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間章7
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「アナベル伯爵家の調査ですが、すみません。うまくいかず…」
「そうか…いや、いい。いつもありがとう」
リアムから調査報告を受ける。しかしなかなか難航しているようで、思わしい結果は得られなかった。
「少なからず、あの家族に対してよく思っていない平民はいるようでした。ですが、大体が当主やその奥さん、娘の話しか出てきません。面白いくらいに息子の話は出てきませんね。出てきても噂しかありません」
「…やはりそうか」
「以前、その屋敷で使用人をやっていたという人にも少し接触できたんですけど、詳しくは聞けませんでした。その話題を避けているようにも見えました」
口止めでもされてるんですかね、と難しい顔をしたリアムがつぶやく。そんなことだろうとは思っていたが、やっぱり話さないか。
おそらく、リアムの言う通り、内部のことについては口止めされているのだろう。そもそも、自分の仕えていた家のことをぺらぺらと話されてはどんな家でも困る。そこは規則を守るようなきちんとした人を雇っていたんだなと感心するが、きっとそういう人だったからこそ耐えられなかったんだろうとも思う。
「殿下が知りたいのは、この伯爵家の息子のことですよね?年齢的にも」
「あぁ」
「その子がそろそろ通い始める学園がどこかはわかったんですけどね…」
それを聞いてあることを思いついた。
正直、自分より先にリアムがあの子の側に行くことは嫌だ。でも、もしかしたら、リアムがあの子の力になるかもしれない、支えになるかもしれない。本当は僕が側で支えになりたい。僕の心はずっと彼の隣にいるつもりだけれど、彼もそう思ってくれているとは限らない。だったら、リアムが支えになってくれれば、そうすれば、少しでも独りだと思う時間が減る。だったら、自分の気持ちより、彼の心が少しでも軽くなれば、僕はそれでいい。それがいいから。
「リアム、ひとつ提案がある」
「…何でしょうか」
「彼が通う予定の学園に先生として行ってくれないか?」
「…はぁ」
ため息をつきつつ、そんなことだろうと思いました、とでも言いたげな顔をしてリアムが言う。
「すぐには無理ですよ」
「…やってくれるのか?」
「資格もないですから、そこからですからね。あんまり期待はしないでくださいよ」
「ありがとう」
本当にリアムには頭が上がらないな。これは報酬も弾まなせないといけない。
「この先、調査は一旦中止だ。試験勉強に専念するように」
「言われなくても、両立なんて器用なこと俺にはできませんよ」
「なにか手伝えることがあれば言ってくれ」
そんな謙遜をしているが、リアムであれば両立できてしまうだろう。だからこそ、あえて言ったのだ。今は試験勉強に集中してほしい。
この間に彼のことを知れないが、もう今のままでは知れることも少ないだろう。リアムが今の時点でできる調査は十分してくれた。
人に頼ってばかりで、僕は何もできていないな、と落ち込む。僕は、僕にできること。目の前のことに力を注ぐしかないとわかっていても、僕は彼のために何かできているだろうかとふと考えてしまう。
「大丈夫ですよ。殿下には殿下にしかできないことがあるんですから」
「…人の心を読むな」
人に言われると心が軽くなるのは、どうしてだろうか。
そうだ。こんなところで落ち込んでいる場合ではない。彼だって、今、この瞬間頑張っているんだ。今は僕にできることを。そして、彼に再会するときに胸を張って、会えるように。頼れる人になれるように、頑張ろう。
「そうか…いや、いい。いつもありがとう」
リアムから調査報告を受ける。しかしなかなか難航しているようで、思わしい結果は得られなかった。
「少なからず、あの家族に対してよく思っていない平民はいるようでした。ですが、大体が当主やその奥さん、娘の話しか出てきません。面白いくらいに息子の話は出てきませんね。出てきても噂しかありません」
「…やはりそうか」
「以前、その屋敷で使用人をやっていたという人にも少し接触できたんですけど、詳しくは聞けませんでした。その話題を避けているようにも見えました」
口止めでもされてるんですかね、と難しい顔をしたリアムがつぶやく。そんなことだろうとは思っていたが、やっぱり話さないか。
おそらく、リアムの言う通り、内部のことについては口止めされているのだろう。そもそも、自分の仕えていた家のことをぺらぺらと話されてはどんな家でも困る。そこは規則を守るようなきちんとした人を雇っていたんだなと感心するが、きっとそういう人だったからこそ耐えられなかったんだろうとも思う。
「殿下が知りたいのは、この伯爵家の息子のことですよね?年齢的にも」
「あぁ」
「その子がそろそろ通い始める学園がどこかはわかったんですけどね…」
それを聞いてあることを思いついた。
正直、自分より先にリアムがあの子の側に行くことは嫌だ。でも、もしかしたら、リアムがあの子の力になるかもしれない、支えになるかもしれない。本当は僕が側で支えになりたい。僕の心はずっと彼の隣にいるつもりだけれど、彼もそう思ってくれているとは限らない。だったら、リアムが支えになってくれれば、そうすれば、少しでも独りだと思う時間が減る。だったら、自分の気持ちより、彼の心が少しでも軽くなれば、僕はそれでいい。それがいいから。
「リアム、ひとつ提案がある」
「…何でしょうか」
「彼が通う予定の学園に先生として行ってくれないか?」
「…はぁ」
ため息をつきつつ、そんなことだろうと思いました、とでも言いたげな顔をしてリアムが言う。
「すぐには無理ですよ」
「…やってくれるのか?」
「資格もないですから、そこからですからね。あんまり期待はしないでくださいよ」
「ありがとう」
本当にリアムには頭が上がらないな。これは報酬も弾まなせないといけない。
「この先、調査は一旦中止だ。試験勉強に専念するように」
「言われなくても、両立なんて器用なこと俺にはできませんよ」
「なにか手伝えることがあれば言ってくれ」
そんな謙遜をしているが、リアムであれば両立できてしまうだろう。だからこそ、あえて言ったのだ。今は試験勉強に集中してほしい。
この間に彼のことを知れないが、もう今のままでは知れることも少ないだろう。リアムが今の時点でできる調査は十分してくれた。
人に頼ってばかりで、僕は何もできていないな、と落ち込む。僕は、僕にできること。目の前のことに力を注ぐしかないとわかっていても、僕は彼のために何かできているだろうかとふと考えてしまう。
「大丈夫ですよ。殿下には殿下にしかできないことがあるんですから」
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そうだ。こんなところで落ち込んでいる場合ではない。彼だって、今、この瞬間頑張っているんだ。今は僕にできることを。そして、彼に再会するときに胸を張って、会えるように。頼れる人になれるように、頑張ろう。
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