野球部エースの尻から目が離せない

motoi

文字の大きさ
37 / 37

37.ふたりひとつ

しおりを挟む



 仰向けになった三田は、脚を広げ、尻の穴をひろげるように待ち構えた。


 俺は血が張って上を向いている陰茎を握り、その穴の方へどうにか誘う。ゴムはつけてない。

「挿れるよ」

「おう」


 穴は充分に解れている。
 ヒクヒクと三田の呼吸に合わせて、動いていた。

 鬼頭を何度か穴に擦る。


「ゆっくり、やるから。痛かったら言ってね」
「お、おう」


 そう言いつつ、俺もそんなに余裕はなかった。

 少し挿れただけで、未だかつて感じたことのない柔らかい感触に、今にでも果てそうになっていた。



 呼吸を整えて、体を近づけていく。



 穴の中は温かくて、そして狭かった。

 ぐっと力を入れて、奥へ進む。


「っあ・・・・・・」


 三田が小さく声をあげた。


「大丈夫?」

 俺は心配になって、動きを止める。




「・・・・・・うん、もうちょっと。・・・・・・もうちょっと・・・・・・・・・・・・奥まで」



 三田がそういうので、俺は呼吸を浅くして、より奥に挿れた。

「っん・・・・・・」



 奥のほうに、鬼頭の先が触れる。

 陰茎がすべて収まると、しばらくお互い動けなかった。




 俺は中のあまりの感覚に、少しでも刺激が与えられたらイってしまいそうだった。


 三田も顔を歪みながら、息を整えている。



「やっぱ、ちょっときついね」

「うん」


 腰を動かせない代わりに、俺はゆっくりと身体を前に倒し、三田の身体に自分の身体をくっつけた。

 

「三田の心臓、すごいドキドキしてる」

「祐樹も」




 こうしてると、心臓の音が重なって、2人が一つの生き物になったみたいだった。




「祐樹・・・・・・キスして」

「ん」



 互いの体温を感じながらするキスは、想像以上だった。

 


 2人の体液が溶け合って混ざり合っていく。
 それを全身で感じた。




「ちょっと、動くね」

「う、うん」



 三田の柔らかい体に身を預けたまま、腰をゆっくりと動かしていく。




「んっ・・・・・・んっ・・・・・・」




 奥を衝くたびに、三田が小さく喘いでいるのが耳元で聞こえた。

 

 体温が混じり合う。
 セックスがこんなにも気持ちいいなんて知らなかった。





「祐樹・・・・・・俺、もう・・・・・・」

 



 三田は広げて宙に浮いた脚を俺の背中に回した。グッと身体の密着度が上がる。






「俺、祐樹がいないと生きていけないかも」







 三田の切実な声が俺の鼓膜を震わせた。
 

 俺は、躊躇なく口を開いた。





「ずっと一緒にいるから」



 三田はパッと目を見開いた。




「本当?」




 不安と期待が混ざったその顔は、初めて見る顔だった。

 野球部エースを、三田はずっと背負ってきたんだ。

 それを思うと、三田が愛しくて仕方なかった。




「本当だよ」



 俺はその言葉がどうにか三田の中まで届くように、さっきより深くキスをした。


 同時に、三田の奥深くに腰を入れる。
 三田の手に、自分の手を絡めた。


 そのまま、どこまででもいけそうな気分だった。
 



「俺、もうヤバいかも・・・・・・」





 そういうやいなや、俺は我慢もできず、三田の中で、果ててしまった。


 挿れたまま、ぐったりと三田の上に倒れる。
 身体は汗でべたべただった。





「ごめん・・・・・・我慢できなくて」

「・・・・・・俺も」




 よく見ると、三田のお腹の上に白い液体が溜まって、小さな水溜りができていた。



 ほとんど同時に三田も、果てたらしい。




 2人は疲れ果て、そのままベッドで横になった。

 仰向けで、天井を見つめる。


 外は陽が暮れかかっていた。窓から漏れる光が、弱く煌めく。



「祐樹がさ、俺のケツ見てるって気づいたとき・・・・・・なんとなくこうなるって思ってたんだ」



 三田は天井に手のひらをかざした。
 何もない空を掴むように、ぎゅっと手を握る。




「具体的に、どうとかじゃないけど。祐樹のために、俺のケツはあるんだろうなーって」


「えー、なんだよ。それ」




 俺は冗談っぽく、適当に返した。
 その反面、どこか俺も、あのとき、そんな予感がしていた。

 初めて、三田のケツに視線が釘付けになったあの日。


 そして、それからの日々は予感を超えて、ずっと想像以上だった。




「あのとき、目を逸らさなくて良かった」




 遠回りしても、上手くいかなくても、最初の衝動だけが、俺らの関係を最後まで繋いでくれた。




「あのとき、三田のケツを見てて良かった」



 祐樹はすぐ隣にある温もりにそっと手を伸ばした。そして、その臀部をそっと撫でた。



「変態」


 三田が茶化したように笑う。
 それはいつもの自信に満ちた表情だった。



 俺も笑って答えた。

「変態でもいいよ」



 あのとき、手が届かなかったものが、今ここにある。


 その奇跡を噛み締めるように、祐樹は三田の尻をぎゅっと掴んだ。
























しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

水泳部合宿

RIKUTO
BL
とある田舎の高校にかよう目立たない男子高校生は、快活な水泳部員に半ば強引に合宿に参加する。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

寮生活のイジメ【社会人版】

ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説 【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】 全四話 毎週日曜日の正午に一話ずつ公開

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...