人類アンチ種族神

緑茶

文字の大きさ
35 / 46
第一章.はじまり

人類アンチ種族神Ⅴ《ターニングポイント①》

しおりを挟む
この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません。
-----------------------------------------------------------
大荻山おおぎやま剛三郎ごうざぶろうとベルガン・サーチが死闘を繰り広げていたころ、埼玉に避難したR連隊研究室では
偵察ドローンが撮影したリアルタイムの映像が、中央にある大型モニターに投影されていた。

それを、R連隊のUFB研究室の室長、変人研究者篠原しのはら涼音すずねはドローンを通して興味深く観察していた。

同席するのはR連隊隊長、足立あだち昭介しょうすけ仲原なかばらかおり三佐、そして防衛大臣の大仲おおなか晴彦はるひこである。


同席した彼らは饒舌に解析する篠原に驚愕していた。

篠原は足立に向かって様々な情報を語っていく

「あは!みてぇ!あの戦車ー!あれは既存のデータにはないですねぇ。あ!でもハッチの形状や装甲の傾向から、タラメアの戦車ですねぇーうわー。かっこいいですねぇ。無駄に大きくて重量があるあたり痺れますぅ」

大仲はこの一言でも血の気が引く

「ばかな!何で他国の戦車が東京の地下にあるんだ!」

篠原は大仲を視界の外でとらえながら、淡々と大仲に説明する。

「大臣。そんなの、あのシェルターにいる大荻山がタラメアとつながっていて、両者の信頼の証として売買されたのでしょう。自衛隊のデータベースにない車両なので、おそらく噂の24シリーズでしょう。車両上部に副砲を備えたオプション兵器が付いています。拡張性の高い戦車型新兵器。YA-24?みたいな名前じゃないですか?だとすれば、後ろにいる装甲車はYA-24とリンク可能な新兵器。装甲車タイプなのでDD-24ということです」

大仲は信じられないという面持ちで一言。

「YA-24、DD-24、大きな声では言えないが防衛相の情報機関が最近入手した呼称。なぜ・・・それを?」

篠原の意識は映像に戻り、大仲の質問は聞こえていない。すぐに足立への語り掛けに戻る。

「足立たいちょぉー!見てくださぁい!この副砲、UFBの行動を先読みして発砲してますぅ。このセンサーとしてドローンを飛ばして立体的に演算してるんですよぉ。なかなかの予測性能なのでぇ、I社製のCPU(P200)、メモリは1024GBといったところでしょうかぁ」

足立への言葉に大仲が反応してしまう。

「数秒の映像からスペックまで?いや、あってるのか?いや、分かったところで役に立つのか?」

篠原が面倒臭そうに答える

「大臣。あのですね。この子のCPUとメモリが分かれば、性能限界が分かります。性能限界が分かれば、それを超えてやれば異常を起こせます」

元自衛官の大仲大臣だったが、それでも飲み込めていない様子。
しぶしぶ篠原は解説する。

「大臣。えっと。この子はメモリは多く積んでいますが、CPUとのバランスは良くないです。多くのメモリを活かすためにはI社製よりもN社製のCPUが向いています。政治的にI社を選ばざるを得ないのでしょう。ここが弱点で、意図的に再計算を強要すれば折角のメモリも活かしきれずに頭脳が追いつかないのです」

見かねた足立が補足する。

「戦術としては陣形を連続的に変えたり、敵の知らない兵器や作戦を織り交ぜることで簡単に性能限界に達します。そうなれば処理速度が落ちて命中精度や照準速度が壊滅的に落ちます。対ドローン用の兵器でこの弱点は致命的。と篠原は言っております」


「なるほど!」

大仲と仲原三佐が同時に声を上げ、気まずい空気が流れる。

そんなことには興味がないのか、刻々と変化する大荻山と神の兵との戦闘に篠原の解説は止まらない。

「このUFBの特攻隊長くんは、別人?いや、サーチちゃんとの連携や行動の癖をみていると同一?身体能力が全然違ってるじゃない!うっはー!パワーよりも速度、柔軟性を上げてきたかんじぃ!面白ーい!」

今度は足立が即座に反応する

「能力が変わってる?どういうことだ?」

篠原は足立に体を寄せて説明する

「えっとですねぇ~。今まではぁパワーがあるもののぉ筋肉が硬いのでぇ一瞬だけ力をタメるような動きでしたぁ。でもぉ、いまのこの子はぁほらぁ移動もしなやかでぇ、加速力や機動力が1.5倍くらいになってますぅ」

