愛しているなら拘束してほしい

守 秀斗

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最終話:一生、拘束してほしい

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「すみません、私が無理矢理迫ったのがよくなかったんですよね、申し訳ありません!」
「いえ、僕がだらしがないからです……」

 ああ、どうしようかしら。とにかく、今日はもうやめよう。

「とにかく抱きしめてください」
「はい」

 理奈子は新道さんに抱き着く。

(ああ、ただ肌を合わせているだけでも、気持ちいい……でも、やっぱりひとつになりたいなあ……つーか、事実上処女のままなんて、いやだわー!)

……………………………………………………

 それから、何度かトライしたけど失敗。いっそのこと縛ってもらって好き放題の状態ならうまくいくのではと理奈子は考えた。

 例の緊縛の部屋で思いっきり股を開いた淫らな格好にされる。

「来て、新道さん、私を愛して……」

 濡れたあそこを見られて興奮する理奈子。
 でも、かえってますますダメ。

(やっぱり普通に抱いてもらうのがいいのかしら)

 新道の部屋のベッドで抱いてもらうけど、またダメ。しょんぼりする新道をなんとか落ち込まないように励ます理奈子。

「あ、あの、私は全然気にしていませんから」
「でも、僕のことを嫌いになったんじゃないですか」
「そんなことないですよ、全然、ないです、好きです、愛してます!」

 裸のまま新道に抱き着く理奈子。

(ああん、どうしようかしら。そうだ、土田課長に聞いてみよう)

……………………………………………………

 職場で飲みに行こうと土田課長に理奈子の方から誘った。もう、単刀直入に聞いてみた。

「実は新道さんに告白して、そしたら、お付き合いしていただくことになって」
「あら、よかったじゃない、うふふ」
「でも、あの、その、うまくいかなかったんです、その、ベッドで」
「だめだったのかしら……」
「そうなんです……」
「そう、あんまり相手を好きになるとだめになるって聞いたわねえ、男性って」

 そうなのか、そんなに好きになってくれるのはありがたいけど、やっぱりしてもらいたい。

「どうすればいいと思いますか」
「そうねえ……あなたのいやらしい格好を見せればいいんじゃないの。美夜本さんって、清純っぽいからギャップが激しいので、そんなことになったんじゃないのかしら。もう、女なんてこんなどうしようもない生き物って思わせればいいんじゃないの」
「でも、もういやらしい緊縛姿を見せているんですけど」
「いや、それ以上の変態的な格好を見せればいいんじゃないの」

(そんなものかしら。私は清純でも何でもないんだけど。そんな女性が好きなのかしら、新道さんは。ああ、だったら別れるしかないじゃないの、私ってすごく淫らなことを考えている女なんだから)

 でも、何だか土田課長が元気がない。

「あの、課長、どうされたんですか……まさか、恋人さんとうまくいってないとか」
「ううん、彼とはうまくいってるわ。仕事の方よ、部長がうるさくてねえ……ああ、ホント、仕事ってつまらないわ……」

 そのままテーブルに突っ伏してしまう土田課長。
 あれ、だいぶストレスが溜まってそうだわ、例の新道さんとの行為もしてないはずだし。恋人さんとはどうなのかしら。

……………………………………………………

 土田課長のアドバイスを聞いて、やってみようと理奈子は思った。

 新道の家、例の緊縛用の部屋。もう、いろんな道具を持ってきたが、一番変態的な格好を新道に見せつけようと思った。

 裸になった理奈子。
 目の前にいる新道に言った。

「新道さん、見て、私のあそこを……」

 クスコをゆっくりと膣穴に入れる。

(こんなことする女、いないわよ、そう、私はどうしようもないいやらしい女、そんな女を思いっきり乱暴してほしいの、興奮して私を襲ってほしい)

