人類アンチ種族神

緑茶

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第一章.はじまり

人類アンチ種族神Ⅴ《対決⑯ 大規模攻勢_8》

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この作品はフィクションです。実在の人物・団体・事件とは一切関係がありません。
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足立あだち昭介しょうすけ率いる「R連隊」は急速に接近するUFB特殊個体に対処すべく、散会陣形で待ち受けていた。

副長の仲原なかばらかおり三佐はこの短い期間でも、できる限りの情報を集めようと複数のドローンを使い、その挙動を分析した。

「足立隊長。特殊個体の速度ですが水平飛行で時速80kmです」

足立が報告を聞き、仲原に目線を向ける。

「はい。どうやら我々を見失ったようです。先ほどの熱線で破損した戦車の黒煙も視界を遮っています」

「仲原、後方のロングレンジ・レールガンに座標を送れるか?」

「可能です。特殊弾で焼き払いますか?」

「手札としては持っておこう。だが、UFBの王の武器は熱線だ。当然自身の耐熱性能も高いと見よう」

◆◆◆  ◆◆◆  ◆◆◆  ◆◆◆

同時刻 ベルガンの視点

ーーチッ。味方の損耗が早くファイアバレットの出力は40%といったところか。
ーーどこまで破壊できた?

ベルガンは眼下に映る自衛隊の兵器の残骸を眺めつつ、残敵を探していた。

しばらくすると、ふと残骸が途切れる。

ーーここまでか。全滅させたのか?
ーーいや、それにしては綺麗すぎる。半壊車両の一つもないなんてことはあり得るのか?ここまで距離が離れればファイアバレットの威力も相当低下しているはず。

ベルガンがあたりを見回していると、1機のドローンを発見する。

ーーまた羽虫か。

しかし、驚くことにその羽虫はベルガンに語り掛けてきた。

「私に敵意はない。私は自衛隊R連隊隊長、足立である。なぜ我々を攻撃する。話し合う余地はないのか?」

ーーほう。この羽虫が人間どもの隊長か。

ベルガンは羽虫に近寄ると答える。

「貴様らに名乗る名はない。貴様らを攻撃する理由だと?目障りだからだ。虫ケラごときが私と話し合うなど思いあがるな!」

そういうと、高速回し蹴りでドローンを破壊してしまう。

3秒間ほど、ドローンが落下する音だけがその場を支配した。

だが次の瞬間、瓦礫の陰から自衛隊の攻撃が始まった。

「ドドドドン」

ベルガンの背中に数発命中する。

その衝撃で体勢を崩すベルガンに、別の方角から再び攻撃が降りかかる。

ベルガンの体は戦車よりも硬い皮膚に覆われている。だが、対戦車を想定した弾丸の直撃は、一定のダメージをベルガンに与える。

数発被弾したベルガンは、素早く上昇すると攻撃の発射地点を探しだす。

「そこか!」

急降下で自衛隊車両を襲うベルガン。その強襲速度は通常の滑空ではない。エーテルを推進力に変換した超高速滑空である。

ベルガンはその勢いのまま自衛隊の兵器の外装を突き破る。

生き残った隊員が武器を持ち銃口を向けるが、ベルガンを捉えることなどできようもない。銃を構えた瞬間に首をはねられ視界が回転し、落下する。

通常のガーゴイルでも近接戦では自衛隊を圧倒する。これがベルガンとなれば一方的な蹂躙じゅうりん。狙われた車両は確実に乗員ともども破壊されていく。

だが自衛隊側も車両を遮蔽物に隠したり、バルーンダミーという車両型の風船を使ってベルガンをかく乱する。

ベルガンは自衛隊の兵器に接近する必要がある以上、ある程度の行動を予測されてしまう。1発のダメージは少ないものの、何度も被弾しているとベルガンにも変化が起こる。

それは偶然の一撃から始まった。10台以上の自衛隊の兵器を破壊したベルガンが索敵のために高度を上げた。

その時、側面から自爆型ドローンがベルガンの翼に直撃する。自爆型ドローンが装備しているのは例の高熱反応を起こす特殊弾である。

直撃を受けた翼には亀裂が走り一部が溶け、ベルガンの機動性を奪った。被弾した左翼が思うように動かないベルガンだったが、それでも自衛隊への攻撃には支障はなかった。

「いてええなあ!おい!万倍にして返してやるよ!」

そう吠えると、ベルガンは次々と自衛隊の兵器を狙う。

やがて変化が起こる。攻撃が左側からばかり狙われるようになったのだ。ダメージを受けた左翼は、ベルガンの左側への旋回能力を制限する。

制限されると、軌道が大きくなり被弾する弾薬も増えていった。

また煙幕を巧みに利用され、左側の視界も封じられた。

「くそがあああ!こんなものを何度当てようと、俺様は止まらねえぞ!隠れているヤツラ全てを破壊するからなぁ!」

そういうと、なんとか接近した自衛隊の戦車を軽々と破壊し、再び上昇する。

再び、左側から幾重もの自衛隊の弾薬が飛んでくる。さすがのベルガンも学習し、さらに高度を上げてこれをかわす。

しかし、その行動は自衛隊に読まれていた。

左側にばかり気を取られていたベルガンの右側に、あの自爆型ドローンが炸裂する。

「ぐあああああ」

思わず声が出る。

もちろん致命的なダメージは受けない。だが、両翼を失ったベルガンは旋回するように高度を落とし、地面へ落とされてしまう。

そこへあの「灼熱の雨」が再び降りかかる。ベルガンは機動力を活かし、すかさず自衛隊と距離をとり被弾を回避した。

だが、距離を取ったことで、戦車の主砲がベルガンを捉える。

「ズゥゥン」

重たい炸裂音は、ベルガンへのダメージを物語る。

「くそぉぉぉぉ!」

大地を蹴り、灼熱の雨を迂回して迫るベルガン。捉えたと思った瞬間、戦車は仕込まれていたTNT火薬によって自爆。

爆風と瓦礫がベルガンにさらなるダメージを与える。

それでもベルガンは止まらない。弾丸の角度から敵を割り出し1つ、また1つと自衛隊車両を破壊していく。

だが、それも長くは続かなかった。

埼玉シェルターに待機していた、数百の自爆ドローンがベルガンに対して攻撃を始めた。

翼を傷め、飛べないベルガンは辛うじて直撃は避けるがダメージは避けられない。これまで蓄積したダメージと合わせ、ベルガンの機動力と体力を確実に削っていた。

頭上からのドローンの自爆攻撃を避け、何とか距離を取ったベルガンだったが、そこには1台の破損した装甲車が置かれていた。

ドローンの追跡を逃れるため、この装甲車を盾にすべくベルガンが接近すると、その装甲車には大量のTNT爆薬が隠されており、自爆ドローンの攻撃で誘爆。

ベルガンは片足を失うほどのダメージを受け、地面にひれ伏した。

そしてベルガンが見たものは、20~30の自爆ドローンが自身に直進してくる光景だった。

この数の直撃には耐えられない。ベルガンは天に吠えた。
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