Crowd Die Game

織稚 影願

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第一章・1stGame~3rdGame

決戦・コボルトロード。そして、新たなる道へ

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    光の先には、やはりコボルトロードが待っていた。
「さぁーて、さっきまでの俺らとは一味違うぜ?」
    俺はそう言うと、剣を抜いた。本来は二刀流なのだが、まだ慣れてなく、俺は一本しか抜かなかった。両手持ちでまっすぐ構えた。
「ねぇハーデス、その構えって、自己流?」
    俺の構え方は普通の構えだ。
    しかしそれはあることをやっていないとわからないことだった。俺が昔やっていたからくせでやってしまう。
「いや。ちゃんと型だよ。昔剣道やってたからさ。」
    俺の構え方は普通の構え、と言った。剣道での普通の構えは『中段の構え』と呼ばれる構え方で、自分の──言葉が悪いが──膀胱の当たりに手を中心として置き、まっすぐ相手の喉元に剣先を向ける構え方。ものすごく基本的な構え方だ。
「へぇー……じゃあ、あの振り方も?」
「いや、流石にそれは自己流」
    構えは中段の構えでも良かったが、振り方は流石に剣道のやり方では無理だ。隙がありすぎる。
    だからこそ自分で剣術を作ってる。それがまた戦いやすい。
「よし、じゃあ頑張るぞー」
「おー」
    気の抜けた掛け声だ。でも、俺は大丈夫だと信じてる。だって、俺たちは強いから。
「さてさてさーて。コボルトロードさぁん?俺んとこに来なさいな。」
「雑魚は私が一掃してみよかなーしないでおこかなー」
「いや、そこはして!?俺狙われちゃう!」
「逆にさー、ハーデスが引き付けてよ。コボルトロードと一緒に。」
「それ俺完全に狙われてるよね!?死ぬよ!?」
「大丈夫大丈夫!ハーデスなら死なないよ、きっと!」
「なんの自信だよ!流石に死ぬわ!」
    なんの根拠があるんだ。だが、逆にその漫才のような掛け合いができるほど、心には余裕があるというのが分かった。しかしそれがわかったところで……どうするか。
    俺が雑魚を引き付けておいて……コボルトロードはスルー。マーリンが俺がひきつけてる間に雑魚を一掃する呪文を唱えておく。詠唱が終わり次第、俺はすぐに離れる。そして、魔法を……撃つ。
    よし、作戦はこれで行くか。
「マーリン!指示を出す!」
「分かってる!今心読んだ!」
「なにそれ怖い!いつの間に!?てかどうやって!?」
「なんかそんな魔法あった。すごいねこれ作戦筒抜けだよ。」
「相手のも見れるの!?味方のなら筒抜けてもいいよね!?」
「相手の見れないや」
「だろうね!……まぁ、それなら話が早いな。やるぞ。」
「うん!」
    マーリンが返事をすると同時に俺は雑魚に向かって走り出した。
    ゴブリンやサハギン、ベイクラビット、コボルト達が一斉に俺を向いた。どうやらヘイト値が上がったようだ。
「どぉぉぉぉおりゃぁぁぁぁぁあ!」
    まずは一体、切り倒した。マーリンの方を見ると、呪文を詠唱していた。
    その時だった。
『ハーデス、聞こえる?』
と、いきなり頭に声が響いた。
(なんだ……?誰だ?)
    俺はその声に質問をした。もちろん戦いながら。
『私よ、マーリンだよ!聞こえるみたいだからいいや。詠唱終わったら言うね!』
(わかった。それなら俺が飛ぶ時に放ってくれ。合図はする)
『了解!』
    頭の中で会話を交わしたあと俺は魔物達に再び向き合った。
「さぁて……こっちだよー!」
    ヘイト値をさらにあげるために叫びながら、俺は走った。
    案の定、魔物は全部こちらへ来た。作戦通り。
    近寄る魔物に剣を振った。
「はっ!どりゃっ!っとと、危ねぇ。」
    何体か倒しつつ、コボルトロードの方へ近づいていく。もちろん偶然ではなく故意である。
『詠唱終了!一気に放てるよ!』
    その時ちょうど、頭の中で合図が来た。
(了解………3.2.1……放て!)
    それに対して俺は軽く返事をして、飛びながら頭の中で指示をした。
「──フレイム・エクスプロージョン!」
    マーリンは呪文を唱えた。
    範囲魔法の中でも、エクスプロージョンは高位魔法だ。高い爆発力、破壊力、殺傷力があるのが特徴的でそれは広い範囲に届く。
    フレイム・エクスプロージョンとは、そのエクスプロージョンに属性をつけたのである。確かに一掃するには向いている。
    ずどーーーーん!と大きな音を立てて爆発が起きた。
「やったか!?……あっ、フラグ……」
    俺はミスってフラグを立ててしまった。やってないフラグを。
「……これは……折れてください……」
    そう祈りながら雑魚のいた方向を見やると、ちゃんと一掃されていた。
「よ、よかった……回収しなかった……」
