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変な男の人たち
金持ち
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大学生の時だった。
友達と4人でクラブに行った。
そこで外国人1人、日本人2人の3人組の男の人にナンパされた。
その3人組の男の人たちは英語で会話していて、そのうち外国人の男の人はサッカー選手とのこと。2人の日本人の男の人は海外留学していた時の友人だそう。
その後、クラブを出て7人で朝まで営業しているバーに行ってお喋りした。その時にみんなで電話番号を交換した。
その3人組の1人、聡さんという27才の人になぜかとても気に入られてしまい、友達も含め車で送ってくれることになった。
「ちょっと!ポルシェだよ」
友人が聡さんの車を見て言った。
英語ペラペラの高学歴、愛車は白のポルシェ、都内在住の桁違いの金持ち。そのハイスペックな聡さんからその後何度も電話がかかってきた。
しかし、私はこの聡さんに会う気がなかった。
ブサイクだからだ。
色白ぽっちゃり。小さな目。団子のような鼻。
いかにもいい物食べてます、って感じの覇気のないぷよぷよ具合。
正直、ルックスはマークの足元にも及ばず
リッキーにすら余裕負け。
億万長者の金持ちのブサイクと、貧乏人のイケメンなら
私は迷わず後者を選ぶ。
それくらいブサイクが嫌いだ。
聡さんが一生困らないくらいの金をくれたとしても断るだろう。
私はある意味、金目当てでブサイクや爺さんと結婚できる女の人を尊敬する。自分には死んでもそれはできない。
私は自分の中ではっきりと聡さんの誘いには乗らない、と結論が出ていたが
私の友人、久美子は違った。
聡さん達と会った時に友人の久美子もいたのだが、彼女は外国人サッカー選手、聡さん、聡さんの友達の3人全員と電話番号を交換していた。そして聡さんの車を見て「ポルシェだよ!」とテンション上がっていたのも久美子である。
自分に会おうとしない私とコンタクトを取るのを諦め、聡さんは久美子を使って私をおびき出そうとしていたのだ。
そんな汚いやり方に気づかず、私は久美子の「ご飯食べに行こう」という誘いにボーッとついて行ってしまった。
久美子は、私を誘えば某有名フレンチの食事をおごる、という聡さんの策略にまんまと引っかかってしまったのだ。
テレビや雑誌で有名な高級フレンチ。
ミーハーな久美子が好きそうな店だ。
そこで「ごめんねえ、聡さんがおごってくれるって言うから合流することになってるんだ」と、その時初めて私は「してやられた!」と気付いたのだ。
白のポルシェからおばけのキャスパーみたいなコミカルな男が降りてきた。
聡さんである。
間抜けなツラして笑っている。
その姿を見た瞬間、私は絶望した。
こいつと食事すんのか・・
それがフレンチであろうと何であろうと関係ない。
食欲が失せるとはこのことだった。
友達と4人でクラブに行った。
そこで外国人1人、日本人2人の3人組の男の人にナンパされた。
その3人組の男の人たちは英語で会話していて、そのうち外国人の男の人はサッカー選手とのこと。2人の日本人の男の人は海外留学していた時の友人だそう。
その後、クラブを出て7人で朝まで営業しているバーに行ってお喋りした。その時にみんなで電話番号を交換した。
その3人組の1人、聡さんという27才の人になぜかとても気に入られてしまい、友達も含め車で送ってくれることになった。
「ちょっと!ポルシェだよ」
友人が聡さんの車を見て言った。
英語ペラペラの高学歴、愛車は白のポルシェ、都内在住の桁違いの金持ち。そのハイスペックな聡さんからその後何度も電話がかかってきた。
しかし、私はこの聡さんに会う気がなかった。
ブサイクだからだ。
色白ぽっちゃり。小さな目。団子のような鼻。
いかにもいい物食べてます、って感じの覇気のないぷよぷよ具合。
正直、ルックスはマークの足元にも及ばず
リッキーにすら余裕負け。
億万長者の金持ちのブサイクと、貧乏人のイケメンなら
私は迷わず後者を選ぶ。
それくらいブサイクが嫌いだ。
聡さんが一生困らないくらいの金をくれたとしても断るだろう。
私はある意味、金目当てでブサイクや爺さんと結婚できる女の人を尊敬する。自分には死んでもそれはできない。
私は自分の中ではっきりと聡さんの誘いには乗らない、と結論が出ていたが
私の友人、久美子は違った。
聡さん達と会った時に友人の久美子もいたのだが、彼女は外国人サッカー選手、聡さん、聡さんの友達の3人全員と電話番号を交換していた。そして聡さんの車を見て「ポルシェだよ!」とテンション上がっていたのも久美子である。
自分に会おうとしない私とコンタクトを取るのを諦め、聡さんは久美子を使って私をおびき出そうとしていたのだ。
そんな汚いやり方に気づかず、私は久美子の「ご飯食べに行こう」という誘いにボーッとついて行ってしまった。
久美子は、私を誘えば某有名フレンチの食事をおごる、という聡さんの策略にまんまと引っかかってしまったのだ。
テレビや雑誌で有名な高級フレンチ。
ミーハーな久美子が好きそうな店だ。
そこで「ごめんねえ、聡さんがおごってくれるって言うから合流することになってるんだ」と、その時初めて私は「してやられた!」と気付いたのだ。
白のポルシェからおばけのキャスパーみたいなコミカルな男が降りてきた。
聡さんである。
間抜けなツラして笑っている。
その姿を見た瞬間、私は絶望した。
こいつと食事すんのか・・
それがフレンチであろうと何であろうと関係ない。
食欲が失せるとはこのことだった。
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