OLD FASHION

フランク太宰

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フランク シナトラは川端康成の夢を見る

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 しばらくして
 「嗚呼、わかったよ」 
 「本当にわかったの?」
 「なんなら、小指を切断して、写真贈ろうか?」
 「あー本当に貴方って気持ち悪い。なんで貴方なんかと結婚してたんだろう」
 「君は悪くないよ、全部、俺が悪い、すまないと思ってる」
  
 そこで相手は通話を一方的に切った。
   別に構わないよ、なにも話すことなんて無いんだ。
二人の会話は北欧の湖に沈んで、氷河期の訪れのせいで、凍結された。
二度と溶けることはないんだ、
少なくとも灼熱の太陽が地球を呑み込むまでは。
  そういえば、数年前に彼女と東北の雪国に行った、"トンネルの先はなんとやら"で雪国は確かに白銀に輝いていた。
凍った湖の上に立つ彼女は絵画の中の動かないヒロインのようだった、美しくていとおしい。そんな彼女が一時期は僕の胸の中に居たんだ。
幸せな時代の思い出、懐かしさに胸が痛む。
 そう、それで彼女とは南の果てにも行ったことがある、その時は.....

 「すいません、S先生でしょうか?」
若い艶の有る声が耳に降り注いだ。
振り向くと、そこには女子大生であろう、若い少女(この年になれば、女子大生も31才のアパレル店員も少女に違わない)が立っていた。
 「ええ、一様ね、君は?」
 「私、T大学の学生なんですが、昔から先生のファンでして、すみません声かけてしまいました」
彼女は緊張からか挙動不審に見えた。
 目鼻立ちのはっきりした、綺麗な顔をした少女だった。頬がプッくらと膨らんでいて、昔(古代)のアイドルの誰かに似ていた。
それに胸も大きくスタイルもいい、背も高すぎず低すぎずだ。
 「そう、それは有り難う。まぁ、そんな緊張せずに、ここの席に座ったらいいよ」
「いや、でも、お邪魔ではないんですか?」
 「いや、今、新しい話の構想を練っているんだけど、中々、難しくてね。でも、ここは喫煙室だから移動した方がいいかな」
「いえ、私も煙草は少し吸うので」
「以外だね」
「そうですかね、先生の影響かもしれません、先生の作品には煙草の描写が多いですから」
彼女は笑いながら言った。
「はは、それは悪い癖を付けてしまった責任は、僕に有るのかな?ところで君はさっきの僕の電話は聴こえていた?」
彼女は少し申し訳なさそうに言った
「ええ、少し聞こえてしまって、何か少し言い争っているようでした」
   男は白々しく答える
「編集者と上手くいってなくてね、楽な仕事なんて無いよね、まったく」
 
 
 
 
 
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