そして、ある程度挿入すると自ら開いていく。

「ねえ、見て、あそこを見られたいの、私。もう、奥の奥まで見てほしい変態女なの。こんなこと家でしてたの、オナニーをしてた、いやらしい女なの。こんなどうしようもない女をメチャクチャに責めてほしいの、ねえ、新道さん、あなたので貫いて、ねえ、お願い」

 あそこの中をスマホで撮影までしてもらう。そしてゆっくりとクスコを抜いた。

(あ、新道さんの大きくなってるわ、うまくいくかも)

「ねえ、抱いてください、私の処女を奪って、こんな変態女、どうとでもしてほしいの、もうメチャクチャに扱って」

 すると、新道がむしゃぶりついてきた。理奈子の身体をかなり乱暴に扱う。

(ああ、いいわ、もう乱暴してほしい、ああ、アレがかなり硬くなってる、いいわ)

「み、美夜本さん、好きだ」
「はい、私も、だから、こんな変態女をお仕置きして、ねえ、私は新道さんの性奴隷なの、発情したメス犬なの、だから、入れて、興奮してびしょ濡れのあそこに、ああん、早くう」

 彼のが入って来た、ああ、硬いままだわ、気持ちいい、やっとひとつになれる。理奈子はすっかり興奮してしまう。激しく責められる。

(いいわ、バイブなんかよりずっといいわ、抱かれながらあそこを貫かれてる、幸せだわ、ああ、もっと激しく突いて、私を愛してえ!)

「ああ、気持ちです、いく、ああ、いっちゃいそうです、いっちゃう、ねえ、一緒にいって、新道さん、いって、ああ、理奈子、いっちゃう、いく、いくう」

 すぐに絶頂へいく理奈子。新道も出したようだ。しばらくつながっている二人。

(やったわ! やっと処女卒業! 嬉しいわ)

 でも、新道はちょっと妙な顔をしている。

「あの、美夜本さんは初めてって言ってましたけど……」

(ああ、やっぱり、そういうことを男性って気にするのかしらね……)

「実はサドルに処女は奪われまして」
「え、サドル?」

 中学生の時、自転車のサドルに勢いよく乗った時に、処女膜が破れたことを新道に言ったら、クスクスと笑われる。

「そんなに笑わないでくださいよ、その後は恋人無しの情けない生活してたんですよ、私」

 そして、理奈子は新道にキスをしようとした。
しかし、その理奈子を抱きかかえる新道。

「え、あの、どうしたんですか」
「僕の部屋に行こう」
「あ、はい」

 ドキドキしてきた。いっぱい愛されるのかしら、そう理奈子は思った。でも、どうされてもいいと思った。二階まで抱いて運ばれる。そして、ベッドに押し倒されて、後はいろんな格好で愛された。

(ああ、すごいわ、そう、もうメチャクチャにしてほしい)

「君の全てを僕のものにしたい、もう隅から隅まで」
「はい、好きにしてください。私も新道さんのものになりたいの、もう、全部あげる、私を愛して、もう、メチャクチャに愛してえ」

……………………………………………………

 何度も愛し合って、朝まで裸のまま抱き合って眠る、新道と理奈子。

(こういう風にただ裸で抱き合うってのもいいなあ、こっちの方がバイブやら緊縛よりよっぽど気持ちいいかも)

 そんなことを思いながら理奈子は眠りに落ちた。

……………………………………………………

 それからはセックスもデートも楽しい。かなり激しく愛し合ったけど、セックスも普通のことしかしない。でも、それで十分気持ちがいい。肌を合わせているだけでいいと理奈子は思った。新道の方も例の緊縛バイトはやめてしまった。

 すっかり幸せな気分の理奈子。腰痛もすっかりなくなった。セックスは腰痛にも効果あるのかとまたバカなことを考えたりした。

(もう緊縛とかも興味がなくなってしまった、おかしいわね。処女の時はやたら変態的なことばかり考えていたのに。浣腸してもらいたいとか、後ろの穴でしてもらいたいとか、すごいこと考えていた。土田課長とバイブであそこを連結されるとか。完全な変態ね。今は、そんなこと考えなくなってしまった。性欲って不思議だわ……もう、新道さんに抱かれているだけでいいの、一生……ああ、新道さんと添い遂げたい、でも、うちの家って厳しいからなあ、SMクラブを経営している家の息子さん、大丈夫かしら……いいわ、反対されたら、もう強引に結婚しちゃおう)

