愛されることを知らない僕が隣国の第2王子に愛される

鮎瀬ゆう

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間章6

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「それで、シエロは前からこそこそと何をやっているんだ?」
「ソラナ…」

 目の前に僕の顔とそっくりの人が立ちはだかる。
 僕と双子で、兄で、この国の第1王子。
 あの日から、調査に夢中でソラナには何も話していなかった。聞かれていないし、休日もリアムからの報告を聞くため寮を離れていたから。きっといつか話してくれるだろうと聞いてこなかったんだろうけれど。

「…話せば長くなる」
「あぁ、時間ならたっぷりある。それにお前の顔を変えた出来事を、私も知りたいんだ」

 この前もどこかの男にそうやって言われたな、と遠くの方で考えつつ、どうやって説明しようか頭を回転させた。

「なるほど。つまり、シエロは愛する男のために今奔走していると、そういうことだな」
「…愛しているって言っていいのか、わからないけど」

 最初、父に話した時も好いているのか聞かれたな、とそんなに時間がたった感覚はないが、どこか懐かしく思う。

「なぜだ?」
「いや、だって、あの日初めて会って、数時間話しただけだよ?それなのに」
「だからなんだ。そんなの関係ないだろう。私は話を聞いている限りだと、シエロはその彼のことを好いているように聞こえるが」

 関係ない、のかな。会ったのはあの時間だけだったけれど、それだけで、好き、だなんて、愛している、なんて言っていいのだろうか。
 確かに僕は、彼にずっと僕の隣にいてほしいって思っている。彼を守りたい。僕の隣で笑っていて欲しい。それに彼の隣も僕がいい。そこまで考えて、体が熱くなるのを感じる。

 そう、僕は、これから先ずっと、僕の隣にいるのは彼がいいと、彼じゃないと嫌だとそう思っているんだ。

 彼以外は嫌だ。絶対に。それに、彼の隣も、僕以外、絶対に嫌だ。そう思っている時点で、もう答えが出ているようなものだ。

「はは、その顔も、ずっと一緒にいるが初めて見たな」
「…からかうなよ」
「これからは胸を張って、好きだと言えよ。その方が、かっこいいだろ?」
「あぁ、そうだね。…ありがとう、ソラナ」
「礼を言われることはしていない」

 さて、そろそろ授業の時間だな行くぞとソラナが立ちあがり、僕もそれにならって立ち上がる。
 やっぱりソラナにはかなわない。人の心に真っ先に気づいて、導いてくれる。きっと立派な王になる。そんな男を僕はしっかり支えられる立場になれるように、もっと頑張らないといけないと自分に渇を入れた。
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