氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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「丁度一週間後に、王宮で夜会の催しが有りましたね。私がエスコートするので、そこに二人で参加しましょう。勿論その装飾品を付けて」

「……夜会、ですか?」


 リラは夜会と聞いて、あまり良い気はしない。だが、貴族と結婚するとなると、いずれどこかで御披露目をしなければならない。


「リラ嬢はいつも通りで構いませんよ。私は貴女が人前で無表情を装い、正論を口にする姿も格好良くて好きですから」


(かかかっ、格好良くて好きって言われましたぁぁぁ~~~?!?)

 口をパクパク動かすが、声が喉にり付いたかのように全く出ない。


「いつもは手の届かない高嶺の華であるかの如く、気高く凛々しいリラ嬢が、こんなにも清純で愛らしく可愛らしい一面があるなんて、他の男に知られれば、争奪戦に発展し兼ねませんからね」


(私に喧嘩を売るような貴族はいないと思うが、用心に越した事はない。彼女を奪われるぐらいなら、決闘だろうとしてみせる。万が一にでも彼女を横取りされたなら、私は容赦無く相手を八つ裂きにしてでも、彼女を取り戻そうとするだろう)


「エドワルド様は買い被り過ぎですわ。わたくし相手に争奪戦なんて起きません!」


 本気でそう思い、それを口にしたリラは、思わぬ反撃を受ける。


「貴女は自身の魅力に鈍過ぎる。貴女は平凡だから誰も相手にしないと思い込んでいるようですが、逆ですよ。平凡なだけなら条件の良い娘なんて直ぐに寄り付かれます。それに、女なら誰でも良いと言う物好きは、貴女が思うよりは多いと思いますよ。貴女が狙われずに済んだのは、美しい華と言うだけでなく、王族や公爵にしか興味のない高嶺の華と思わせた事、他者を寄せ付けないよう雰囲気と正論で切り捨てた事、兄のジーン殿と確執があると見せ掛けた事、何より、貴女の家族が貴女を害する虫を排除している事が挙げられます」


 キョトンとするリラに、エドワルドは更に言い募る。


「今直ぐ考えを改めろとは言いませんが、少しぐらいの自覚はして頂かなければ困ります。私にとって、貴女は最愛であると言う事を。貴女に手を出すような不埒な男が現れたなら、私は容赦無く始末するでしょう。私は独占欲が強いみたいですので、貴女を私の物として見せるのは良いが、貴女に手を伸ばそうとする者達には、手を切り落として、目を抉るぐらいの事を平気で仕出かすぐらい、貴女に夢中でいますから。だから、私を捨てよう等とは思わないで下さいね?そんな事になったら、私は貴女を誰の目にも触れない場所に監禁して、私無しでは生きられない身体にしてみせますから」


 とことん物騒な発言をするエドワルドに対し、リラはコクコク頷く事しか出来なかった。
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