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第一章.はじまり
人類アンチ種族神Ⅴ《対決⑮ 大規模攻勢_7》
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この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
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池袋周辺の私有シェルターの一つに、自衛隊の車列は接近していた。
目視でも変わり果てた池袋の駅前が確認できる距離だ。
私有シェルターの民間人を保護するための耐熱装甲車3台。その装甲車を守るための戦車3台、対空対地迎撃車両が4台、索敵用のドローンベースが1台で構成された。救護小隊が車列を離れ私有シェルターの方向へ向かい出した。
その後方には、万が一の備えとして、さらに戦車2台、対空対地迎撃車両2台、耐熱装甲車2台の護衛部隊も距離を取って続く。
その時、ドローンベースから発進した索敵ドローンに異変が起こる。
池袋の少し奥、瓦礫の多い地域を中心として扇状にドローンが次々と応答不能となったのだ。
足立昭介は即座に、部隊の前進を止め、遠距離から望遠レンズを使って扇状の発生源を確認する。
そこにいたのは、通常のUFBよりも一回り大きく、強い熱源を発する1体のガーゴイルであった。
そう。ベルガンである。
副長の仲原香三佐が、本能的に危険を察知すると、すぐに足立に進言する。
「隊長!あれは普通じゃないです!一旦防御陣形に戻しましょう!」
足立が返答をしようとした刹那。
ベルガンの固有技「ファイアバレット」が火を吹いた。
深紅の炎が自衛隊に猛烈な速度で接近する。
「退避!」
足立の指示が飛ぶ。
だが、指示と同時に深紅の炎は救護小隊、そして後方の護衛部隊を飲み込む。
各車両は、耐熱装備に助けられながら一斉に進路反転を開始する。
だがベルガンのファイアバレットはこれでは終わらなかった。
深紅の炎はやがて赤みが抜けていく。そして次第に青く、やがて透明度の高い青へと変わっていった。
これは燃焼効率の上昇意味する。
当初、数百℃であった炎は瞬く間に1200℃まで上昇し、車両の限界温度を超えていく。
足立や仲原がいる後方でもその閃光は確認できるほどで、足立は何度も無線を取る。
「退避!退避!!!全軍退避!、ポイント120まで撤退だ!!!」
その声は救護小隊、そして後方の護衛部隊には届かなかった。1200℃の高温は車内の人命を一瞬で焼き払い、兵器の弾薬に誘爆する。
「ボン」・・・「ボボン」
そこかしこで、自衛隊の車両が爆発して停止する。
その被害は護衛部隊のさらに後方、自衛隊の車列本体の一部にも及ぶ。
転回するも余裕もない車両は、全速力で後退を始める。
だが、青い炎に飲まれた兵器は数秒で「ボン」と音を立てて炸裂してしまった。
足立は茫然としていた。
ーー何が起きたんだ?
その様子をみた仲原三佐が、声を張る
「状況報告!ダメージコントロール!ポイント120まで後退!急いで!」
仲原の声で我に返る足立。
無線のチャンネルを防衛大臣に変更するとすぐに報告する。
「正体不明のUFBが出現。数1!強い高熱を広範囲に展開中!救護小隊、および、護衛部隊は全滅。本体車列にも被害が出ており状況確認中!」
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
同時刻 内閣シェルター作戦司令部。
大仲は津田と目を合わせていた。舞岡議員は力なく崩れ落ち天井を仰いでいる。
口火は大仲が開いた。
「UFBの将が城にはいなかった。この規格外の強さ、UFBの王とみて間違いないでしょう。やはり防衛拠点を作るべきだった。早計な判断で多くの自衛隊が一瞬で・・・」
そういうと、力なく席を立ち上がるとフラフラと司令部の出口へ向かっていた。
津田は直ぐに察し、声を張り上げる。
「防衛大臣 大仲晴彦!戦闘継続中だぞ!席に戻れ!指揮を取れ!」
しかし反応はない。ふらふらと出口へ向かう。
津田も席を立ちあがると、床に座り込んでいる舞岡を足で払いのけ、大仲の襟首をつかむ。そして渾身の力を込めて持ち上げると大仲を大臣の席へ投げとばした。
「防衛大臣は貴方だ!これ以上の被害を食い止めるのは誰の仕事だ!」
投げ飛ばされた衝撃と、津田議員から聞いたことがない叱責で大仲は我に返る。
「すみません。ありがとうございます」
そういうと大臣席に座り、無線を取る。
「足立、仲原、埼玉まで撤退できそうか?」
ノイズ交じりの無線から足立の声が返ってくる。
「撤退中にもう一度今の攻撃を受ければ全滅です。仲原の解析では炎の射程は縦方向には長いものの、横幅は広くありません。広く散会陣形をとり、迎撃を進言します。動ける被弾車両はその間に埼玉へ撤退させます」
大仲は一瞬目を閉じて決断する。