「何ぶつくさ言ってるのー?……って、ハーデス、危ない!」
    俺はその声で、反射するようにコボルトロードの方向を見た。否、ただ見ただけではない。見てすぐに防いだ。
コボルトロードは野太刀を振り上げ、脳天に当たるよう振りおろしていた。
「あっ………ぶねぇなぁ、こら!」
俺は無意味に怒りながらも受け身をちゃんととった。しかしさすがにパワー級、衝撃で吹っ飛んだ。
「こりゃ周りを走りまくるしかねぇなぁ………」
    そう言って走り出そうとした瞬間。
    コボルトロードは姿を消した。
    と言うのも、ワープしたのではない。
    コボルトロードの
「んな……!あの図体であの速さとか………反則的だろ!」
    ぎりぎり防いだが、これだと魔法も意味が無い。狙いが定まらないからだ。
「俺が足止めするか……それとも、マーリンに陽動をしてもらうか……」
    俺がそこから作戦を決めるのは早かった。
「俺が切りながら魔法を打ち込んでもらって、どっちかの攻撃でとどめを刺す……」
    要は二人共攻撃をするのだ。陽動も、囮もなしで。危険だがこれしかない。
「これがはえぇな………マーリン!」
「分かってる!私も今思いついた!」
    意見があっているなら話が早い。
「どぉうりゃ!うりゃ!うおぉぉお!」
    俺は連撃を繰り返した。だがそれも、コボルトロードには効いている様子もない。それでも攻撃し続けた。
「テンペスト!アイスドアース!フリージアサルト!アイス!」
    マーリンも魔法を繰り返していた。
    しかし……効いていなかった。
「……ハーデス!」
「大きな呪文だろ!分かってる!」
    だが、俺は分かっていなかった。
    コボルトロードの特性である、耐性を。その厄介さと恐怖を。
「おりゃ!うりゃ!どぉぉりゃ!うぉっ、やっぱはえぇ!」
    しかしそれを知らない俺は、攻撃し続けた。見事にヘイト値が俺に向いているらしく、コボルトロードは俺にばかり向いていた。
(これで倒せるといいが……そう簡単にはいかないだろ……)
    しかしこれで大幅に削れるだろうと予想していた。当たるといいが。
(しっかし………速くてダメージでかい割に、俺に当たる確率は低いな……会心率……いや、命中率が低いのか………これならくらいにくそうだ。死ぬ確率も下がるだろう)
    俺は攻撃を避けながら、一発ずつ攻撃していた。
(連撃が売りのクロスセイバーが1発ずつとはね……だからあまりダメージが入らないのかな)
    しかしそれならおかしなことがあった。クロスセイバーとしての職を全うできていない、だからダメージが低い、それならまだわかる。だが……。
(なんでマーリンのダメージが低いんだ?)
    そこが気になるところだった。
    まさか…………しまった!
    しかし、気づいたところで遅かった。もう魔法が放たれるところだった。
「いくよ!フリーズ……」
「やめろ!意味が無い!やめろぉぉお!」
「エクス……プロージョン!」
    どかーーーん!と音を立て、爆発が起こった。ただの爆発ではない。マーリンの得意とする属性、氷の爆発だ。爆発に触れた部分は凍っていた。
──だが、コボルトロードにダメージはほとんど入っていなかった。
    こいつは……防御が高いんでもHPが高いわけでもない。俺はその時悟った。
    なぜなら、俺の攻撃だともっとダメージが入っているのだ。職を全うしていない俺の剣撃が。職を全うしていて、かつ得意属性の魔法を放ったマーリンよりも。
    そしてそれはなぜか。俺はすぐにわかった。分からされた。
(こいつ………特性で……な)
    魔法完全耐性とは、魔法攻撃を9割軽減する特性。
    つまり、魔法攻撃は90%も軽減されるのだ。
    ただ魔法が軽減されただけならまだいい。
    ただ……ヘイト値が、俺のダメージよりも低い攻撃を与えたはずのマーリンに向いていたのだ。
(しまった………間に合うか!?)
    俺はマーリンの方向に走り出した。
──が、時すでに遅し。
    マーリンは、振り下ろされた野太刀の衝撃波に吹き飛ばされた。
「きゃぁぁぁあ!」
    悲鳴をあげながら、マーリンは飛ばされた。
「マーリン!大丈夫か!?」
    俺は走りながら無事を尋ねた。
    無事であるはずもないのに。
    コボルトロードは、マーリンの方向から俺の方に向き直し、野太刀を振りかぶった。
(やばい………ガードも間に合わない………くらう!)
    目を瞑った瞬間、横から衝撃波が飛んできた。ちなみにコボルトロードは、向き合ったである。
「………え?」
    しかしさすがの威力。喰らわなかったと安堵していた頃に衝撃波に飛ばされた。
「ぐあっ!」
    俺は気管支や肺を失った感覚に陥った。
(これは……内蔵が潰れた……?あの衝撃で?強すぎだろ……)
    こんなものをほぼ直でくらったマーリンはこれより酷いだろう。
    そこで俺らは力尽きた。
    もはや……死を覚悟していた。


