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後日談
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「ボクは……この先、どうしたら良いんでしょうか……」
「んなもん俺に聞くなや。てめぇで決めろ。てめぇの問題だろが」
ダンの言葉に、若干落ち込むライラ。
「俺ぁ昔、今の付き合ってる女に、断っても断っても、ずっと付き纏って来やがるから、なら、十年経ってもその気持ちが変わんねぇっつうなら、その時お前と付き合ってやる。ただし、その十年間は、俺に愛を告げるのは無しだっつったら、本当に十年、誰とも付き合わずにずっと時が過ぎるのを待ってやがったぞ。言っとくが、俺ぁ嘘を吐いた訳でも、意地悪や悪意が有って言った訳じゃねぇ。俺みたいな容姿の、物珍しい者と恋人になんてなりゃあ、明らかに周囲から浮くだけじゃなく、親しい相手からも避けられ、仮に俺との間に子供なんざ出来たなら、その子供までが偏見受けんだぞ。それが解ってて自分の好みの女を犠牲になんぞ出来るかよ。その十年で、何とか俺の存在を、周囲に認めさせる気でいたんだよ。仮にシルビーが他の男と付き合ったり、俺を諦めたりした場合は、俺が一生独り身でいれば良いだけだったしな」
「……その恋人には、言わなかったんですか?好きだから、待ってて欲しいと」
「言ってどうする。重荷になるだけだろうが。言っとくが俺の女は、理由なんざ全く聞きもしなかったぞ。そもそも、十年やそこらで諦めるような女と、俺がそんな約束なんぞをするかってんだ。それなら、最初に断りを入れた時点で諦めるっつうの。おら、口動かす元気があんなら、あいつらが来る前に、もっぺんやるぞ」
「はっ、はい!」
ライラは、再び剣を構えて、ダンに斬り掛かる。
「もっと重心低くしろ。それとお前、得物を変えろ。そいつはお前に向いてねぇ。どうせ教えやがった奴も、基本を教えりゃ大丈夫、とか思ってる口だろ。お前にこの得物は、重過ぎる。お前が振り回されてる感が半端ねぇ。男だろうが女だろうが、自分に有ってる武器が一番良いに決まってんだろ。帰りにマッドにでも買わせろ。俺から言っといてやる。それと、名前だけで動揺すんな。マッドなんて名前は、いくらでもいるんだからな」
「はっ、はい!」
「一応今日はその得物でも、少しは使えるようにしてやるが、あくまでも、自分が武器を持ってない状況で、敵から武器を奪うしかないって時に、その武器を使えなかったら、元も子も無いからだ。帰りに得物を買った後は、常にその武器を身に付けてろ。身体に馴染ますには、先ずその重さに慣れるのが一番だ」
そうして、ダンにあれこれ指摘されながら、ライラは必死で身体を動かしていった。
「んなもん俺に聞くなや。てめぇで決めろ。てめぇの問題だろが」
ダンの言葉に、若干落ち込むライラ。
「俺ぁ昔、今の付き合ってる女に、断っても断っても、ずっと付き纏って来やがるから、なら、十年経ってもその気持ちが変わんねぇっつうなら、その時お前と付き合ってやる。ただし、その十年間は、俺に愛を告げるのは無しだっつったら、本当に十年、誰とも付き合わずにずっと時が過ぎるのを待ってやがったぞ。言っとくが、俺ぁ嘘を吐いた訳でも、意地悪や悪意が有って言った訳じゃねぇ。俺みたいな容姿の、物珍しい者と恋人になんてなりゃあ、明らかに周囲から浮くだけじゃなく、親しい相手からも避けられ、仮に俺との間に子供なんざ出来たなら、その子供までが偏見受けんだぞ。それが解ってて自分の好みの女を犠牲になんぞ出来るかよ。その十年で、何とか俺の存在を、周囲に認めさせる気でいたんだよ。仮にシルビーが他の男と付き合ったり、俺を諦めたりした場合は、俺が一生独り身でいれば良いだけだったしな」
「……その恋人には、言わなかったんですか?好きだから、待ってて欲しいと」
「言ってどうする。重荷になるだけだろうが。言っとくが俺の女は、理由なんざ全く聞きもしなかったぞ。そもそも、十年やそこらで諦めるような女と、俺がそんな約束なんぞをするかってんだ。それなら、最初に断りを入れた時点で諦めるっつうの。おら、口動かす元気があんなら、あいつらが来る前に、もっぺんやるぞ」
「はっ、はい!」
ライラは、再び剣を構えて、ダンに斬り掛かる。
「もっと重心低くしろ。それとお前、得物を変えろ。そいつはお前に向いてねぇ。どうせ教えやがった奴も、基本を教えりゃ大丈夫、とか思ってる口だろ。お前にこの得物は、重過ぎる。お前が振り回されてる感が半端ねぇ。男だろうが女だろうが、自分に有ってる武器が一番良いに決まってんだろ。帰りにマッドにでも買わせろ。俺から言っといてやる。それと、名前だけで動揺すんな。マッドなんて名前は、いくらでもいるんだからな」
「はっ、はい!」
「一応今日はその得物でも、少しは使えるようにしてやるが、あくまでも、自分が武器を持ってない状況で、敵から武器を奪うしかないって時に、その武器を使えなかったら、元も子も無いからだ。帰りに得物を買った後は、常にその武器を身に付けてろ。身体に馴染ますには、先ずその重さに慣れるのが一番だ」
そうして、ダンにあれこれ指摘されながら、ライラは必死で身体を動かしていった。
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