242 / 805
本編
190
しおりを挟む
「そっ、そんな、私達は王族を支えているだけだ!害に等ならない!!」
「支える?支えるとは、世辞やおべっかを使う事では有りませんよ。正しき道、正しき王になるように、時に脅し、時に鍛え、愚王にならないようにするのが家臣であり、国民の生活や現状を教えるのも家臣の役目ですが、貴方達はその一つでもした事が有りますか?」
「「「おっ、脅し?」」」
不穏な言葉にドレファン側が反応するが、ジルギリスは平然と言う。
「馬鹿をやれば、死のうが自業自得の自己責任。一度や二度でも命取り。周囲には充分に気を付けろ。甘言だけを言う家臣は愚臣、苦言も言える家臣は貴重。一人で王がやれると思うな。噂に惑わされるな、多方面から調べ上げ、真実を探れ。王は最高権力者で有ると同時に国の為の犠牲者だ。思い上がるな、自惚れるな。傀儡の王なら誰でも出来る、と言った類いの言葉ですよ。勿論これを言われても、何も考えないような阿呆相手に、後継者の資格は無いでしょうけど」
「あー、言われた言われた。私の場合、ジルには後先考えずに行動に移すな、周囲が迷惑する、と言った類いのが多いけどな」
ジルギリスの言葉に、うんうん頷くマーウィンに対して、これにはディーランの近衛や兵士達までドン引きするが、アレクシスとエドワルドは平然と聞いている。
寧ろ、アレクシスの場合はジルギリスが内密の教育係りだったので、他国の実例や実名で、もっと詳細な愚王の処刑方法や末路等を幼少期に教えられたり、愚王で無くとも愚臣に暗殺されたりする事も有ると教えられたのだ。今更これ程度の発言で、引く程繊細でも無ければ狭量でも無い。
「私の家は、代々宰相や外交官が多く輩出されているので、王太子の教育係りにされる事が多いんですよ。先代国王陛下は私の父ですが、現国王陛下は先代の王妃が甘やかそうとしたので、陛下も内緒で私の教育を受けていますし、現王太子も私が教育しました。何か問題でも?」
まぁ、アレクシスと違って母親は賢い女性だし、後見人にエドワルドもいるから、アレクシス程の恐怖教育はしていないようだが。
誰も何も言わないので、ジルギリスは話を続ける。
「王族のしたいようにさせるだけなら、地位等無くても、誰にでも出来るんですよ。はいはいと話を聞いて、欲しい物を与えれば済むだけなんですから。それが害にならないと?こんな愚王を作り出して、ディーランに迷惑を掛けている現状を、理解して無いんですか?害に等ならないなんて、どの口が言う」
ジルギリスはアイスブルーの瞳を細めて、ドレファンの連中を一瞥した。
「支える?支えるとは、世辞やおべっかを使う事では有りませんよ。正しき道、正しき王になるように、時に脅し、時に鍛え、愚王にならないようにするのが家臣であり、国民の生活や現状を教えるのも家臣の役目ですが、貴方達はその一つでもした事が有りますか?」
「「「おっ、脅し?」」」
不穏な言葉にドレファン側が反応するが、ジルギリスは平然と言う。
「馬鹿をやれば、死のうが自業自得の自己責任。一度や二度でも命取り。周囲には充分に気を付けろ。甘言だけを言う家臣は愚臣、苦言も言える家臣は貴重。一人で王がやれると思うな。噂に惑わされるな、多方面から調べ上げ、真実を探れ。王は最高権力者で有ると同時に国の為の犠牲者だ。思い上がるな、自惚れるな。傀儡の王なら誰でも出来る、と言った類いの言葉ですよ。勿論これを言われても、何も考えないような阿呆相手に、後継者の資格は無いでしょうけど」
「あー、言われた言われた。私の場合、ジルには後先考えずに行動に移すな、周囲が迷惑する、と言った類いのが多いけどな」
ジルギリスの言葉に、うんうん頷くマーウィンに対して、これにはディーランの近衛や兵士達までドン引きするが、アレクシスとエドワルドは平然と聞いている。
寧ろ、アレクシスの場合はジルギリスが内密の教育係りだったので、他国の実例や実名で、もっと詳細な愚王の処刑方法や末路等を幼少期に教えられたり、愚王で無くとも愚臣に暗殺されたりする事も有ると教えられたのだ。今更これ程度の発言で、引く程繊細でも無ければ狭量でも無い。
「私の家は、代々宰相や外交官が多く輩出されているので、王太子の教育係りにされる事が多いんですよ。先代国王陛下は私の父ですが、現国王陛下は先代の王妃が甘やかそうとしたので、陛下も内緒で私の教育を受けていますし、現王太子も私が教育しました。何か問題でも?」
まぁ、アレクシスと違って母親は賢い女性だし、後見人にエドワルドもいるから、アレクシス程の恐怖教育はしていないようだが。
誰も何も言わないので、ジルギリスは話を続ける。
「王族のしたいようにさせるだけなら、地位等無くても、誰にでも出来るんですよ。はいはいと話を聞いて、欲しい物を与えれば済むだけなんですから。それが害にならないと?こんな愚王を作り出して、ディーランに迷惑を掛けている現状を、理解して無いんですか?害に等ならないなんて、どの口が言う」
ジルギリスはアイスブルーの瞳を細めて、ドレファンの連中を一瞥した。
77
あなたにおすすめの小説
ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~
cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。
同棲はかれこれもう7年目。
お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。
合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。
焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。
何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。
美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。
私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな?
そしてわたしの30歳の誕生日。
「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」
「なに言ってるの?」
優しかったはずの隼人が豹変。
「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」
彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。
「絶対に逃がさないよ?」
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる