氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

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後日談

48 (クレア視点)

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 クレアはマッド達と祝宴を上げたその日、マッド達を部屋に案内した後、エドワルドとリラの所に顔を出し、リラにも新作のドレスを渡しながら、クルルフォーン邸に来るまでに出会ったコランの事を話して、エヴァンス邸に有るドレスを見せるだけの許可を貰い、まだ王宮で仕事をしているだろうジーン宛に手紙を一通書いて、屋敷内にコランを入れる許可と、身辺調査の依頼もお願いする。

 怪しくは無いだろうとは思うが、一応念には念をと言ったものは、入念で有れば有る程最悪の事態は避けられるので、エヴァンス家では、当然の行動である。

 そうしてエヴァンス邸へと一旦戻って、リラが公爵夫人として着れなくなった、明らかに未婚女性が着るべき服を、トルソーに並べてたりしていく。

 ただし、このままで着れない物は、それを今後、既婚女性でも着れる物に作り替えようと思っているクレアだったりするのだが。

 リラは、元々あまり新しいドレスを欲しがらない。

 リラは、クレアの手作りドレスを気に入り、装飾を替える事で、別物として何度も使用するぐらいなのだ。

 元々シンプルな物を好むリラは、過剰装飾気味である、店のドレスは好まない。

 だから、クレアは喜んで、リラのドレスをリメイクしていたのだった。

 また、リラの喜ぶ顔が見たい!そんな事を思っていると、ジーンからの許可する返答が返ってきて、夕方頃までの時間を、マッド達のウエディングドレスのデザインを思い付く限りを描き上げ続けていると、訪問者が来たと執事に教えて貰い、作業部屋に招く。


「お邪魔します。……わぁ、凄いです!これが、侯爵令嬢の着ていたドレスですか……」

「ええ、そうよ。それと、こっちがマッドさん達のドレスのデザイン。早く決めないと、作業が進まないから」

「わっ、私も、ドレスのデザインを考えて、幾つか描いて来ました!」


 それをクレアはコランから受け取り、目を通していく。


「このデザインは却下。マッドさんのスタイルが悪く見えるわ。するなら、こっちの方がマシ。でも、マシってだけで、ウエディングには向かないわ。これは駄目。マッドさんが太って見える!元々白は膨張色なんだから、その辺も少しは考えなさい!それと、マッドさんのドレスはライさんとのバランスも考えないと、男女が逆転の服なんだから、その辺も考えて頂戴!」

「はい!済みません!」

「もう一度やり直し。わたしのを参考にしても良いから、もう一回考えて来なさい。次が駄目なら、わたしの案で通させて貰うわよ。でないと、ライさんの体型が、妊娠して変わりました、なんて事になるかも知れないんだから。その辺も考慮しなさい!」


 クレアは厳し過ぎる現実と、力の差を見せ付け、コランを凹ますが、凹んでる暇が有るなら次を考えなさい!マッドさんに幸せになって貰いたいんでしょう?!と叱咤激励し、コランのやる気に火を付けた後、暫くコランに付き合って色々と教え、その後、大急ぎでクルルフォーン邸に戻り、マッド達の祝宴に参加するのだった。
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