氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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SS置き場

お気に入り500人突破記念♪感謝のSS ~観察日誌はこうして出来た~

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 エヴァンス家には現在日誌が二つある。

 一つは業務日誌で、気になる場所や、気付いた事、近々買い換えた方がいい物等様々な内容だ。

 そしてもう一つは、お嬢様観察日誌。その日のリラの言動や、興味を抱いたであろう物等、リラに関する事を思いの儘に書き連ねる物で、使用人達のリラ愛で溢れたリラ自慢と言っていいような物だろう。

 元々、こんな物は無かったのだが、新しく採用されたリラの新米侍女が『今日のお嬢様、こんな事してあんな事して、とても可愛かったです!』と、胸の内に納めておく事がどうしても出来ずに業務日誌にこそっと書いた所、『もっと詳しく!』『庭ではこんな事があったぞ!』『ここではこうだ!』と書き込みが続き、みるみる内にページを埋め尽くす。

 執事までもがグルになり、誰も止めずに日誌を消費していると、あまりの減りの早さにジーンが疑問を抱き、これまでの日誌を提出させて内容を確認。

 最初の方は普通の業務内容だったが、途中からは、リラの事ばかりになっている。

 業務日誌がそれではいけない。だが、リラのその日の出来事や言動を記した物は取って置きたい。


「業務日誌とリラに関する日誌を分けて書くように。それと、最初に書いたこの侍女には特別手当を。リラの日誌は、僕も読めるような場所に保管して。リラにはバレない場所でだよ?後、保管場所に困るようなら棚を買うなり作るなり、好きにして良いから、費用はちゃんと要求してね」


 たまに、自分達がやり出した事だからと自費を出す者もいるから、必要経費と言っておく。でなければ、自らの楽しみを減らしてまでリラに使おうとするからだ。

(リラが好かれるのは良い事だ。だけど、その為に使用人が犠牲になる事を、リラは望まないからね)

 そしてその日誌により、リラがジーンと踊る為にダンスを練習中だとか、お茶や御菓子作りに嵌まり、その延長で簡単な料理を覚え、ジーンに手渡す計画を企てていた事、その他諸々が、日誌からバレバレであった事をリラは知らない。

(この日誌の存在をリラが知ったらどんな顔をするのかな?まぁ、最終的に処分しろと言い兼ねないから教える気はないけどね)

 そして寝る前の習慣と化した日誌の内容確認を済ませてから、ジーンはベッドへと潜り込むのだった。



*****

 ※沢山のお気に入り登録有難う御座います!今現在2300人以上に登録頂き大変喜んでおります!!
 この話は前回のお気に入り登録数SSから派生しました♪リラ愛に溢れた使用人達なら、リラが公爵邸に移る前からやっているに違いないと!(笑)
 お楽しみ頂ければ幸いです♪
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