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本編
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「ただ、わたくしは、前王妃……貴方のお母様であるハンナ様にとても嫌われているし、わたくしも嫌いなの」
にこにこと笑いながら、リラ達の母親、リリーは言う。
「お母様?」
「だってあの方、わたくしを敵視するのは良いけれど、する事が稚拙過ぎてつまらないし、周りの言葉に振り回された挙げ句、わたくしと貴方のお父様、当時の王太子でもあるマーウィン様との有りもしないデマを鵜呑みにして、鬱陶しいったら無かったわ。誰もが未来の王妃を夢見てる、なんて思い込みは、迷惑でしかなかったもの」
良い笑顔で宣う侯爵夫人。
「わたくしは最初から、幼馴染みの旦那様一筋だと言うのに、婚約者候補の一人に挙げられ、怒りしか無いのに、その上執拗で幼稚な嫌がらせ。まぁ、それを理由に引き籠った振りをして、旦那様の所に押し掛け、嫁に貰って下さらなければ修道院に駆け込んで、一生をそこで過ごすわよと脅し、わたくしの本気を知った旦那様が貰って下さったの。だからわたくしは幸せですけれど、まさかハンナ様の息子がリラを望むなんてねぇ」
しみじみとエドワルドを見ながら言うリリーに敵意は無い。
「ハンナ様は猛反対なさると思うけれど、本当に良いのね?恨まれるかも知れなくてよ?」
母、ハンナとの確執が有った事を知らずにいたエドワルドだが、物心付いた頃には既に構いもしなかったハンナの気を引こうとした事すら無く、エドワルドにとっての母は、血の繋がった赤の他人と言う認識でしかなかった。
「私は母に疎まれているので、問題無いかと。元々母にとって私は息子では無い者ですから」
「噂には聴いていたけれど、実の息子を蔑ろにするなんて、相変わらず馬鹿な方。いいわ、貴方は義理の息子になるんだもの、わたくしを実の母とでも思いなさいな。あの方の激怒する顔が思い浮かぶわ、愉快な事」
心底面白がっているリリーの姿は、極親しい者が見れば、必ずジーンを彷彿とさせる。『ああ、やっぱり親子だな』と。
ジーンは明らかにこの母の二面性を継いでいるが、二人して巧みに使い分けている為、公の顔しか知らない者が殆どだ。
そして、喩え気付いた者がいたとしても、それを他者に話した所で誰も信じたりはしないだろう。
それ程までに巧妙に隠している為、こうして本性を自ら晒す事は非常に珍しく、敵認定されたか身内認定されたかのどちらかしかないと言う事だ。
「ハンナ様が何か言ってくるような事があれば、このわたくしに言いなさい。わたくしの知るあの方の弱味をいくらでも教えて差し上げますわ」
リリーからすれば、ハンナを黙らせる事ぐらい容易であり、大した手間も掛からない。今までは相手にする気も起きなかったが、リラや未来の息子を守る為なら、自ら動いてやろうと思ったのだ。
にこにこと笑いながら、リラ達の母親、リリーは言う。
「お母様?」
「だってあの方、わたくしを敵視するのは良いけれど、する事が稚拙過ぎてつまらないし、周りの言葉に振り回された挙げ句、わたくしと貴方のお父様、当時の王太子でもあるマーウィン様との有りもしないデマを鵜呑みにして、鬱陶しいったら無かったわ。誰もが未来の王妃を夢見てる、なんて思い込みは、迷惑でしかなかったもの」
良い笑顔で宣う侯爵夫人。
「わたくしは最初から、幼馴染みの旦那様一筋だと言うのに、婚約者候補の一人に挙げられ、怒りしか無いのに、その上執拗で幼稚な嫌がらせ。まぁ、それを理由に引き籠った振りをして、旦那様の所に押し掛け、嫁に貰って下さらなければ修道院に駆け込んで、一生をそこで過ごすわよと脅し、わたくしの本気を知った旦那様が貰って下さったの。だからわたくしは幸せですけれど、まさかハンナ様の息子がリラを望むなんてねぇ」
しみじみとエドワルドを見ながら言うリリーに敵意は無い。
「ハンナ様は猛反対なさると思うけれど、本当に良いのね?恨まれるかも知れなくてよ?」
母、ハンナとの確執が有った事を知らずにいたエドワルドだが、物心付いた頃には既に構いもしなかったハンナの気を引こうとした事すら無く、エドワルドにとっての母は、血の繋がった赤の他人と言う認識でしかなかった。
「私は母に疎まれているので、問題無いかと。元々母にとって私は息子では無い者ですから」
「噂には聴いていたけれど、実の息子を蔑ろにするなんて、相変わらず馬鹿な方。いいわ、貴方は義理の息子になるんだもの、わたくしを実の母とでも思いなさいな。あの方の激怒する顔が思い浮かぶわ、愉快な事」
心底面白がっているリリーの姿は、極親しい者が見れば、必ずジーンを彷彿とさせる。『ああ、やっぱり親子だな』と。
ジーンは明らかにこの母の二面性を継いでいるが、二人して巧みに使い分けている為、公の顔しか知らない者が殆どだ。
そして、喩え気付いた者がいたとしても、それを他者に話した所で誰も信じたりはしないだろう。
それ程までに巧妙に隠している為、こうして本性を自ら晒す事は非常に珍しく、敵認定されたか身内認定されたかのどちらかしかないと言う事だ。
「ハンナ様が何か言ってくるような事があれば、このわたくしに言いなさい。わたくしの知るあの方の弱味をいくらでも教えて差し上げますわ」
リリーからすれば、ハンナを黙らせる事ぐらい容易であり、大した手間も掛からない。今までは相手にする気も起きなかったが、リラや未来の息子を守る為なら、自ら動いてやろうと思ったのだ。
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