    別の場所、地上では、一箇所にたくさんの人が集まっていた。そしてそれを利用して、うさぎ………『時計うさぎ』は人々に姿を現した。
「これはこれは皆様お揃いで」
    時計うさぎはそう言うと、深く頭を下げた。
「私は時計うさぎと申します。皆様に、このゲームについて、教えにまいりました。」
    何を言っているのだろうか。群衆(ここでは、地上にいる人たちのことを言う)はそう思った。
「皆様は、『Crowd』の参加者でございます。もちろん、戦う側ではございません。助けてもらう側でございます」
    訳が分からなかった。少なくとも、ほとんどの人はそう思っていたはずだ。
「Crowd はデスゲームでございます。プレイヤーが戦い、ボスを撃破すると地上は戻ります。しかし、全滅すると……」
    時計うさぎは……笑った。
「ここにいる皆様は大気圏を超えて
「…………はぁぁぁぁぁぁあ!?」
「今なんつった!?」
「ですから、プレイヤーが全滅いたしますと、皆様は死ぬのです。」
「プレイヤーって………誰だよ!」
「この領地ですと………学校に残ったものとかですかね」 
    学校に残ったもの。つまり、
「無理だ………勝てるわけがねぇ……」
「うわぁぁぁ!おしまいだ!」
みんなが口々に自分の死を宣言した。仕方がない、あの運動音痴たちだ。勝てるわけがない。
「皆様にはこのゲームを最後まで見守る義務があります。権利もあります。どちらを選ぶかは自由ですが、見守らなければ死んでも文句は言ってはいけません」
「なっ……わかった、見ようじゃねぇか!」
    一人の男がそう言った。どうやら覚悟を決めたようだ。
    時計うさぎはそれを聞き頷き手を出した。
    まるで、お盆を載せているかのように、綺麗に横を向いていた。
    すると突然……そこに大きなモニターが現れた。
「皆様はこれを使用してご覧頂きます。もちろんこちらの声は聞こえません。あちらの声はこちらに届きますが」
    つまり映像で分かれということだ。モニターが光り、画面が映し出された。
    その画面には………マーリンとハーデスが倒れている姿があった。
「マーリン様とハーデス様ですね……全滅、というわけではなさそうですが……」
「……どういう……?」
「あのふたりは死んでおりません。また、ハーデス様は…………まだ戦う意思があるようですよ」
    画面には開いていた手を動かし、握りこぶしを作っている古川……ハーデスが映っていた。


(ふざけんなよ……ここで終わるわけには……いかねぇんだよ!)
    ハーデスは意識が薄れようとしたとき、そう思った。
    そして……力を振り絞って…………立ち上がった。
「俺を……舐めんなよ……」
    小さな声でそう呟いた。
「俺は……ぜってぇ勝つ!」
    俺は喉を震わせ、そう叫んだ。
    それは虚勢ではなかった。
    真実にする確信があったのだ。
(なれてねぇがこの際仕方がねぇ………二刀流で行くか)
    ハーデスは立つのもやっとの状態だ。とても戦える様子ではない。だが、それでも諦めなかった。
    ハーデスは腰に手を回すと、剣を抜く動作をした。もちろん、剣はそこにはない。両方飛ばされた時に違う場所へ飛ばされた。
    だが、ハーデスの掌が光り……。
──その手には、剣の柄が握られていた。
「うぉあぁぁぁあ!」
    ハーデスは叫びながら剣を一気に引き抜いた。すると、ハーデスは片方の剣の先をコボルトロードに向けて、こう言った。
「悪いな、こっから先が本番だ……覚悟しろよ?」
    俺はそう言うと………跳んだ。
    そして………コボルトロードの後ろにたった。一瞬でそこまで行ったのだ。
ただ行っただけではない。
「ぐぎゃぁぁぁあ!」
    コボルトロードは悲鳴をあげた。
    ハーデスは跳んだ時に、一瞬で斬撃を繰り出していたのだ。
「こっからはひと味違うぜ?」
    そう言って、走り出した。
(体が………軽い!…しかも、ダメージも大きくなってる!これなら………いける!)
    自分でも驚いていた。
    まさか、こんなに強くなれてるとは思っていなかった。
    いや、一瞬で強くなって言ったというよりは………
『覚醒状態』そう呼ぶべき現象だった。
「おりゃーーー!」
    コボルトロードの近くに行き、連撃を繰り広げる。
    連撃数は10秒あたりの数で数えられる。そのうえ、連続していることが条件になる。
    俺の連撃数は………32である。
    ずぱずぱと敵の皮膚が切れる音がした。
「ぐぎゃ、ぎゃぁぁあおぉぉ!」
    コボルトロードは大きな悲鳴をあげた。
    コボルトロードのHPは………
    残り半分を切っていた。
    これなら勝てる……だが何かが足りない。そう思った時、自分の体が、闇に包まれ、しかし光っている感覚に陥った。
(なんだ……これは?)
    そしてそれに反応するように………
    剣が光り出した。
(これは………)
    俺はその言葉を知らなかった。だが、自然に出た。
「秘技・辻斬り!」
    そういった時に俺は瞬間移動をした感覚に陥った。
    後ろを見てみると………コボルトロードが倒れていた。
    倒れていた。
「やった………のか……?」
    俺はコボルトロードのHPを見た。
『0/68790』
    HPは………0だ。
「倒した………やった…………倒したぁぁぁぁあ!」
    様々な奇跡により、また、偶然により、コボルトロードを倒すことが出来た。それはもう、一番の嬉しいことだった。


