氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

文字の大きさ
355 / 806
本編

302

しおりを挟む
 店を出る時に店主を呼んで貰い、店主に心配りのお礼と、とても美味しかった事を伝えて店を出る。

 そして街を巡り、雑貨屋を中心に色々な店を見て回るが、お揃いで、いつでも持ち歩ける物となると、中々ピンと来る物に巡り合えない。

(出来れば、実用性の有る物で、いつも持ち歩けて、お揃いで使える物が良いのですが……)

 そんな事を思いながらもあちこちの店を見て回っていると、リラの視界にある物が飛び込んで来た。

 リラはそれを見付けると、エドワルドに声を掛け、指で指し示す。


「エドワルド様、あれなんてどうでしょうか?!」


 エドワルドはリラの指し示す方を見て、それに目を止め笑みを浮かべる。

 リラが指し示した物は、同じデザインをした、ペアの万年筆だった。


「ああ、良いね。あれなら仕事でも使えるし、いつも持ち歩く事が出来る。デザインも良いし、あれにしようか」

「はい!あれが良いです!」

 エドワルドはリラにそう言うと、リラはキラキラした笑顔で、エドワルドの言葉に頷き、二人で店の中へと向かいお目当ての万年筆を買い求める。

 そうして買い求めた万年筆を二人で交換し合い、二人で微笑み合って店を出る。

 時間も昼を少し過ぎた頃なので、どこかで昼食を取ろうと、女性だけでも気軽に入れる食堂のような店に入る。


「ここは、自警団の人達も立ち寄る場所なので、わたくしもダンや兄様と一緒に来る事が有りますわ」

「私はこういった場所での食事は初めてだな。いつもは職場か家でしか食事はしないし、宿で食事をする事は有るが、大抵部屋で食事を取る事にしているから」


 そんな会話をしながら食事を進め、次の場所へと足を向ける。


「ここは、本を取り扱うお店で、装丁や修繕等も頼めます。複写も出来て、隣で本も売り買いしておりますわ」


 本屋に入れば、思っていた以上に充実したラインナップにエドワルドは驚く。

 一通り本を見て、数冊の本を手に取る。


「お買い上げになられるのでしたら、後でエヴァンス侯爵様のお屋敷にまで、お届けさせて頂きますよ」


 店主にそう言われ、エドワルドは幾つか買い求め、リラにも声を掛ける。


「リラ、欲しい物が有れば一緒に買うし、幾つだろうと構わないから、持って来なさい。クルルフォーン家に持って帰れば、結婚後はいつでも読めるよ」

「よっ、宜しいのですか?」

「ああ、勿論。何ならリラ専用の本棚でも注文して置くよ」

「……専用は要りません。ですが、エドワルド様と共有の本棚は欲しいです!」


 リラの言葉にエドワルドは破顔して、快く了承した。
しおりを挟む
感想 2,443

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話

よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。 「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

兄様達の愛が止まりません!

恋愛
五歳の時、私と兄は父の兄である叔父に助けられた。 そう、私達の両親がニ歳の時事故で亡くなった途端、親類に屋敷を乗っ取られて、離れに閉じ込められた。 屋敷に勤めてくれていた者達はほぼ全員解雇され、一部残された者が密かに私達を庇ってくれていたのだ。 やがて、領内や屋敷周辺に魔物や魔獣被害が出だし、私と兄、そして唯一の保護をしてくれた侍女のみとなり、死の危険性があると心配した者が叔父に助けを求めてくれた。 無事に保護された私達は、叔父が全力で守るからと連れ出し、養子にしてくれたのだ。 叔父の家には二人の兄がいた。 そこで、私は思い出したんだ。双子の兄が時折話していた不思議な話と、何故か自分に映像に流れて来た不思議な世界を、そして、私は…

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました

美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?

処理中です...