氷結の毒華は王弟公爵に囲われる

カザハナ

文字の大きさ
43 / 805
SS置き場

累計8500000ポイント突破記念♪ ~転職後の育児出産~

しおりを挟む
 ライラが妊娠し、マッドと共に、クルルフォーン邸へと転職する事になった。

 勿論、妊婦のライラを一人にして置く事なんて心配で仕方無いし、何か有ってからでは遅いからだ。

 ライラには、頼るべき親族も居ないし、子供と接した事すら無い。

 その為、子供が産まれた後も、心配が多々有る為だ。

 その点、エヴァンス家やクルルフォーン家は、信頼出来るし、頼れる者も多い。

 レベッカは既に二児の母だから、学べる事も多いだろう。

 子供が産まれるまで、子供の扱い方をレベッカの子供で教わったり、抱き方やオムツの替え方を教わったりした。

 とは言え、不馴れな所為かぎこちなく、ワタワタする事も多いが、それはそれで、微笑ましい状況だ。

 ライラは順応力が高く、エヴァンス家の使用人達や、クルルフォーン家の使用人達と、直ぐに打ち解けていった。

 そうして子供が無事産まれ、ライラはマッドに出会えた奇跡のような偶然に感謝した。

 本来なら、マッドと会う事も無く、貴族の令嬢として自分を偽ったまま、好きでも無い男と結婚する羽目になっていた事だろう。

 そう思うと、平民になる決意をし、下町に足を踏み入れ、マッドを信じた自分を褒めてやりたい程だ。

 昼間は、ルッグスの世話を一緒に見て貰いながら、子供達の護衛と言う形で子供達の側に付き、夜は屋敷の警護に当たっていたマッドと一緒に与えられた部屋に戻れば、マッドが率先してルッグスの面倒を見てくれる。

 未だに子供のしたい事はよく分からないが、動作が一々可愛く、また、クレアが手作りで作ってくれた衣装の数々が、子供の可愛さを増している。


「子育てなんてのは、この先ず~っと続くものなんだからぁ、気を張らずに、周囲に頼っちゃえば良いのよぉ♪ここには子煩悩な男達が多いけど、同じようにしなくちゃいけないって事は無いし、子育てに、男も女も関係無いわよぉ。気楽に楽しくいきましょう♪ライちゃんにはまだまだ、子供を産んで貰いたいもの!本当はあたしが産めれば良かったんだけどぉ、男の身体じゃあさすがに無理があるものねぇ」


 マッドはライラにそう言いながら、テキパキとルッグスのお世話をこなしていく。

 ルッグスをあやすマッドと、マッドにあやされ満面の笑顔を振り撒くルッグスが可愛くて、ライラの頬は自然と緩む。


「子供がこれ程可愛いなんて、思ってもいませんでした。最愛の人との子供が持てて、僕はとても幸せです。愛してますよ、マッドさん、ルッグス。これからもずっと一緒にいて下さいね」


 ライラの言葉に感極まったのか、マッドはルッグスを間に、ライラへと抱き付いた。


「あたしだって幸せよぉ!ライちゃん愛してるわぁ!!ずっとずっと、一緒にいるんだからぁ~!」


 マッドとライラの間で潰され掛けたルッグスが、抗議の泣き声を上げ、慌ててあやしたのは言うまでもない。



*****

 ※いつも有難う御座います!台風の方は大丈夫でしたか?
 遅くなってしまいましたが、今回はnibosiさんのライラが子供の扱いにタジタジ&メロメロ状態のリクですが、ライラは思ってる事は言葉にはするけれど、あまり表面的には出さないような感じなので、こんな感じになりました(笑)
 ここ一ヶ月程、飲食店で働き出して、長時間勤務に出てるので、中々執筆出来ない状況ですが、時間を掛けてでも、ちまちまと執筆していきますので、これからも宜しくお願い致します!
 皆様が楽しんで頂ければ幸いです♪
しおりを挟む
感想 2,440

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

ハイスぺ幼馴染の執着過剰愛~30までに相手がいなかったら、結婚しようと言ったから~

cheeery
恋愛
パイロットのエリート幼馴染とワケあって同棲することになった私。 同棲はかれこれもう7年目。 お互いにいい人がいたら解消しようと約束しているのだけど……。 合コンは撃沈。連絡さえ来ない始末。 焦るものの、幼なじみ隼人との生活は、なんの不満もなく……っというよりも、至極の生活だった。 何かあったら話も聞いてくれるし、なぐさめてくれる。 美味しい料理に、髪を乾かしてくれたり、買い物に連れ出してくれたり……しかも家賃はいらないと受け取ってもくれない。 私……こんなに甘えっぱなしでいいのかな? そしてわたしの30歳の誕生日。 「美羽、お誕生日おめでとう。結婚しようか」 「なに言ってるの?」 優しかったはずの隼人が豹変。 「30になってお互いに相手がいなかったら、結婚しようって美羽が言ったんだよね?」 彼の秘密を知ったら、もう逃げることは出来ない。 「絶対に逃がさないよ?」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

黒騎士団の娼婦

イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。 異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。 頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。 煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。 誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。 「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」 ※本作はAIとの共同制作作品です。 ※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?

冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。 オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。 だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。 その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・ 「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」 「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

処理中です...