「1.5倍、ただでさえ速いのに……」

足立の反応をみて篠原はさらに続ける。

「あは!サーチちゃん!きれいですねー!あの白いのがこの前、特攻隊長君を助けた防御膜ですねー!頑丈そうですが、一度消してしまうと再展開に時間がかかりますねぇ50秒位ですかぁ。あとぉ、あの防御膜はぁ長時間展開出来ないようですねぇ」

ここぞとばかりに仲原三佐が切り込んでいく

「いや、あの白いやつは上空で展開してから、一度も切れてないじゃないか!」

「・・・・」

「答えろ。私は一応三佐だぞ!」

「はいはい。よく見てください。確かに、展開していますが明らかに強弱あります。格闘技のガードと同じでダメージを受ける寸前に硬化して、安全なときは力が抜けています。ほら、彼をかばって後ろから直撃されたとき、貫通してますよね。あれは意識が彼に向いていてシールドが不完全だった証拠でしょう」

そういうと、すぐに足立の方に振り向いて話しと口調を戻す。

「それでぇ、あの防御膜ですがぁサーチちゃんの反応からぁ、ある程度の光、音、電波は通すみたいですぅ。あとぉ、映像から煙も一部貫通してますぅ。なのでぇ、あれは先に可燃性のガス系をぶつけてぇ引火させれば内部で大爆発。余裕で対応できそうですぅー」

足立の声が漏れる。

「すごい。リアルタイムで映像をみながら、ここまでわかるのか・・・?この子には一体どれだけの情報が見えているんだ・・・」

同じく大仲も言葉も出なかった。

戦いが凄惨な結果でおわり、一瞬の沈黙をやぶり一人の官僚がやってきた。

「大仲大臣!!緊急事態です!」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

いまさら謝罪など

あかね
ファンタジー
殿下。謝罪したところでもう遅いのです。

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢の慟哭

浜柔
ファンタジー
 前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。  だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。 ※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。 ※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。 「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。 「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。

学園長からのお話です

ラララキヲ
ファンタジー
 学園長の声が学園に響く。 『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』  昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。  学園長の話はまだまだ続く…… ◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない) ◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。 ◇なろうにも上げています。

ざまぁされるための努力とかしたくない

こうやさい
ファンタジー
 ある日あたしは自分が乙女ゲームの悪役令嬢に転生している事に気付いた。  けどなんか環境違いすぎるんだけど?  例のごとく深く考えないで下さい。ゲーム転生系で前世の記憶が戻った理由自体が強制力とかってあんまなくね? って思いつきから書いただけなので。けど知らないだけであるんだろうな。  作中で「身近な物で代用できますよってその身近がすでにないじゃん的な~」とありますが『俺の知識チートが始まらない』の方が書いたのは後です。これから連想して書きました。  ただいま諸事情で出すべきか否か微妙なので棚上げしてたのとか自サイトの方に上げるべきかどうか悩んでたのとか大昔のとかを放出中です。見直しもあまり出来ないのでいつも以上に誤字脱字等も多いです。ご了承下さい。  恐らく後で消す私信。電話機は通販なのでまだ来てないけどAndroidのBlackBerry買いました、中古の。  中古でもノーパソ買えるだけの値段するやんと思っただろうけど、ノーパソの場合は妥協しての機種だけど、BlackBerryは使ってみたかった機種なので(後で「こんなの使えない」とぶん投げる可能性はあるにしろ)。それに電話機は壊れなくても後二年も経たないうちに強制的に買い換え決まってたので、最低限の覚悟はしてたわけで……もうちょっと壊れるのが遅かったらそれに手をつけてた可能性はあるけど。それにタブレットの調子も最近悪いのでガラケー買ってそっちも別に買い換える可能性を考えると、妥協ノーパソより有意義かなと。妥協して惰性で使い続けるの苦痛だからね。  ……ちなみにパソの調子ですが……なんか無意識に「もう嫌だ」とエンドレスでつぶやいてたらしいくらいの速度です。これだって10動くっていわれてるの買ってハードディスクとか取り替えてもらったりしたんだけどなぁ。

悪役令嬢の騎士

コムラサキ
ファンタジー
帝都の貧しい家庭に育った少年は、ある日を境に前世の記憶を取り戻す。 異世界に転生したが、戦争に巻き込まれて悲惨な最期を迎えてしまうようだ。 少年は前世の知識と、あたえられた特殊能力を使って生き延びようとする。 そのためには、まず〈悪役令嬢〉を救う必要がある。 少年は彼女の騎士になるため、この世界で生きていくことを決意する。

傷物転生令嬢マグダリーナと原初の魔法使いエステラの幻想譚-女神とスライムの光とともに- (旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異

天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる―― ※他サイトでも掲載しています ※ちょいちょい手直ししていってます 2026.12.14 タイトル変更 旧タイトル:ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活

処理中です...