氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

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 奥の部屋で、リラの作ったお菓子とリラの淹れたお茶で、まったりとした一時を過ごす。

 ある程度食べ終わって、お茶のお代わりを追加した後、各々の報告会になり、先ずは、ディーランの留守番組である、ジーンやリラ達の報告になる。

 リラの方はジーンとアナスタシア、リリーが主に話す事にする。

 ドレファン行きが決まった辺りから、一人の侍女がいつもと違う行動を取っていた為、探っていたら、その侍女が王妃に以前から懸想する男とコンタクトを取っていた事。侍女がその男を手引きして、王妃に不貞を働かせようとしていた事。そして、帰還した陛下に告げ口し、王妃の不貞現場にでも連れて行こうと企んでいた事。どうせ、激怒する陛下を慰め、寵愛を横取りしようと言う浅はかな考えでも持っていただろう事等を話し、他にも陛下が居ない隙にと考える屑がいる可能性がある事。エドワルドが連れて来た兵士の噂話で、エヴァンス邸に男達が来る可能性が高い事も考慮して、いっその事、エヴァンス家と王宮バラバラでは無く、リラとリリーを王宮内に移動させ、狙われ易くなるであろうアナスタシアも、一緒に纏めて護衛と警備を強化した方が良いのではないかと思案したと話す。

 因みに、現在エヴァンス家には、マッドと言う凄腕の傭兵が居て、エヴァンス邸に侵入したであろう男達と、アナスタシアに手を出そうとした男達を牢に入れ、お仕置きと言う名の地獄を見せている筈だと言う。

 害虫処分、地獄、で思い当たるのは、ドレファン行きの際に話していた、中身が女性で身体は筋肉隆々の男達がいると言う事。女性を食い物にしようとする男達を、逆に慰み物にすると言う、エドワルドが話していた者の一人かと、直ぐに見当が付いた。

 何せ、エヴァンス家に忍び込もうとした男の末路として話していたし、女性を食い物にすると言う点でも同じだからだ。アナスタシアを食い物にしようとして、逆にそうした男達が食い物にされたと知っただけで、アレクシスは少し怒りが鎮まった。

 それにその男達は、現在進行形でお仕置きを受けているらしい。

 そして、手引きしようとした侍女の方は、既に辺境の娼館に送り込まれたと言う事だ。

 因みに、ファーニーが囮を、アナスタシアは時折、ジーンの政務官補佐であるマティスと入れ替わり、執務の仕事を手伝ってくれていたそうだ。勿論、アナスタシアが男と二人切りにならないようにと、ルナがアナスタシアに護衛兼付き人として傍にいてくれた事も。

 その間、本物のマティスは、アレクシスやエドワルドの居ない状況で、仕事をちゃんとしているかどうかも調べていたらしい。これは、アナスタシアがマティスと入れ替わったから出来た事だそうだが、それを思い付き、実行に移す辺りがさすがと言うべきか、アレクシスは少しゾッとしたみたいだった。
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