「いやらしい女ね!」
 
 あたしはびっくりして固まる。
 なんなの?

 しかし、ミーナさんは静かに立ち上がって、毅然とした態度でアデリーナさんに言い放った。

「あなたにアギーレさんは合いません。彼が体調不良になった原因は全てあなたにあります」
「何ですってー!」

 二人で掴み合いの大喧嘩。

「ちょ、ちょっと、二人とも落ち着いて!」

 あたしは慌てて、止めに入る。

「あ、あの、アデリーナさん、リーダーと離婚したはずじゃなかったんですか」
「そうだけど、だからと言って他の女に取られるのは嫌なの!」

 ひえー、アデリーナさん独占欲強すぎ!

「プルムには関係ないでしょ」とアデリーナさんに怒られる。
「プルムさんには関係ないです」とミーナさんからも文句を言われる。

「ウギャ!」

 結局、止めに入ったあたしがいちばんひどいケガをしてしまった。
 アデリーナさんはミーナさんを散々罵倒して、部屋から出て行った。

「大変申し訳ありません」

 ミーナさんに手当されながら、謝られる。

「アハハ、いいですよ。たいしたケガじゃないし」

 しかし、こんな恋愛の修羅場は初めて見るぞ。
 うーん、あたしのイメージする純愛とは程遠い。
 メロドラマ小説みたいなドロドロ展開。
 
 実際は、こういうもんなのですかねえ。
 え? 恋愛とはそういうもんだって? そうなんか、あたしはやっぱりまだ子供なんか。
 
 寮に帰る。
 やれやれとベッドに横になる。

 しかし、今頃になって、なんだかムカついてきたぞ。
 まあ、身は引くけどさ。

 アデリーナさんとミーナさんに、あんたには関係無いって言われたけど、この三人のなかでリーダーを一番最初に好きになったのは、このあたしじゃん。
 何なのよ、二人とも偉そうに。

 ああ、疲れた。
 もう寝る。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】無能と婚約破棄された令嬢、辺境で最強魔導士として覚醒しました

東野あさひ
ファンタジー
無能の烙印、婚約破棄、そして辺境追放――。でもそれ、全部“勘違い”でした。 王国随一の名門貴族令嬢ノクティア・エルヴァーンは、魔力がないと断定され、婚約を破棄されて辺境へと追放された。 だが、誰も知らなかった――彼女が「古代魔術」の適性を持つ唯一の魔導士であることを。 行き着いた先は魔物の脅威に晒されるグランツ砦。 冷徹な司令官カイラスとの出会いをきっかけに、彼女の眠っていた力が次第に目を覚まし始める。 無能令嬢と嘲笑された少女が、辺境で覚醒し、最強へと駆け上がる――! 王都の者たちよ、見ていなさい。今度は私が、あなたたちを見下ろす番です。 これは、“追放令嬢”が辺境から世界を変える、痛快ざまぁ×覚醒ファンタジー。

【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます

腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった! 私が死ぬまでには完結させます。 追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。 追記2:ひとまず完結しました!

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

悪役令嬢と言われ冤罪で追放されたけど、実力でざまぁしてしまった。

三谷朱花
恋愛
レナ・フルサールは元公爵令嬢。何もしていないはずなのに、気が付けば悪役令嬢と呼ばれ、公爵家を追放されるはめに。それまで高スペックと魔力の強さから王太子妃として望まれたはずなのに、スペックも低い魔力もほとんどないマリアンヌ・ゴッセ男爵令嬢が、王太子妃になることに。 何度も断罪を回避しようとしたのに! では、こんな国など出ていきます!

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

処理中です...