氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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本編

278

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「相変わらず、お元気そうで何よりです。デイルお祖父様、デュラン伯父上」


 ジーンが声を掛け、それにリラも続く。


「デイルお祖父様、デュラン伯父様、お久し振りです。お茶は如何ですか?」


 孫達に声を掛けられて、デイルは満面の笑みと言葉を返す。


「おお、頂こう!元気だったか?ジーン、リラ。それと、お久し振りですな、エドワルド殿下」

「ジオラルド殿にも言ったが、殿下は止めて頂きたい。お久し振りですデイル殿、デュラン殿」

「お久し振りですエドワルド殿」

「伯父様、お祖父様!わたくしの婚約者のエドワルド=クルルフォーン様ですわ!わたくし、エドワルド様と婚約出来て、とてもとても嬉しいのです!!」


 幸せ一杯の、キラッキラの笑顔で言われれば、孫を、姪を溺愛している二人が、文句を言える筈も無く、それは良かったと頷く。


「「エドワルド殿、何卒リラを、宜しくお願い致します!!」」

「言われなくとも、彼女は私にとって最愛ですから」


 エドワルドが笑顔で応じると、リラが横で自己主張した。


「わっ……わたくしにとっても最愛です!忘れないで下さいね?!」


(……本当に、何なんだこの可愛さはっ!!反則級だろう!!!駄目だ!!マッドが来る!あの夜のマッドが来るぞ?!)

 エドワルドは内心激しく悶えながらも、何とか最強呪文で理性を繋ぎ止め、自身を落ち着かせる。


「エドワルド殿!手合わせお願い致します!」


 デイルが言うと、ジーンが止める。


「駄目ですよ、デイルお祖父様、デュラン伯父上も。エドワルド殿に怪我を負わせるような事をしたら、リラだけでなく僕も怒りますからね?エドワルド殿は武術に精通してはいますが、騎士では有りません。身体を動かしたければ双子達を相手にしてあげて下さい。特に双子は、二人と手合わせ出来ると喜んでいたのです。その期待を裏切らないであげて下さいね?」

「「やる~♪じいじ達と手合わせ~!」」

「ほらね?デイルお祖父様とデュラン伯父上が来ると聞いてから、ずっとウズウズしてたんだから、相手になってあげて下さい。ああ、夕食は当家でご一緒に。エドワルド殿と勝負をしたいのならば、身体を動かす方では無く、ボードゲームでして下さい。でないと、リラに嫌われてしまいますからね?」


 ジーンが黒い笑顔で、セイル家の二人を牽制し、二人はそそくさと双子達に話し掛けた。


「ルナ、ルネ、外で手合わせしよう!」

「私もいるぞ!さぁ行こう!」


 二人は庭へと双子を連れ出して、早速手合わせを始める。


「……セイル家の大半の人間は脳筋ばかりだから、相手にすると何時間でも相手をさせられますから、気を付けて下さいね」


 ジーンがエドワルドに申し訳なさそうな顔で言った。
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