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勝ち組βと負け組α、バディを組む
松崎健之助(α)
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その高そうな身なりの崩れた、暗い顔をした男は平井連と名乗った。本名かどうか分からないが、健之助は興味が無い。金を得るために使う事ができればそれで良かった。
そう、道具として使い勝手が良ければそれで良いのだ。
人けの無い夜の公園のベンチに場所を移し、2人は計画を練る事にした。
「盗み?!」
「しっ、声が大きい。」
思わず大き目の声を出した連を、健之助はたしなめた。人けの無い場所とは言え、事が事なだけに油断は禁物だ。
「おい…君はどうだか知らないが、俺は仕事も家族もあるんだぞ。そんな事をして警察に捕まれば…」
「その辺は大丈夫、安心して良い。警察に泣きつく事のできない相手を選ぶからな。」
連は訝しげな顔で健之助を見ると
「まさか…ヤクザじゃないだろうな?」
と言った。
「察しが良いじゃないか、その手の仕事をやった事でもあるの?」
「俺自身は悪い事はやってないよ。ただ、そういう人にちょっと遭遇する事があったってだけだ。」
連は眉をしかめ、片手を振り答えた。
――悪い事はやっていない、か。
嘘だ、と健之助は直観している。良心を誤魔化しているのだろう。つまりこの男、連は良心への言い訳が成り立つ悪事になら平気で手を染める。
ヤクザから――悪人、犯罪者から金を盗るという行為なら、じゅうぶん言い訳ができるだろう。
「確かに、ヤクザが警察に泣きつくとかメンツ丸潰れだものな。痛い腹も探られるだろうし、確実にタンス預金だしな。
誰か、適当なヤクザでも知っているのか?言っておくけど、痛い目に遭うのはごめんだぞ。」
案の定、連は乗り気である。
健之助が計画したターゲットは、自分の雇い主である中里だ。
「あんたが協力してくれるなら、何の危険も無く簡単に大金が手に入るよ。」
そう、道具として使い勝手が良ければそれで良いのだ。
人けの無い夜の公園のベンチに場所を移し、2人は計画を練る事にした。
「盗み?!」
「しっ、声が大きい。」
思わず大き目の声を出した連を、健之助はたしなめた。人けの無い場所とは言え、事が事なだけに油断は禁物だ。
「おい…君はどうだか知らないが、俺は仕事も家族もあるんだぞ。そんな事をして警察に捕まれば…」
「その辺は大丈夫、安心して良い。警察に泣きつく事のできない相手を選ぶからな。」
連は訝しげな顔で健之助を見ると
「まさか…ヤクザじゃないだろうな?」
と言った。
「察しが良いじゃないか、その手の仕事をやった事でもあるの?」
「俺自身は悪い事はやってないよ。ただ、そういう人にちょっと遭遇する事があったってだけだ。」
連は眉をしかめ、片手を振り答えた。
――悪い事はやっていない、か。
嘘だ、と健之助は直観している。良心を誤魔化しているのだろう。つまりこの男、連は良心への言い訳が成り立つ悪事になら平気で手を染める。
ヤクザから――悪人、犯罪者から金を盗るという行為なら、じゅうぶん言い訳ができるだろう。
「確かに、ヤクザが警察に泣きつくとかメンツ丸潰れだものな。痛い腹も探られるだろうし、確実にタンス預金だしな。
誰か、適当なヤクザでも知っているのか?言っておくけど、痛い目に遭うのはごめんだぞ。」
案の定、連は乗り気である。
健之助が計画したターゲットは、自分の雇い主である中里だ。
「あんたが協力してくれるなら、何の危険も無く簡単に大金が手に入るよ。」
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