氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

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「そう言えば、ライちゃん、ダンちゃんと何を話してたのぉ?」


 双子達との激しい手合わせの中、視界に入ったダンのご機嫌な笑みを見て、マッドは、何だか面白くない。

(普段はあんな顔、ダンちゃん滅多に見せないってのにぃ、何でライちゃんには見せてんのぉ?!ライちゃん、外見は綺麗な美人さんでもぉ、中身はちゃ~んと、あたしすらも女として見てくれる、格好良い、立派な男なんだからぁ!ダンちゃん、自分が男タラシだって気付いて無いのぉ?!シーちゃんだって居るんだからぁ、もっと自重しなさいよぉ!)

 マッドは自分の事を棚上げして、内心、ダンをなじってる。


「おいおい、随分余裕だなぁ?双子達の相手は退屈だったってかぁ?なら、もっぺんやるか?」

「「やる!マッド、馬鹿ぁ!!」」


 どうやら双子達は、マッドに嘗められたと思ったようだ。


「ちょっ、違うわよ?!あたしだって真剣にやってたんだからぁ!双子ちゃん達を馬鹿にしたとか、嘗めて掛かってるとか、全っ然してないからぁ!!ちょっと、ダンちゃん!いい加減な事言わないでよぉ!!」

「だからそれ、嘘臭く聴こえんぞ?」

「嘘じゃないわよぅ!あたしは真剣なんだからぁ!ってか、ダンちゃんが滅多に見せないご機嫌な笑みを浮かべてたから、思わず、気になっちゃっただけじゃないぃ!」

「まぁ、それぁ置いといて。マッド、こいつにレイピア使わせろ。この剣じゃ重過ぎだ。剣に振り回されてて、軸が確り取れてねぇ。もしくはついのダガーだ」

「あー、やっぱ合ってなかったのねぇ。構えとかは問題無さそうに見えたんだけど、何て言うか、何か違う気がしたのよぅ」

「お前の勘は当たってる。一見だけじゃ、一応長い事使ってる分、判別し難いが、合わん得物なんぞ使ってると、速さも持久力も、がた落ちするってだけだ。重いもん使ってわざとスピード制限する事も有るが、そんなもんするのは、本来の得物を見られたく無い奴か、余程の自信家かぐらいだろうよ」

「やっぱりダンちゃんに見て貰って正解ねぇ。でもライちゃん、気を付けて?ダンちゃんは恋人居るし、惚れちゃあ駄目よ?」

「何の話だ、何の」

「だってダンちゃん、天性の人タラシなんだものぉ!リラちゃんもだけど、ダンちゃんは男を惹き寄せまくってるじゃなぁい」

「気色の悪い事を言うなや」

「だって、ダンちゃん、男の中の男!男の憧れ!とか、いつも言われてたじゃない。ダンちゃんにやられた奴等が皆改心して、ダンちゃんを兄貴って慕ってる事ぐらい、知ってるのよ?あたし」

「知るか、んなもん」

「「ダン、渡さない!絶対!!」」


 双子達はライラに敵意を向け、ダンをライラから引き離そうとする為、ダンはマッドにどうすんだ、この状況……と言った冷たい視線を送り付けた。
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