「うおぉぉ!やったぁ!倒したぞ!古川が倒した!」
    男が叫んだ。
「これで先のステップに進めますね、ハーデス様。皆様も、首の皮一枚繋がったでしょう。」
    時計うさぎは冷ややかに、かつ感情的に言った。
(しかし、まさか力を解放するとは………流石に黒魔家末裔……すごい才能をお持ちだ。)
    そして地上ではその後………宴が始まった。


「ハーデス………やったね。すごいよ………」
    ハーデスはマーリンを起こし、共に歓喜した。
「これで先に進める。2層目………コボルトロードみたいなやつが来ないといいが………」
    しかしそれを決めるのは俺らではない。
    運営が決めるのだ。
    何が来ようと戦わねばならないだろう。
「とりあえず、少し休んで………進もうか。」
    それから2時間、2人は眠りに落ちていた。

    2人は起きてすぐに、奥へと出発した。
    部屋の奥はやはり階段になっており、どんどんと下っていった。
「またダンジョンかなー………やだなー………」
「仕方ないよ、ここを抜け出すには、みんなを助けるにはこれしかないんだから。」
    魔神を倒せ、そううさぎは言っていた。それならば倒せばみんなを助け出せるはずだと、結論を出した。
    それならば、進み続けよう、そうふたりは決心した。
    しばらく歩いた階段の先には、また道があった。しかもそれもまた………
「ダンジョンかぁ………」
    迷う。確実に。同じ方法は使うつもりだが………。
    とにかく歩こう。そう考え、ふたりは何時間も歩き続けた。
    が、ある事件が起きた。
「………あれ?おかしいぞ?」
「どうしたの?」
「いや………全部の道回ったのに、全部不正解だったんだ。」
    つまり、正解の道がなかったということだ。
「もう一個の道にあるんじゃないの?」
「いや、もう一個の道は………」
    Hardesは道を曲がる前にある立て札を見た。
    そこに書いてあった言葉は。
『出口←→浴場』
    と書いてあった。
    立て札が間違いだとしてもこちら側に浴場があるはずだ。
つまり。
    なかったということは、そっちが浴場なのだ。確かに、右の道からは暖かい空気がきていた。
    水蒸気がきていたのかもしれない。
「じゃあ、どうすればいいんだろう……」
    そう。おかしいのだ。
    どの道を行っても………出口は見つからないのだ。
    ──そこで俺はひとつ気づいた。
    うさぎの言葉を思い出していた。
『迷った時は突破口を頑張ってください』
    ──つまり。
    先に進めたら……どのような方法を用いてもいいという事だ。ならば、一つしかない。文字通り突破口を作る。
「マーリン、壁に向かって、小さな爆発魔法を使ってくれ。」
「えっ?」
「いいから。」
「わ、わかった」
    マーリンは、壁に向かって呪文を唱えた。
「フレイム……バースト!」
    マーリンの魔法は見事に壁をぶち抜いた。
これでよしだ。
「よし、いこう。」
「え?っちょっ、待ってよ!」
「ん?なんだ?」
「なんで壁くり抜いたの?」
「あいつ言ってたろ?突破口を作れって。ってことは穴を開ければいいのかなって。」
    謎理論である。しかしそれで道は開けたらしく、奥は光っていた。
「さて………行こうか!」
    俺達は先に進んだ。
    まだ見ぬ敵を見据えて。
    そして、確実なる勝利を見据えて。
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