「わかった。頼む、一人でも多くの命を守ってくれ!」
「当然です!私と仲原で命に代えても、損害は最小限にして見せます!」
そのやり取りの中、偵察部隊からの無線が割って入る。
「先ほどのUFB特殊個体が移動開始、こちらに向かっている模様です!」
再び緊張が走る
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池袋周辺の私有シェルターの一つに、自衛隊の車列は接近していた。
目視でも変わり果てた池袋の駅前が確認できる距離だ。
私有シェルターの民間人を保護するための耐熱装甲車3台。その装甲車を守るための戦車3台、対空対地迎撃車両が4台、索敵用のドローンベースが1台で構成された。救護小隊が車列を離れ私有シェルターの方向へ向かい出した。
その後方には、万が一の備えとして、さらに戦車2台、対空対地迎撃車両2台、耐熱装甲車2台の護衛部隊も距離を取って続く。
その時、ドローンベースから発進した索敵ドローンに異変が起こる。
池袋の少し奥、瓦礫の多い地域を中心として扇状にドローンが次々と応答不能となったのだ。
足立昭介は即座に、部隊の前進を止め、遠距離から望遠レンズを使って扇状の発生源を確認する。
そこにいたのは、通常のUFBよりも一回り大きく、強い熱源を発する1体のガーゴイルであった。
そう。ベルガンである。
副長の仲原香三佐が、本能的に危険を察知すると、すぐに足立に進言する。
「隊長!あれは普通じゃないです!一旦防御陣形に戻しましょう!」
足立が返答をしようとした刹那。
ベルガンの固有技「ファイアバレット」が火を吹いた。
深紅の炎が自衛隊に猛烈な速度で接近する。
「退避!」
足立の指示が飛ぶ。
だが、指示と同時に深紅の炎は救護小隊、そして後方の護衛部隊を飲み込む。
各車両は、耐熱装備に助けられながら一斉に進路反転を開始する。
だがベルガンのファイアバレットはこれでは終わらなかった。
深紅の炎はやがて赤みが抜けていく。そして次第に青く、やがて透明度の高い青へと変わっていった。
これは燃焼効率の上昇意味する。
当初、数百℃であった炎は瞬く間に1200℃まで上昇し、車両の限界温度を超えていく。
足立や仲原がいる後方でもその閃光は確認できるほどで、足立は何度も無線を取る。
「退避!退避!!!全軍退避!、ポイント120まで撤退だ!!!」
その声は救護小隊、そして後方の護衛部隊には届かなかった。1200℃の高温は車内の人命を一瞬で焼き払い、兵器の弾薬に誘爆する。
「ボン」・・・「ボボン」
そこかしこで、自衛隊の車両が爆発して停止する。
その被害は護衛部隊のさらに後方、自衛隊の車列本体の一部にも及ぶ。
転回するも余裕もない車両は、全速力で後退を始める。
だが、青い炎に飲まれた兵器は数秒で「ボン」と音を立てて炸裂してしまった。
足立は茫然としていた。
ーー何が起きたんだ?
その様子をみた仲原三佐が、声を張る
「状況報告!ダメージコントロール!ポイント120まで後退!急いで!」
仲原の声で我に返る足立。
無線のチャンネルを防衛大臣に変更するとすぐに報告する。
「正体不明のUFBが出現。数1!強い高熱を広範囲に展開中!救護小隊、および、護衛部隊は全滅。本体車列にも被害が出ており状況確認中!」
◆◆◆ ◆◆◆ ◆◆◆
同時刻 内閣シェルター作戦司令部。
大仲は津田と目を合わせていた。舞岡議員は力なく崩れ落ち天井を仰いでいる。
口火は大仲が開いた。
「UFBの将が城にはいなかった。この規格外の強さ、UFBの王とみて間違いないでしょう。やはり防衛拠点を作るべきだった。早計な判断で多くの自衛隊が一瞬で・・・」
そういうと、力なく席を立ち上がるとフラフラと司令部の出口へ向かっていた。
津田は直ぐに察し、声を張り上げる。
「防衛大臣 大仲晴彦!戦闘継続中だぞ!席に戻れ!指揮を取れ!」
しかし反応はない。ふらふらと出口へ向かう。
津田も席を立ちあがると、床に座り込んでいる舞岡を足で払いのけ、大仲の襟首をつかむ。そして渾身の力を込めて持ち上げると大仲を大臣の席へ投げとばした。
「防衛大臣は貴方だ!これ以上の被害を食い止めるのは誰の仕事だ!」
投げ飛ばされた衝撃と、津田議員から聞いたことがない叱責で大仲は我に返る。
「すみません。ありがとうございます」
そういうと大臣席に座り、無線を取る。
「足立、仲原、埼玉まで撤退できそうか?」
ノイズ交じりの無線から足立の声が返ってくる。
「撤退中にもう一度今の攻撃を受ければ全滅です。仲原の解析では炎の射程は縦方向には長いものの、横幅は広くありません。広く散会陣形をとり、迎撃を進言します。動ける被弾車両はその間に埼玉へ撤退させます」
大仲は一瞬目を閉じて決断する。
「わかった。頼む、一人でも多くの命を守ってくれ!」
「当然です!私と仲原で命に代えても、損害は最小限にして見せます!」
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