愛されることを知らない僕が隣国の第2王子に愛される

鮎瀬ゆう

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 次の日。
 昨日、いくら怖い思いをしたって、眠れなくたって、僕が学生であることは変わらない。今日も、明日も、学園に通う日々。
 眠れないことは今までもたまにあることだから、それは特に問題ではない。問題は、昨日できた傷だった。いつもより傷が痛くて、どうしても授業に集中できなかった。腕が痛くて、字もうまく書けなかった。
 これでは、時間を無駄にするだけだ。良くないな、と思うが、どうしても集中はできなかった。

 お昼休み。いつもならあまり気にならない周りの音が気になって、静かなところに行きたいと、図書館へ向かった。

 お昼休みだからか、いつも来る放課後より人が少ない。図書館は、本や、紙のにおいがしてなんだか安心する。いつものところでご飯を食べようと椅子に座ったころ、ブライト先生が話しかけてきた。

「あれ、テオ君。お昼に珍しい。どうしたの?」
「ここで、お昼ご飯を食べようと思って」
「そっか。もしよければ僕と一緒に、あっちの部屋で食べない?」

 そう提案してくれた。僕は誰かと並んでご飯を食べるなんてことがないため、少し躊躇してしまったが、先生がせっかく提案してくれたから一緒に食べることにした。あっちの部屋、というのは先生がいつもいる図書館の一角の部屋のことだろうが、あそこは生徒が入ってもいいのだろうか。

「あの部屋って、入ってもいいんですか?」
「もちろん」
「ありがとうございます」

 先生の話し方は穏やかで、安心する。
 たくさんご飯があるわけではないし、昨日の傷のせいか、あまり食欲もないからすぐ終わるだろう。長居しなければ迷惑もたくさんかけずにすみそうだ。

「え、ちょっと待って。テオ君、お昼それだけ?」
「?はい」

 先生は驚いた顔をして僕のパンを指さして言う。

「いつもそれだけ?」
「……今日、は、いつもの半分です」

 いつもはパン1つだが今日はあまり食べられないとわかっていたから半分しか持ってきていなかった。でも、そんなに驚くことだろうか。毎食これだけ、ってわけではない。夜はもう少し食べているし、朝ももう少し食べてはいる。

「だから、そんなに細いの?育ち盛りなんだから、もっと食べないと……」
「お気持ちだけで十分です」

 そう言って先生は僕に自分のご飯を少し分けようとしてくれたが、断った。いつもなら、少しだけ、と言ってもらっていたかもしれない。先生はいつも僕に何かしらくれるし、受け取ると喜んでくれるから。
 でも、今日はもらっても食べられる気がしないから。断ると、先生はそっか、と言って少し残念そうにしていた。申し訳なく思いつつも、理由は言えない。
 先生は、僕が家でどんなことをされているかは知らない。話していないから。それでも、先生は僕の味方をしてくれる。きっと、僕の噂も知っているだろうに。本当に、どうしてなんだろうか。
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