氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

文字の大きさ
149 / 805
本編

97

しおりを挟む
「エドワルド様!わたくしの部屋でお休みしましょう?わたくしの膝を使って構いませんから!」

「……膝?」


 エドワルドには、膝枕と言う発想は無かったようだ。そんなエドワルドに、断られたらどうしようと、リラの中に不安が過るが、ダンの言葉を信じるならば、それは無いと断言してくれたので、勇気を出して口にする。


「わっ、わたくしの膝を枕に、ゆっくりお休みしましょう?エドワルド様が居て良い時間まで、ずっとわたくし枕になります!エドワルド様がわたくしに、いっ、悪戯さえしなければ、次回もわたくしが膝枕をする事が出来ますよ?!悪戯し過ぎた場合は、マッドと交代させられますからしちゃ駄目です!!その分、二人切りで、ゆっくり出来ますよ?……いっ、嫌……です、か?」


 エドワルドは驚き、固まっているのだが、それを見たリラが、段々不安そうな顔をする。

 そんなリラに逃げられないように、手を掴み、エドワルドが満面の笑みを見せる。


「嫌じゃないし、嬉しいですよ。膝枕なんて初めてです。本当に、次もしてくれるの?」


 エドワルドの言葉に、リラも満面の笑みを返して頷く。


「勿論です!だから、わたくしの部屋に行きましょう!」

「分かった。行くよ」


 今度は立ち上がり、リラと一緒にリラの部屋へと向かう。

 リラの部屋に着くと、リラが進んでカウチに座り、ご機嫌な様子でエドワルドを呼ぶ。


「エドワルド様、ここです、ここ!」


 リラがいつも以上に目を輝かせて、膝を両手で叩いて喜んでる姿が可愛くて仕方無い。

(何だ?あれは……。普通、膝枕をされる私が喜ぶのは当然だが、膝枕をするリラが喜んでいるように見えるなんて、可愛過ぎるにも程があるだろうに)

 エドワルドがリラの膝に頭を乗せると、リラが本当に嬉しそうにエドワルドを見下ろす。


「わたくし、子供の頃からずっと、母様が父様に膝枕をしている姿を見て、わたくしも、大きくなって結婚をする事があったのなら、いつかその旦那様にしたいと思っていたのです♪その夢を、エドワルド様が叶えて下さいました。わたくし、本当に嬉しいです!だから、ゆっくりお休みになって下さいね?」


(かっ……かわっ、可愛い!!!こんな至近距離でっ、はっ……破壊力が抜群過ぎるっっ!!下手をすると一生起きられなくなるじゃないか?!耐えろっ!私!!ここで死んだら元も子も無いからな?!)

 真っ赤な顔で、口元を隠すエドワルドを見下ろし、リラは心の中で大いに喜んだ。

(エドワルド様のお顔が赤いです!多分、わたくし、エドワルド様を翻弄出来ているようですわよ?!やぁ~ん!エドワルド様可愛いですぅ♪)

 リラは手で、エドワルドの目を隠し、よく眠れるようにと光りを遮った。
しおりを挟む
感想 2,440

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

黒騎士団の娼婦

イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

私が死んで満足ですか?

マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。 ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。 全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。 書籍化にともない本編を引き下げいたしました

王宮に薬を届けに行ったなら

佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。 カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。 この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。 慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。 弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。 「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」 驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。 「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」 ※ベリーズカフェにも掲載中です。そちらではラナの設定が変わっています。(貴族→庶民)それにより、内容も少し変更しておりますのであわせてお楽しみください。

処理中です...