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本編
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エドワルドが、リラを連れて奥へと歩き、暫くすると、エドワルドに声が掛かる。
「お久し振りです、エドワルド殿。お美しい女性をお連れですね」
その声に、エドワルドは少しだけ気を緩める。
「お久し振りです、バルト殿。ですが、貴方を紹介したくは無いですね」
「あはは、それはどうしてかな?エドワルド殿」
「貴方は女性に人気が高い。彼女を取られたくはありませんから」
軽口を叩き合う二人。随分仲が良さそうだ。
因みにバルトは愛妻家の既婚者だが、中年太りせず、物腰も柔らかな大人の色気を纏う美貌のオジサマだ。
エドワルドが紹介したく無いと言ったのは、愛妻がいるにも関わらず、自称愛人候補が湧いて出る為だ。
妻に言わせれば、『旦那様は女性は守る者として接し、女性に優しいから、勘違い女が増えるのよ』と言われてしまうが、騎士の性質上、仕方が無いと思っている。
勿論、妻を愛しているので愛人はいりませんと断り続けているのだが、次から次へと湧いて出るのだ。金と権力に目が眩んだ者達が。
「これ程美しい女性が、私なんかを相手にする訳が無いよ。もう五十近い年なのだから。君が紹介してくれないのなら、私が勝手に自己紹介をするよ?」
「仕方ありませんね。リラ嬢、こちらはバルト=ローズウッド公爵、私の剣の師である人です。バルト殿、こちらはリラ=エヴァンス侯爵令嬢、私の婚約者で、未来の妻になる人です」
「初めまして、ジルギリス=エヴァンスの娘、リラ=エヴァンスと申します。ローズウッド公爵様と言えば、アウラ地方で起きた戦禍の英雄の血族ですわね。確か、今から七十年程前のアウラ地方で、千以上の数の敵兵を三百程の兵で打ち払ったと言う」
「よくご存知で。まさか、これ程若い女性がアウラの防衛戦をご存知とは」
「当然ですわ。あの防衛戦が切っ掛けで、隣国はこの国から手を引いて下さったのですから。今この国が平和でいられるのはあの時、戦って下さった皆様のお陰ですもの」
無表情ながらも、リラの率直な言葉にバルトは感心する。女性達の関心事等、流行りのドレスやアクセサリー、もしくは条件の良い男選びやゴシップと言った物だと思っていたからだ。
そう言った、いかにも貴族の女性であると言った女性を好まないバルトは、リラに好感を持つ。戦った公爵のお陰では無く、戦った皆様、その地に住まう者達全てを示しているからだ。
リラが王族や公爵狙いだと聞いていたので、多少心配をしていたのだが、自分に色目を全く使って来ない女性と知り、ホッとする。そういった類いの女性では無い事に気付いたからだ。
「貴方が婚約をすると聞いて、どんな女性を選んだのか気になっていましたが、良い女性を選ばれましたね」
「ええ、それはもう。彼女が他の男に取られずに済んで良かったと、常々思っている所です。もし、私のリラ嬢に手を出そうとする者が現れたなら、私はその男達を八つ裂きにしようと思う程に」
エドワルドは、周りで聞き耳立てて聞いている者にも聞こえるように、きっぱりと言い切った。
「お久し振りです、エドワルド殿。お美しい女性をお連れですね」
その声に、エドワルドは少しだけ気を緩める。
「お久し振りです、バルト殿。ですが、貴方を紹介したくは無いですね」
「あはは、それはどうしてかな?エドワルド殿」
「貴方は女性に人気が高い。彼女を取られたくはありませんから」
軽口を叩き合う二人。随分仲が良さそうだ。
因みにバルトは愛妻家の既婚者だが、中年太りせず、物腰も柔らかな大人の色気を纏う美貌のオジサマだ。
エドワルドが紹介したく無いと言ったのは、愛妻がいるにも関わらず、自称愛人候補が湧いて出る為だ。
妻に言わせれば、『旦那様は女性は守る者として接し、女性に優しいから、勘違い女が増えるのよ』と言われてしまうが、騎士の性質上、仕方が無いと思っている。
勿論、妻を愛しているので愛人はいりませんと断り続けているのだが、次から次へと湧いて出るのだ。金と権力に目が眩んだ者達が。
「これ程美しい女性が、私なんかを相手にする訳が無いよ。もう五十近い年なのだから。君が紹介してくれないのなら、私が勝手に自己紹介をするよ?」
「仕方ありませんね。リラ嬢、こちらはバルト=ローズウッド公爵、私の剣の師である人です。バルト殿、こちらはリラ=エヴァンス侯爵令嬢、私の婚約者で、未来の妻になる人です」
「初めまして、ジルギリス=エヴァンスの娘、リラ=エヴァンスと申します。ローズウッド公爵様と言えば、アウラ地方で起きた戦禍の英雄の血族ですわね。確か、今から七十年程前のアウラ地方で、千以上の数の敵兵を三百程の兵で打ち払ったと言う」
「よくご存知で。まさか、これ程若い女性がアウラの防衛戦をご存知とは」
「当然ですわ。あの防衛戦が切っ掛けで、隣国はこの国から手を引いて下さったのですから。今この国が平和でいられるのはあの時、戦って下さった皆様のお陰ですもの」
無表情ながらも、リラの率直な言葉にバルトは感心する。女性達の関心事等、流行りのドレスやアクセサリー、もしくは条件の良い男選びやゴシップと言った物だと思っていたからだ。
そう言った、いかにも貴族の女性であると言った女性を好まないバルトは、リラに好感を持つ。戦った公爵のお陰では無く、戦った皆様、その地に住まう者達全てを示しているからだ。
リラが王族や公爵狙いだと聞いていたので、多少心配をしていたのだが、自分に色目を全く使って来ない女性と知り、ホッとする。そういった類いの女性では無い事に気付いたからだ。
「貴方が婚約をすると聞いて、どんな女性を選んだのか気になっていましたが、良い女性を選ばれましたね」
「ええ、それはもう。彼女が他の男に取られずに済んで良かったと、常々思っている所です。もし、私のリラ嬢に手を出そうとする者が現れたなら、私はその男達を八つ裂きにしようと思う程に」
エドワルドは、周りで聞き耳立てて聞いている者にも聞こえるように、きっぱりと言い切った。
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