氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

65

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「話は終わりましたので、リラを連れて屋敷に入って下さい。先ずは一筆書いて頂きますが、時間になれば、リラの部屋の前で待機しています。もし、約束を破れば、式の成立をとことん延ばし、式の当日まではリラと会わせないよう仕組みます。それが嫌なら、必ず約束は守って下さいね」


 そう言い切ってジーンは先に屋敷の中へと入っていく。

 思わぬうまい話にまだ実感が湧かないエドワルドは、リラの元に行き、被せた上着を捲れば、全身を朱に染めて、自身を抱き締めたリラが、上目遣いに瞳を潤ませ、エドワルドを見上げてくる。

(一筆書いた所で、日付が変わるまでには、まだまだ時間がある。挿入さえしなければ、ドレスを剥ぎ取り邪魔な衣服を全て脱ぎ捨て、直接あの蜜を味わい性器同士を擦り合わせる事すら可能?何だ、この美味し過ぎる展開は……。夢じゃないよな?だが……夢でも、罠でも構わない。この好機を逃してなるか!)


「リラ、ジーン殿が外に居たよ」

「おっ、お兄様が?!まさか、先程の声が……」

「いや、そうじゃ無いよ。でも、私達が何をしていたのかは把握済みだったよ」

「どどっ、どうしたら?!わたくし、もしかして兄様に嫌われ……っ」


 顔を青くしていくリラを、エドワルドが慌てて否定する。


「それは無いよ。ジーン殿は、私とリラの仲を歓迎してくれていた。寧ろ……」


 溜めて、リラの気を引き、ジーンの言葉を伝える。勿論、リラに被害を加える為に来る連中の事を伏せて。

「寧ろ?」

「屋敷に泊まり、リラの部屋で続きをしろと、私に進めてくれたよ。婚前に子供が出来ると後々困った事になるから、純潔だけは奪うなと言われたけれど、日付が変わる少し前までなら何をしたって良いと言われたよ。日付が変わる頃、少し話をして、ボードゲームで夜を明かそうとね。話と言っても悪い話じゃないから安心して。次にリラと会える日や、リラがクルルフォーン邸に来る日取り、後、仕事の話もしなければならないから。その間、リラには寂しい思いをさせるかも知れないけれど、それまでにたっぷりと、私がリラを可愛がってあげる」


 エドワルドの言葉を聞き、徐々にリラの顔色が赤みを帯びていく。


「一応馬車を家に帰す事になっているから、家の者に対して一筆だけ書かせて貰うけれど、その後はリラの部屋で、続きを沢山楽しもう。夫婦になれば毎晩する事だし、新婚なんて休日は、朝から晩まで子作りに励む夫婦が殆どなんだよ。暫く二人の時間を作る為に、避妊薬を飲んでする夫婦が、大半を占めると言うから、私達もそうしよう。リラとの子供は欲しいけれど、リラとの二人切りの時間も大切だからね」


(ほほほっ、本気で続きをするんですか?!あ、あ、あのっ、先程の続きを?!?)

 先程の手の感触や、舌のぬめりが生々しくよみがり、リラは身体中を赤く染めた。
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