……………………………………………………

 そして、ある日。
 すごいゲリラ豪雨。

 ビルの玄関前で外の様子を見る新道と理奈子。今日は理奈子のアパートに行くつもりだ。

「どうしよう、びしょ濡れになっちゃうね」
「哲哉さん、地下通路から駅ビルに行きませんか」
「ああ、例の部屋が見えるところね。思い出の場所だなあ。君の裸を初めて見た場所だなあ」
「やだあ、すごく恥ずかしかったんだから」

 二人は地下二階への階段を下りる。

「でも、土田課長との行為を君に見られた、あの時は焦ったなあ。言いふらされたらどうしようかと思ったよ」
「私、そんなことしませんよ、それにすぐに私も見られたし」

 理奈子はカバンから小さい懐中電灯で通路を照らす。
もう秋だけど、蒸し暑いなあと思った。

「変な通路だよねえ」
「同じ不動産会社が所有しているって聞いてますけど」

 二人はゆっくりと歩く、すると、例の部屋に明かりがついている。

「あれ、何で照明がついているんだろう」
「新しい設備でも入ったのかしら」

 つい小声になる。
 理奈子の胸がドキドキしてきた。
 え、まさか、土田課長。

 例の部屋の窓からこっそりと中を二人で見る。すると、全裸の女性がいる。土田課長だ。青いビニールシートの上で四つん這いになっている。お尻にはチューブが挿入されている。

「ああ、ご主人様、浣腸してくださいませ、この変態女をお仕置きしてください、性奴隷の奈津美が後ろの穴からウンチを噴出すのをご覧くださいませ」

 恋人らしき男性が浣腸器具のポンプを押している。そして、ある程度までいくとそのチューブを土田課長の肛門から抜いた。

「ああ、出る、出ちゃう、恥ずかしい、でも、見て、奈津美の後ろの穴からウンチが噴き出るのを見てえ!」

 固唾を飲んで見守る理奈子。新道がその理奈子を促す。

「理奈子さん、邪魔しちゃまずいから、行こう」
「そ、そうですね」

 まだ、ストレスが溜っているのかしらね、土田課長はと理奈子は思った。この前、仕事のことでぼやいていたからなあ。そして、駅ビルの方まで行って、途中の踊り場で理奈子は思い出してしまった。初めて、土田課長と新道の行為を見た帰り。踊り場、ここでオナニーをしようとしたんだっけ。なんていやらしい女だろう。

「理奈子さんは、もう、あんな行為はしたくないんですよね、緊縛とかも」
「そ、そうですね」

(どうなんだろう、あまり興味がなくなったけど……)

「あの、哲哉さんがしたいって言うなら、私は何されてもかまいませんけど……」
「いや、僕も、もう興味ないないなあ」

(新道さんも興味失っているのか、もともと気が進まなかったってことだからなあ……でも、私のこと、私自身には興味を持ち続けてほしいわ)

「土田課長はやっぱりストレスが溜まっているのかなあ」
「そんな感じだと思います。でも、まあ、恋人同士ならいいんじゃないですか」
「理奈子さんも、ストレス解消で緊縛してほしいとかなら、してもいいけどね」

(もう緊縛とかはいいわ、いえ、もしするなら私にだけしてほしい、そして、お願いしたいことがあるの)

 冗談っぽく言う新道に理奈子は抱き着いた。

「あの、哲哉さん……お願いがありまして」
「え、何ですか」
「……もう緊縛とかしないでいいです……でも、お願い、一生、私の心を拘束してください……」

〔END〕
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